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【超保存版】「海外で体調を崩したら...」知っておくべき病院&薬事情と英語フレーズ

【超保存版】「海外で体調を崩したら...」知っておくべき病院&薬事情と英語フレーズ

もし、旅行や仕事などで海外にいて体調を崩したら...あなたはどう対処すれば良いか知っていますか?

実は海外移住生活に慣れていても、体調を崩したときの対処法は分からないこともしばしば。というのも、国によって病院のシステムが大きく違ったり、病院で使う英語は日常英会話とは異なっているからなんです。

筆者はカナダ滞在中に発熱してしまい、意識朦朧の中必死に病院に連絡しましたが、現地のシステムを理解しておらず診察を断られたという苦い経験も...(笑)。

そこで、体調を崩したときに迅速で適切な対応ができるよう、海外(今回はアメリカ・イギリスを中心に紹介します)の医療・薬事情をご紹介します。そのような場面で使える英語フレーズも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください!

海外で体調を崩したときの行動3ステップ

ステップ1:契約している海外旅行保険会社への連絡

もしあなたが海外旅行保険などに加入していたら、保険会社に連絡してオペレーターに症状や現在の場所、保険証券番号など必要事項を伝えましょう。

保険会社と提携している信頼できる病院を紹介してもらえたり、病院での支払いが不要なキャッシュレス・サービスの利用手配をしてもらえるかもしれません。現地の言語が不安な場合、通訳の手配を相談できることもあります。

ステップ2:病院の種類と選択

【軽症の場合】

・アメリカの場合
民間医療保険が中心。保険の種類や州の制度によって、どの医者や病院にでも行けるタイプのものと、最初にかりつけ医(PCP: Primary Care Physician)に行ってから専門医への紹介状(Referral)をもらって診てもらうタイプのものがあったりとかなり複雑です。

いずれにせよ診断は基本的に完全予約制であり、通常は電話やオンラインで予約が必要です。数週間待ちということも珍しくありません。

保険の種類にもよりますが基本的には医療費が高額ということもあり、風邪を引いたからといって病院には行かず、市販の風邪薬で対応するのが一般的。よほどのことでない限り、病院には行かないのがアメリカ流なのです。

・イギリスの場合
NHS(National Health Service:国民保健サービス)という国営の公的医療制度が中心。基本的にはまず自宅近くのかかりつけ医(GP:General Practitioner)に患者登録することから始まります。

GPの予約もすぐに取れないことが多く、数週間〜1ヶ月待つケースも珍しくありません。急ぎでない場合は、電話やオンラインで症状を伝えた後、「まずは薬局で市販薬を試して」と指示されることもあります。

GPの診察で、より専門的な治療や検査が必要と判断された場合に限り、専門医への紹介状(Referral)をもらって大きな病院の専門医(Consultant)を受診できます。

【緊急・重症の場合】

総合病院 (Hospital)の 救急外来(Emergency Room / ER)を利用します。救急車(「911」 「999」などの現地の緊急ダイヤル)を呼ぶ必要があれば、ためらわずに要請しましょう。

ご存じの方も多いと思いますが、海外では救急車にお金がかかることもあります。お金でためらうのは絶対に良くありませんが、知っておくに越したことはないでしょう。

国・地域国・地域
(日本円換算)
備考
アメリカ10万円~25万円以上州や市町村、公営/民間の業者によって大きく異なる。医療保険に入っていても全額カバーされないことがある。
カナダ5万円~10万円程度州によって料金制度が異なる。市民は一部保険適用になることが多いが、旅行者は原則全額自己負担。
ドイツ5万円~10万円程度基本料金に加え、医師が同乗した場合などに加算される。社会保険加入者は一部負担。
フランス3万円~5万円程度重症と判断された場合は無料になることもあるが、それ以外は有料。
オーストラリア1万円~10万円以上州によって制度が大きく異なる。救急車専用の保険加入が推奨される地域もある。
中国(北京など)2,000円~4,000円程度公営と民営で料金が異なる。比較的安価だが、民間は高額になることがある。

ステップ3:病院での受診と支払い

【持参するもの】
パスポート、保険証、海外旅行保険証券(旅行の場合)、クレジットカード、常備薬(もしあれば)。

【受診時の伝え方】
症状(いつから、どんな痛みかなど)を具体的に伝える準備をしておきましょう。「I need a doctor.」「I have a high fever and a headache.」など、最低限の英語フレーズは覚えておくと役立ちます。受診時に使える英語はこの記事の後半でまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

【支払い】
もし保険会社の提携病院の場合は、キャッシュレス・サービス(窓口で治療費を自己負担することなく、診察・治療を受けられるサービス)が利用できるかを病院の受付で確認してください。利用できない場合は、一度立て替えて支払い、診断書、領収書、診療明細書を必ず受け取り、保険会社へ請求する場合もあります。

加入する保険会社によってはその場で負担額を払うケースもあったりと大きく変わってきますので、必ず保険会社の条件を確認するようにしましょう。

病院によっては「診断書、領収書、診療明細書をください」とハッキリ言わないとくれないケースもありますので、(筆者は病院に再度連絡して取り寄せました...)しっかりもらうようにしましょう!
※アメリカの場合は、病院に直接ではなく保険会社を通して聞くことが多いです。

Could I please get a medical certificate, a receipt, and a detailed statement of medical charges?
「診断書、領収書、そして詳細な診療明細書をご用意いただけますでしょうか?」

ここまでで病院での流れは終了!もし処方箋が出されたら、日本と同じくこの後薬局に行く必要があります。

海外の薬事情

drugstore vs. pharmacy、どっちに行けば良い?

まず「薬局」と言えば、"drugstore" と思う方が多いのでは。でも、"pharmacy"という単語も同じ「薬局」という意味を持つ言葉です。違いは何なのでしょうか?

【drugstore(ドラッグストア)】
市販薬を販売しているお店。自分で好きな薬を選ぶことができ、薬だけでなく、日用雑貨、食品、美容品なども売っている。

【pharmacy(ファーマシー)】
日本でいう調剤薬局のことで、病院内やドラッグストアの奥にある。市販薬選びに迷ったときは、薬局の薬剤師に質問することも出来る。処方箋薬だけでなく、市販薬についても詳しく質問すれば、色々なことを教えてくれる。

ということで、病院に行った後には pharmacy に行くのが正解!間違えやすいので気をつけてください。病院で近くの薬局(pharmacy)はどこか聞いてみるのも良いですね。

Where is the nearest pharmacy?
近くの薬局はどこですか?

海外(アメリカ)でポピュラーな市販薬

さて、ここまでは病院に行くケースをお話ししてきましたが、もちろん自分自身で市販薬を買って治すこともありますよね。

海外の薬局ではさまざまな市販薬が売られています。でも見慣れない薬ばかりで、どれを選べば良いのか迷いますよね。ここではアメリカを例に出し、有名な薬を症状や効果効能とともにいくつかご紹介します。

Advil (アドビル)

〈効果効能〉
■悪寒・発熱時の解熱
■頭痛、腰痛、筋肉痛、月経痛、神経痛などの体の痛み

非常に有名な薬です。有効成分(イブプロフェン)を主成分にしています。

DayQuil デイクィル、Nyquil ナイクィル

〈効果効能〉
■悪寒・発熱時の解熱
■咳止め
■鼻詰まり

日本でもお馴染みの「VICKS」から発売されている商品です。

Theraflu (セラフル)

〈効果効能〉
■鼻づまり
■喉の痛み
■咳止め
■頭痛、体の痛みの緩和
■悪寒・発熱時の解熱

お湯に溶かして飲むタイプや、鼻スプレータイプで有名なのがこちら。特にお湯に溶かすタイプは甘くて体が温まると言われています。

アメリカの市販薬には、強さ(1錠に何mg主要成分を含んでいるのか)や、カプセル状、ジェル状、タブレット状、昼用、夜用など、色々な種類があるので、箱の説明をよく読んで自分の症状と体に合ったものを選びましょう。

ちなみに、アメリカのカプセルは、日本のものに比べて非常に大きかったりカラフルだったりするので、最初は驚くかもしれません。なんでもサイズが大きいというのは、薬も例外ではありませんね。

体調・病状を伝える英語フレーズ

風邪を引いて病院に行くとき、または市販薬を選ぶときに一番大切なのは、自分の体調や症状を英語でしっかり伝えることです。ここでは体調を崩したときに使えるフレーズをまとめて紹介します!

具合が悪いことを伝える

I caught a cold.
「風邪をひいてしまった」
I have a cold.
「風邪をひきました」
I don’t feel well.
「あまり体調が良くありません」

自分の体調を英語で説明する

I have chills./I feel cold. 
「寒気がします」
I feel dizzy.
「めまいがします」
I feel nauseous.
「吐き気がします」
I feel sick. 
「具合が悪いです」
I feel like my body is heavy.
「体がだるいです」

具体的に体のどこが悪いのかを伝える場合は、"I have a 〇〇" を使いましょう。

I have a fever.
「熱があります」
I have a runny nose.
「鼻水が出ます」
I have a stuffy nose.
「鼻が詰まってます」
I have a sore throat.
「喉が痛いです」
I have a bad cough.
「ひどい咳が出ます」
I have diarrhea.
「下痢です」
I have a headache.
「頭痛です」
I have a stomachache.
「お腹が痛いです」

病院、薬局で聞かれる質問

病院や薬局でよく聞かれる質問も、ある程度頭に入れておくといいかもしれません。

Do you have medical insurance?
「医療保険に加入していますか?」
Do you have your insurance card with you?
「保険カードはお持ちですか?」
Do you have your ID with you?
「身分証明書はお持ちですか?」
How are you feeling?
「体調はどうですか?」
What kind of symptoms do you have?
「どのような症状がありますか?」
Do you have pain anywhere else?
「他に痛むところはありませんか?」
Have you taken any medicine?
「薬を飲みましたか?」
When did these symptoms start?
「いつからそのような症状がありますか?」

ただの風邪で使わない方がいい英語フレーズ

風邪をひいてしまったことを伝えたいだけなのに、これから紹介するフレーズを使うと相手が過度に心配してしまうかもしれません。誤解を招いてしまうフレーズなので、しっかりと意味を理解しておきましょう。

I feel bad.

"I feel bad." と言ってしまうと、「申し訳ない、すまないと思っている」という意味になってしまいます。

I feel sick.

こちらはとにかく具合が悪いときなど、気分や状態が重症な場合に使います。ただの風邪のときに使うと周りに心配をかけてしまうことでしょう。「あまり調子が良くない」と言いたい場合は、"I’m not feeling well." または、"I don’t feel very well." を使いましょう!

I want to go to the hospital.

 "hospital" は「病院」という意味ですが、アメリカでは入院や手術を行うような「総合病院」を指します。"I want to go to the hospital." と言った場合、「えっ?体のどこが悪いの?手術でもするの?」と英語ネイティブの方は、心配するかもしれません。

一方、風邪を引いたときに行く場所は、英語で "clinic" または "doctor's office" と言います。

風邪で病院に行きたい場合は、"I want to go see a doctor." と言うのが一般的です。

まとめ

海外で体調を崩したときは、しっかりと症状を相手に伝えることが大切。

しんどさと焦りで英語のフレーズがとっさに思い浮かばないときは、ジェスチャーで相手に伝えてみたり、この記事の英語フレーズの中で当てはまる症状のものを見せてみるのもありです。完璧な英語でなくとも、伝われば良いのです。

レッスンでは、ぜひ講師の国や地域の病院事情について聞いてみてください。面白い発見があるはずですよ!