雨宮美奈子(あまみや みなこ)
(更新)
みなさん、こんにちは。ライターの雨宮美奈子(あまみや・みなこ)です。
さて、セブ島をはじめとするフィリピンには、街のあちらこちらで屋台が出ているんです。特に屋台では、レストランでは味わえないようなローカルな食べ物を安く美味しく食べられちゃうことでおなじみ。節約したい留学生や、ローカルのものに触れたいと思う旅行客などにも大人気のスポット。
その中でも「旅行客はあまり手を出さないけど、現地人には大人気」という "バロット" という食べ物は、ぜひ食べるべきなんだそうで。ふむ。日本では聞いたことのないものですが、いったいどんな食べ物なのでしょう?
ってことで今回はそんなバロットを出している屋台を見つけたので、早速レポートいたします!
まずは、バロットの屋台を出しているおばちゃんに接近。ちょっとカメラに照れながらも、とっても気さくに接してくれます。
雨宮「ここってバロットの屋台なんですよね?」
おばちゃん「そうですよ。バロット、見てみますか?」
と売り物であるバロットを見せてくれました。
ほう。バロットとは、つまりゆで卵のことなのかな……?
雨宮「よく見ると、殻に鉛筆で印のようなものがついていますけど、これは?」
おばちゃん「ああ、それはバロットの成長した期間をわかるよう、印をつけてるのよ。この新聞紙に包まれて、今も殻の中では育っているからねぇ」
……はい、勘のいい人はもうお察しですね。
バロットとは、「孵化直前のアヒルの卵」のこと。孵化が進めば進むほど、見た目は緊急事態だそうですが、旨みや栄養も増すとのことです。マジか。
今回は中級者向けという、18日目の卵にチャレンジしてみることに。
いやー。仕事とは言えど、本気で気が進みません。
(ここからの写真は結構すごいです。ご注意ください)
まずは殻に、ゆで卵のようにヒビを入れて……
少しずつめくると、うおお、見えてきた。明らかに普通のゆで卵ではない予感ぷんぷん。
頑張って殻を剥いていると、横にいたお兄さんが「お前マジで食べるんか」と言いながらめっちゃ見てきました。やはり、現地人じゃない人が食べるのはちょっと珍しいようで。
そこでお兄さんに「It's my job.」(これが私の仕事だ)と返すと爆笑されました。
うん、確かに外国にまできて孵化しかけた卵を食べる仕事って意味わからんよな。お兄さん、ぶっちゃけ私もよくわからずにこの仕事やってるよ。(誇らしい仕事だけどな!)
さてさて。
まずは殻を少し割ったところから、殻の中にあるスープを飲むんだそうです。殻をあけたところへ口をつけて……
ズズッ
雨宮「うおっ!」
びっくりしちゃったけど、これはアレだ。アレだぞ、う、うまいぞ? 例えるなら少ししょっぱい、でも鶏ガラがじっくりときいたような味。これ、ラーメンのスープとして出されたら売れると思います。
途中でバルサミコ酢を足して、味に変化を加えるのも通な食べ方だそう。試してみます。
屋台に備え付けられている調味料で、自分のお気に入りの味付けを見つけてみよう!って感じですな。
ちなみに。
写真を見てお分かりの通り、さっきドン引きしてたお兄さんも後ろでずっとバロット食べてました。
(しかもお兄さん、3個も食べてました。こちらのバロットは精力増強に大変効果的らしく、男性のお客さんがとっても多いんだそうです)
じっくりスープを堪能したら、次はもっと殻を割り進めていきます。
はい。そろそろやばいビジュアルです。内臓っぽいものが見えますね。
もっと割り進めましょう。
あっ。(察し)
上に見える黒い部分は、どうやら羽根のようだけど、いったい何だろう?
分からないときは、そうです、食べてみましょう。(※注意:ここからしばし、顔芸が続きます)
カメラマン「雨宮さん!口から出てる!口から出てる!これ以上ひどいの写せない!」
雨宮「ふごっ、うおっ、おおっ」(口の中にバロットが入ってて話せない)
カメラマン「お、おいしいですか?」
雨宮「悔しいけど……おいしい……」(まだ口から出てる)
カメラマン「とりあえず口から出てるの全部食べきってください、これ以上写せません、放送事故です」
雨宮「うーん。この羽根のように見えた部分は、パリパリしてたからやっぱり羽根だな。なかなかイケる」
雨宮「とりあえず、もう一口食べますわ」(パクっ)
雨宮「あー、これはー、そうかー、やっぱりなー、美味しいわ」
確固たる確信。バロット、これはうまい、うまいぞ。
卵のような味もするし、しょっぱい感じに味付けされた、ちょっとかための鶏肉も合わさった感じで、噛めば噛むほどジューシー。ですが、今まで食べたことのある食べ物の何にも似ていません。私の中のデータベースにないので例えようがないのですが、とりあえず、うまい。
日本人には好きな味の食材な気がします。
ビジュアル的には血管も見えてるし、なかなかにアウトですけどね。
不思議なことに、食べ終わった今ではこの画像がただの飯テロ画像に見えるんですよ。(本当に)
屋台にはバイクで乗りつけた若者などが次から次へと来店します。みんな慣れているのか、手際よくパパッと短時間で食べていくのが印象的。
地元の方々には大人気の気軽に食べられるファーストフードのようです。
残りの部分もどんどん食べ進めていきます。もう、ここまできたら抵抗感はあまりありません。
一緒に食べてくれた現地の女の子も、バロット片手に見よ、この笑顔。こっちの人にとっては、ギャーギャー言うような食材じゃないんですね。
みんなパクパク食べていきます。
女の子たちが本当に嬉しそうに食べているのを見ると、不思議です、なんだかこれって全然普通の食べ物じゃん、という気持ちになってくるんですよね。(外国人が見た日本の納豆なんかもそうなのかな〜?)
今回バロットの屋台の場所を教えてくれた、語学学校「JIC」の日本人スタッフである古市さんもこの笑顔。現地に住むと、日本人でもバロットにこんなにも慣れちゃうのか……!?
「うまーい!」「病みつき!」「スープが最高!」
みんな本当に夢中で食べていきます。フィリピン美女たちもお気に入りのバロット!
雨宮「いやー。なにこれ。意味わかんない。悔しいけど、すっごいおいしい」
カメラマン「おいしいならもっと笑顔で写ってくださいよ」
雨宮「じゃあカメラマンさんも食べましょうよ」
カメラマン「いいえ、私は結構です」(即答)
ほらね。ま、こういうことを言われちゃうビジュアルではありますわな。一度食べちゃえば、どうってことないんですけども。
後半戦は、固めのゆで卵のような味わいに変化しました。
ここまできたらもうパクパクいけちゃいます。ごちそうさまでした!
食べ終わったあとは、手を差し出すとおばちゃんが洗剤が混ざった水を手にかけてくれるのでお忘れなく。これでゴシゴシすれば、汚れもきれいさっぱり。拭くタオルまで用意されてるので、至れり尽くせり。
これでお値段は、1個20ペソ(今回の場合の参考価格。日本円で約43円)でした。安くて栄養たっぷりの軽食ですな。
結論:バロット、見た目はヤバいが、味は超うまい。
塩気の効いた、鶏ガラのようなスープ。羽根のパリパリとした食感が、ジューシーに口いっぱいに広がっていく。最後は固ゆでされた、ゆで卵のような味わい。はい、これが正直な感想だよ!
ご協力いただいたみなさん、ありがとうございました!雨宮は、ぶっちゃけ次回も屋台を見つけたら自分から食べるであろうくらいにバロットが好きになりました。
バロットを使ったラーメン屋さんとかあれば、売れると思うけどな〜。(ラーメン屋の方がおりましたらば、ぜひご検討ください!)
食べると現地の人からも「お前すごいな」と言われちゃうバロット。
あなたもフィリピンに行くときにはお試ししてみてはいかが?