DMM英会話ブログ編集部
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日本人として生まれてきた私たちが、旅行する際に必ず行わなくてはならないこと。それは、日本に残してきた家族や親戚、友達や知人、同僚や上司、挙げ句の果てには知人のペットのために “お土産を購入する” という行為です。可能な限りかさばらないものを選び、なおかつできるだけ安価に購入したいとは誰もが思うわけですが、現地のお土産屋のお兄さんも生活がかかっています。そう簡単にはまけてはくれないものです。
定価という概念がなく「払える人が多く払えば良い」という、日本の常識では理解しがたいシステムがまかり通っている東南アジアやインドなどの旅先では特に値段交渉をしなくてはなりません。そしてそんなシチュエーションでは、アメリカ育ちのバイリンガルお兄さんよりも、大阪弁のオバハンの方が強かったりするのです。
今回は、世界52カ国を旅して周った筆者の経験に基づいて、値段交渉したいときに使える英語フレーズと交渉テクニックをご紹介します。
まずご紹介するこのフレーズは、完全なる直球勝負。心理作戦も戦略も何もなく、あるのは素直さと正直さと誠実さと不器用さのみ。旅の英会話本にも載っている定番です。
フレーズとしてはとても通じやすいですが、あまり交渉の効果は期待できません。
こちらのフレーズは、1つ目より少し柔らかな口当たりとなっており、“a little bit” の部分に感情を込めることで相手の気持ちの緩みを誘うアプローチです。特に女の子が上目遣いで使うと大きな効力を発揮します。
これは具体的な数値を出すことによってこちらの買いたい意思を直球で伝えつつも、「ただしこの条件であれば」というインコースギリギリのストライクを取りに行くパターンです。これで断られるとたいていの交渉は暗礁に乗り上げます。
これは「1つではなくまとめて購入するから安くしてくれ」と哀願する “まとめ買いストラテジー” です。会社向けのお土産など、「あまり変なものは買えないけど買わないわけにはいけないし、でもお金はあまり使いたくない」という社会人の悩みを察してもらうことによって成立する手法です。
5個で安くなったら10個の値段でもう一度交渉してみる “おかわり交渉戦略” もセットで用意しておきたいところです。その場合は、
と “more” を付けてお願いしてみましょう。
これはスマートフォンの普及によって台頭してきたSNS心理作戦です。Facebookでの紹介であれば、それなりに信頼性があります。「もしかしたら宣伝効果があるかもしれないからそれをバーターにまけてもらおう」という気持ちでいっぱいの戦略です。
このフレーズは私の中でもまだまだサンプル数が少ないので、効力は未知数です。
これは「この商品がとっても気に入ったのでどうしても欲しい」というアピールをすることにより、このお店のアイテムセレクト能力の高さを誉め称えるパターンです。特に交渉相手が買い付け担当だった場合には、そこに生じた「そうだろう、だって俺が買い付けているんだから、君は気に入って当然だよ」という気持ちのほころびから攻め崩していく展開も可能です。
女の子が必死、かつちょっと悲しそうな顔でお願いするときが最も効果的ですが、交渉相手が買い付け担当ではないアルバイト店員の場合や男性が真顔でお願いしている場合にはほとんど効力を発揮しません。
これは今回ご紹介するやり方としては最もあざとい手法です。自らを有名なブロガーであると申告し、「店を紹介してあげるからまけろ」というブロガーの風上にもおけないような行為ですが、ブログの1つでもやったことがあればあながち間違いでもないわけです。
「何というブログなのか」「お前の名前を教えろ」と突っ込まれた場合には、「なんちゃらイケダです」などと適当なことを言ってアドリブで切り抜けてください。
これはいわゆるビジネスマンアプローチです。この業界に関する知識も情報も踏まえた上で、あなたのこの価格設定に関しては正直、一片の猜疑心を持ってしまった自分がいるので、あなたの率直なご意見をお聞かせ願いたい、という態度を示すパターン。至って紳士ながらも、相手の戦略を図りつつ結果を重視したどぎついやり方です。
相手が自信を持て、「この価格が妥当です」と言えばもうそれで玉砕ですが、ちょっと高いかもなと向こうも感じていたなら、そこから攻め崩すことも不可能ではありません。
他店のチラシと同額で販売します! という某スーパーではないですが、「なんであっちの店より高いんだ、まけてくれないならあっちの店で買うぜ」という確固たる意志を示すことで、心理的な駆け引きを巻き起こすフレーズです。
たいていの場合は「あそこの商品よりもうちの商品の方がハイクオリティなんだよ。ほら、ちょっと触ってみろ。厚みが全然違うだろ」などと言われ、あまり効力を発揮しないことも。
そのとき、その商品の本当の価格はいくらくらいなのかという純粋な疑問は、永遠に謎のヴェールに包まれます。
これも旅行英語フレーズブック(アジア編)に出てきそうな言い回しですが、コテコテのお土産屋さんとの交渉ではなかなか良い効果を発揮してくれます。
最終的にいくらまで下げられるのかをズバリ問うフレーズで、東南アジアやインドなどでは、「その金額では買いたくない」と言って歩き去ろうとすると、たいていの場合 “last price” だったはずの金額がさらに下がっていきます。
日本ではなかなか遭遇することのない “価格交渉” ですが、海外に行くときは旅の醍醐味の1つでもあります。
1時間半ほどさんざん交渉して手に入れたTシャツでも、日本円にすると50円安くなっただけ、ということもよくあります。短期の弾丸ツアーの場合など、考えようによっては時間短縮のために少し多くの金額を支払うのも仕方がないかもしれません。
私の場合は長期の旅が多かったので、お土産屋さんのおじさんとのんびりとチェスをしたり、長々と奥さんの愚痴を聞いたり、しょうもない雑談をしたりして “仲良くなってまけてもらう” というパターンが多かった気がします。
最終的には、大阪のオバハンの値段交渉力にはどんな英語力をもってしても太刀打ちできないかもしれませんが、今回ご紹介したフレーズはぜひ皆さんの旅行の中でも使ってみてください!
【 旅行をもっと楽しくする英語表現 】