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「ニュージーランド」と聞いて、真っ先に思い浮かべるのは何ですか?
最近のニュースで取り上げられたものだと、日本が大活躍したことでも話題になったラグビーワールドカップの優勝国がニュージーランドでしたね。また、2016年3月には国旗変更を巡って国民投票がおこなわれます。
しかし残念なことに、ニュージーランドにはたくさんの観光地があるにも関わらず、アメリカのハワイやニューヨーク、オーストラリアのシドニーのように日本人にとって馴染みのある場所はあまり聞きません。
「ニュージーランドには訪れるべき観光名所はないの?」と思うかもしれませんが、イギリスなどのヨーロッパ各国の間では、「死ぬまでに一度は行ってみたい国」に挙げられるほどの人気を誇っています。
そこで今回は、ニュージーランドにある数々の観光地のなかから、さまざまなタイプごと選りすぐりの名所を9個紹介します。
Milkyway Near Lily Bank Road, Lake Tekapo by Siyamalan
まず最初に紹介するのは、晴れた日には息を飲むほどキレイな満天の星を見ることができる街「テカポ」。
2014年には、星空を守るための世界的団体「International Dark-Sky Association(国際ダークスカイ協会)」による「星空を見る場所のトップ10」に選ばれたり、旅行会社のHISが2015年2月におこなった調査「世界のここでプロポーズされたい!絶景ランキング」で堂々の1位を獲得するなど、テカポは星空の街として世界的に評価されています。
天の川がクッキリ見えるのはもちろん、流星群がきていない普通の日でも空を見上げれば流れ星を幾つも確認することができるため、プラネタリウムでは決して味わえないロマンチックな夜を過ごせますよ。
ニュージーランドには世界でも有数の巨木があります。この巨木はタネ・マフタ、現地の言葉で「森の神」と呼ばれています。高さはなんと50メートル。幹の円周は約14メートルもあります。
タネ・マフタ自体は国道から非常に近いところにあるため、車で近くまで行き駐車場に車を停めて見に行くことができるため非常に人気のあるスポットです。
観光地といえど太古の時代から残る原生林。森の入口には、森の生態系を守るために観光客が外界からカビなどの菌や木々の病気を持ち込まないようにするための靴専用の洗浄機が設置されていたり、タネ・マフタを含む希少な木々の根を踏み固められないようにするための環境庁の工夫を至るところで目にすることができます。
世界中のトレッキング愛好家が「死ぬまでに一度は行ってみたいトレッキングコース」に挙げるほど有名なコースがニュージーランドの南部のフィヨルドにあります。
ミルフォード・サウンドと呼ばれるその入り江は "The finest walk in the world (世界一美しい散歩道)" と呼ばれ、ユネスコの世界自然遺産にも登録されています。全長54.5キロ、途中 "hut" と呼ばれる山小屋で夜を明かしながら、4泊5日かけてトラックを踏破します。
この地域は1年のうち200日以上が雨で、ブナやシダ、さらに苔などが生い茂るレインフォレストのなかを中心に歩いていきます。その森の様子はスタジオ・ジブリの映画『もののけ姫』に出てくるシシ神の森を彷彿とさせ、訪れる人を魅了します。
自然環境やその土地の生態系を保つために1日のトレッキング利用者数に制限が掛けられているため、数ヶ月前から予約をする必要があります。トレッキングをしない人も、クルーズ船で入り江を見てまわることもできますよ。
Thirty Foot Pool by Tom Holbrook
クイーンズタウンは、今でこそ世界中で楽しむことが出来るバンジージャンプを世界で初めて商業化した街として、日本のメディアでも過去に何度も取り上げられています。
バンジージャンプ以外にもジェットボートやスカイダイビング、冬はスキーやスノボなどアクティビティーがたくさん。そのためイギリスのテレビ局BBCがクイーンズタウンのことを "The adrenaline capital of the world(世界のアドレナリンの首都)" と称したほどです。
夏は涼しく過ごしやすい避暑地として、冬は寒さを活かしたウィンターフェスティバルが開催されるため、一年を通して観光客で溢れています。
New Zealand: Hot & Cold by Eli Duke
「温泉文化」といえば日本の専売特許のようなイメージがありますが、実はニュージーランドも日本と同じ環太平洋火山帯の上に位置するため、各地で温泉が湧いています。そのため先住民のマオリ族が独自の温泉文化を築いてきました。
なかでもロトルアは「温泉の街」として有名です。スパリゾートのような商業施設のほかにも、天然の温泉を楽しむことができます。
上の写真はその天然温泉の1つです。ここはまさに温泉の川! 写真左上から手前に向かって熱湯の水流が流れていて、写真右側から左に向かって冷たい水流が流れているため、利用者は自分にちょうど良い湯加減の場所を見つけて浸かります。
他にも、日本と同じように温泉を療養として使ったり、地熱を使って温泉卵と同じ要領で調理もします。日本とひと味違った海外の温泉文化に触れてみるのも興味深くて面白いのでおすすめです。
Franz Josef Glacier by edwin.11
「氷河を見ることができる場所」と聞いて、誰もが思い浮かべるのは北極に近い地域や、ヨーロッパのアルプスなどものすごく寒い地域ではないでしょうか。
ところがニュージーランドにある氷河「フランツ・ジョセフ」は、世界でもこことチリのパタゴニア、それとアラスカの一部でしか見られない亜熱帯地帯にある氷河です。そのため、氷河の横にある森が熱帯雨林というとても不思議な光景を見ることができます。
フランツ・ジョセフでは氷河のふもとから自分たちで登っていくウォークツアーに参加することができるほか、ヘリコプターで氷河の上流まで飛ぶヘリツアーも人気を博しています。
Baldwin Street by Tristan Schmurr
「心臓破りの坂」なんていう言葉がありますね。ダニーデン自体、非常に坂が多い街として有名なのですが、この街には世界で一番急な坂があります。
上の写真は道路を平行に撮って坂がどのくらい傾いているかわかりやすくしたもの。ちなみに坂の傾斜角度は平均で35度もあります。
普通に歩いて坂を登り切るだけでも大変なのにこの坂。走って登りきろうとする人はもちろん、自転車、バイクなどを使って坂の一番上に行こうとする人があとを絶ちません。
毎年7月中旬(2016年は7月16日から22日)にはチョコレート会社のCadburyが主催する "Chocolate Carnival" で、この坂を使ったユニークなレース "Jaffa Race" が開催されます。
"Jaffa" と呼ばれるチョコレート1粒1粒に番号が振られ、坂の上から一斉に転がします。そして参加者はどの "Jaffa" が一番になるのかを当てるというものです。イベント参加者は15,000人、坂を転がるチョコレートの数は毎年増え続け2015年は75,000個になったそうです。
ニュージーランドのワインは非常に香り高く、ここ数年世界的な大会で優勝するワインが何本も生産されています。
特にソービニヨンブランと呼ばれる品種のブドウで作られた白ワインが高い評価を得ていて、もっとも生産量が多い地域が「ブレナム」です。
ブレナムには150以上のワイナリーが点在し、多くのワイナリーで無料もしくは非常に安い値段でテイスティングを何種類もすることができます。天気がいい日は車でワイナリーをまわるツアーではなく、自転車を借りてサイクリングがてら巡る観光客をたくさん見かけます。
ニュージーランドの首都ウェリントンは、世界で最も発行部数が多い旅行ガイド『Lonely Planet(ロンリープラネット)』で「小さい街ながら、世界で最もクールな首都」として絶賛されました。
またアメリカの放送局CNNから「コーヒー文化が盛んな都市」として世界トップ8に選ばれ、ニュージーランド国内では「コーヒーの首都」とも呼ばれています。そのためウェリントン市内の目抜き通りには数メートル間隔で個性的なカフェが建ち並び、どのカフェもこだわりのコーヒーや食事を提供しています。
そのほか、映画『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』さらに現在製作中の『アバター2』の製作会社「Weta Studio」があり、映画産業が盛んな街としても世界的に知られています。
ウェリントン空港をはじめとした街のさまざまなところで『ロード・オブ・ザ・リング』「ホビット』に登場するキャラクターのリアルな展示物があり、写真撮影のスポットとして人気です。
ニュージーランドのお勧め観光地を9カ所紹介しました。僕は実際にすべて訪れたことがありますが、どの観光地も忘れられないところばかりです。
この中から1カ所でも2カ所でも興味を持って、ニュージーランドに遊びに行ってみてくださいね!