DMM英会話ブログ編集部
(更新)
こんにちは。「使える英語ドットコム」の後藤です。
ここ数年で、マルタ共和国を取り上げるテレビ番組や雑誌が急増しました。私がマルタに移住したのは2011年。「マルタって国なの?」とか「イタリアの一部?」といった反応しか返ってこなかった当初と比べると、国の認知度はだいぶ上がりました。
でも、やっぱりまだまだ知らないことがたくさん!留学の候補地や次の旅行先としてマルタを検討している人のために、
今回は
についてお話しします。
マルタ留学を検討している人にはぜひおさえてもらいたいコンテンツですので、少し長いですが最後までおつきあいください!
マルタ共和国は地中海のちょうど真中、約80キロ北にあるイタリアのシチリア島とアフリカ大陸に挟まれた場所に位置する島国です。同じ緯度上には、ギリシャ、キプロス、チュニジアなどがあります。
主要の島はマルタ、ゴゾ、コミノの3島で、ほかに複数の小さな無人島で構成されています。国土はちょうど東京23区の半分、または名古屋市の面積と同じくらいの316㎢です。人口約43万人が住む、世界で7番目に人口密度が高い国です。
マルタの首都はバレッタで、ユネスコ世界遺産にも登録された歴史深い都市です。バレッタはマルタ島の北の海岸沿いにあり、入江であるマルサイムシェット・ハーバーとグランド・ハーバーに囲まれています。16世紀にマルタ騎士団によって建設されたこの街には、国会議事堂や首相官邸などの政治機関があるほか、国の代表的な観光スポットや博物館、アートセンター、伝統を受け継ぐ職人さんの店などが点在します。
マルタの商業の中心地はセントジュリアンとスリーマで、ショッピング施設やレストラン、ホテルなどが立ち並びます。語学学校が多いのもこの地域です。セントジュリアンの南に位置する「パーチェビル」というエリアは、賑やかなクラブシーンがあることでも有名です。
バレッタ
セントジュリアン
マルサシュロック
上記のほかに、マルタ騎士団が最初に築いたスリーシティーズ、マルタ中部に佇む城塞都市イムディーナ、マーケットとカラフルなボートで有名な漁村マルサシュロック、ゴゾ島の中心都市ビクトリアも訪れてみたいエリアです。
公用語は現地語のマルタ語と英語ですが、国民の多くがイタリア語を話すこともできます。マルタ語はセム語派の言語で、アラビア語にとても近い言語です。
9割以上の国民がローマ・カトリック教を信仰しています。マルタには全部で359の教会があると言われ、守護聖人を祀るビレッジフェスタやイースターなど、宗教に関連したさまざまな祭りが開催されます。
マルタ人は海外からの訪問者に親切で、親日家が多いと言われています。また、マルタは日本以上に “コネ社会” でもあり、家族や親戚をはじめとする人間関係を大切にします。
地中海特有ののんびりした性格も持ち合わせていて、ちょっと雑だけど素朴な人が多いです。イタリア人やスペイン人のように感情表現が豊かで、喧嘩するときもダイナミックです。
マルタは日本と同じく右ハンドル、左側通行です。
公共の交通機関はバスとフェリーです(電車は通っていません)。バスはバレッタにあるメインターミナルを拠点とし、マルタ全域に路線が通っています。マルタ空港からセントジュリアンまでバス移動をすると約40分、バレッタからスリーマまでは20分ぐらいですが、渋滞すると倍の時間がかかる時もあります。
マルタではフェリーの利用率も高く、マルタ島とゴゾ島をつなぐカーフェリーと、スリーマ⇆バレッタとバレッタ⇆ヴィットリオサの入江を渡る連絡船があります。
マルタの大きな魅力のひとつは、比較的温暖な気候です。1年のうち300日以上が晴れなので、年間を通して海水浴をするマルタ人もいるほどです。
マルタの春は3〜5月で、平均気温は18℃くらい。気候が最も快適な、私がマルタ留学に一番おすすめしたい季節です。海水は冷たいですが、日中は半袖でも過ごせるくらい温暖です。ただし夕方から夜間にかけて涼しくなりますので、春用のコートやセーターを準備してください。
夏の6〜8月は降水量がほぼゼロで、傘の存在を忘れてしまうほど乾燥します。平均気温は30℃前後なので軽装にサンダルでOKですが、帽子と日焼け止めを使用し、猛暑日はなるべく日陰で過ごすようにしてください。
秋の9月半ば〜10月は局地的に大雨が降り、気温が徐々に涼しくなっていきます。場所によっては洪水が起きますので、外出時は十分気をつけてください。薄手のセーターやジャケットが必要になる日が増えます。
冬にあたる12月〜2月は湿気が高くなります。気温は15度前後ですが、たまに雹が降ることがあります。湿気がこもる屋内では外より寒く感じる時があるので、長袖の下着と暖かいセーターが必要です。外出時は冬用のコートやジャケットを使用してください。
また、マルタでは2月後半から春先に「シロッコ」という地方風が吹きます。ちょうど中国から日本へ到来する黄砂のように、南東から吹く暖風がアフリカのサハラ沙漠の砂をマルタに運んできます。シロッコが吹く日は大気に細かい砂が浮遊し、砂混じりの茶色い雨を降らせます。
祝日は全部で14日。2月10日「聖パウロ難破船記念日」など宗教に由来する “Public Holiday” と、9月8日「勝利の日」など歴史・政治的な出来事に由来する “National Holiday” があります。
通貨はユーロです。標準の付加価値税(VAT)は18%で、品目により税率が異なります。
「サマータイム制」を導入しているので、季節によって日本との時差が異なります。
サマータイムにあたる3月最終日曜日〜10月最終日曜日は7時間の時差、それ以外の期間は8時間の時差があります。
マルタはシェンゲン協定国であり、90日以内の滞在なら留学、観光ともにビザは不要です。それを超えて留学する場合は、現地にて “Temporary Residence Permit”(一時滞在許可)の申請が必要となります。
日本からマルタへの直行便はありませんので、経由便を利用します。飛行時間は乗り継ぎ時間も合わせると15〜22時間くらい。代表的な乗り継ぎ地は、ロンドン、フランクフルト、ローマ、パリ、ヘルシンキなどの欧州都市と、イスタンブール、ドバイなどがあります。
緊急 (警察、救急車、消防車)112
マルタは犯罪率も少なく比較的安全な国ですが、ナイトクラブや観光地、バスの中でのスリや盗難が増えていますのでご注意ください。女性1人の夜間外出もおすすめしません。
マルタの主要病院は、国立のメイターディ病院と私立のセントジェームス病院です。国立病院は緊急患者で常に混雑していますので、緊急を要さない場合は、町の薬局に付随するクリニック(予約なしで利用可能)かセントジェームス病院をおすすめします。診察料は10ユーロ〜です。
■メイターディ病院(国立)(Mater Dei Hospital)
電話:(+356) 2545 0000
住所:Triq Dun Karm Psaila, Msida, MSD 2090, Malta
■セントジェームス病院 (私立)(St. James Hospital)
電話:(+356) 2329-1000
住所:George Borg Olivier Street, Sliema SLM 1807, Malta
マルタは水資源が少ないため、海水を淡水化した水が使用されています。安全ですが味に少し癖があるので、多くの人は飲み水用にペットボトル水を購入しています。スーパーに行くと2Lの水を1本60セント前後で購入できますが、観光地では500mlのミネラルウォーターが同額かそれ以上で販売されています。
マルタ空港、バンク・オブ・バレッタ(Bank of Valletta)などの銀行、もしくは市内の両替所で両替が可能です。島中にATMがあり、国際キャッシュカードで現金引き落としができます。念のためにユーロで現金を持参すると安心です。
また、現地での銀行口座の開設には手続きにかなりの時間を要するので、長期留学をする人にもおすすめはしません。
レストランやタクシーでは、10%を目安にチップを支払うのが一般的です。ただしチップはあくまでも任意なので、サービスのレベルにより調整してください。
電圧は230ボルト、周波数は50ヘルツです。英国と同じ3つ穴のBFプラグを使用しています。携帯、ラップトップなど100〜240vに対応する機器は、形状変換プラグ(ユニバーサルアダプターなど)があれば使用可能です。日本製で100vの対応しかない製品は変圧器が必要です。
マルタのインターネット環境は充実していて、無料でWifiが使用できる飲食店や市町村が増加しています。SIMフリーの携帯を持参する人は、携帯電話会社で大手のボーダーフォン “Vodafone” のプリペイド式SIMカードをおすすめします。プリペイド式だと使いすぎる心配がないので、私はずっとこのサービスを利用しました。マルタ空港にも店舗がありますので、到着後すぐに手続きができます。
マルタの国番号は356です。
マルタ→日本の場合 00 + 81 + 最初の0を取った市外局番 + 相手の番号
日本→マルタの場合 電話会社の国際電話番号 (001, 0033など) + 010 + 356 + 相手の番号
今回はマルタの概要と、知っておくと便利な現地生活に関わる情報についてまとめました。
今後もより多くの人にマルタ留学を知っていただくため、さまざまなアングルからマルタの特徴や魅力を紹介していきます。
どうぞお楽しみに!