Mizuho
(更新)
「メンタルヘルス」という言葉を聞く機会が、近年格段に増えたような気がしませんか?
ストレス社会と言われる現代、心の健康を表すメンタルヘルスは少しずつその重要性が見直され、世界ではもっとオープンにこのトピックについて議論しようとする動きが見られています。
なぜ今、メンタルヘルスが重要視されているのでしょうか。
今回は、メンタルヘルスが注目されるようになった背景と、それを維持するための方法について、DMM英会話の教材であるデイリーニュースの記事を用いて考えてみましょう。
「Mental health(メンタルヘルス)」という言葉をよく耳にはしますが、どんなものなのか、ご存知ですか?
ときとして「心の不調」と関連づけられてネガティブなものと考えられがちですが、それはちょっと偏った考え。まずは一度、世界保健機関によるメンタルヘルスの定義を見てみましょう。
Mental health is an integral and essential component of health. The WHO constitution states: "Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity." An important implication of this definition is that mental health is more than just the absence of mental disorders or disabilities.
メンタルヘルスは人の健康を構成する必要不可欠な要素である。世界保健機関憲章は以下のように定めている:「健康とは身体的、精神的、社会的幸福が総合的に良い状態のことであり、病気であったり病弱な状態が無いことを指すわけではない」。この定義はメンタルヘルスが心の病や障害が無いことだけをさすわけでないという重要な意味を持つ。
World Health Organization
【英単語ピックアップ】(意味はiKnow!参照)
ここでははっきりと、「心の不調のあり・なし」のみがメンタルヘルスを形作らないことが定義されています。例えば毎日の生活のなかでちょっと風邪を引いてしまったり、足を擦りむいたりすることは誰しもあります。「辛い」「痛い」と落ち込むことはあっても、概して「健康体」だと思う人は多いのではないでしょうか。
身体の状態を総合的に考えるからこそ、アップダウンはあっても「健康である」と思うわけですね。同じように、メンタルヘルスは「心の健康」という総合的な意味合いを持つのです。
日本では厚生労働省などの取り組みにより、特に働く人のメンタルヘルスへの注目が集まっています。これは仕事についてのストレスを抱える人たちが増え、それと合わせて認知度があがったため。しかしメンタルヘルスは、働く人だけに紐づいているわけではありません。子どもからお年寄りまで、社会を構成する人びとみんなに関わることです。
注目を浴び始めたのは最近ですが、実はメンタルヘルスに関する活動は長い歴史があります。1992年に「World Mental Health Day(世界メンタルヘルスデー)」というものが作られ、毎年10月10日にはメンタルヘルスに関する知識を普及する活動が行われているのです。ところが長い間、メンタルヘルスはネガティブな印象と関連づけられ、なかなか話題にあがることはありませんでした。
しかし特に2020年以降、世界では著名人やセレブたちが自分の抱えている心の不調を訴えたり、メンタルヘルスの重要性を啓発することで、より幅広く認知されるようになったのです。
2021年6月には大阪なおみ選手が、テニスの全仏大会を心の不調を理由に棄権。同年8月に行われた東京オリンピックでは、アメリカのスター体操選手であるSimone Biles(シモーネ・バイルズ)選手が心の健康を理由に競技を棄権したことは、記憶に新しいのではないでしょうか。
大阪なおみ選手の話題については、DMM英会話の教材「デイリーニュース」でも取り上げられました。
そのほかにも、イギリス王室のハリー王子、歌手のLady Gaga(レディー・ガガ)さん、Adele(アデル)さん、Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー)さんなど、心の不調の経験を訴えたセレブは多数。このような著名人たちによる発信は、よりメンタルヘルスの問題提起に拍車をかけ、オープンに話すことを促しました。
ハリー王子にいたっては、自身の経験からメンタルヘルスについて考えるドキュメンタリー番組を指揮。レディー・ガガさんも、メンタルヘルスに関するチャリティーであるBorn This Wayを創設するなど、啓発活動の場は広がっています。
メンタルヘルスの認知度があがるにつれて、その維持方法にも注目が集まるようになりました。
デイリーニュースではこの維持方法について取り上げているので、ここではそのいくつかをご紹介します。
Good Sleep May Be Best Thing for Young Adult Mental Health
「良い睡眠は若者世代のメンタルヘルスにとって最も効果的かもしれない」
レベル8:上級
睡眠が健康に良いことは、以前からよく知られている事実ですよね。でもこの睡眠が、メンタルヘルスの状態にも関わることをご存知ですか?
ある調査によると特に睡眠の量ではなく質が、人びとのメンタルヘルスの状態を予測するのに適していることを発見したそうです。
Meditation May Reduce Stress, Increase Focus
「瞑想によりストレス軽減、集中力向上」
レベル5:中級
The Health Benefits of Meditation
「瞑想が健康にもたらす効果」
レベル9:上級
ストレス社会とも言われる現代、瞑想について耳にしたことがある人は少なくないはず。瞑想は呼吸を整えて思考をクリアにし、心と身体と向き合う作業。
セレブによるメンタルヘルスの啓発活動について先ほどご紹介しましたが、瞑想をしているセレブも多数います。例えばスーパーモデルのMiranda Kerr(ミランダ・カー)さんもその1人。
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この2つのデイリーニュース記事によると、瞑想をするとストレスを軽減できるだけでなく集中力を向上させたり、抗うつにも効くそうです。
「マインドフルネス瞑想」や「マントラ瞑想」などいろいろな瞑想の方法があるので、取り組みやすいものにチャレンジしてみては?
Fruits and Vegetables Could Help Reduce Stress
「果物と野菜、ストレスに効果的か」
レベル6:中級
Foods for Better Mental Health
「より良い精神衛生のための食品」
レベル5:中級
睡眠と同じく、食事の質も、メンタルヘルスには重要な影響をもたらすそう。
オーストラリアで行われた調査によると、野菜やフルーツを食べることでストレスを軽減できる可能性が見出されました。また、アメリカの精神科医によると、ダークチョコレートや卵などの脂肪を含む食物が精神的なバランスを保つのに重要な役割を果たすそうです。
「食べる」ことが身体的な健康だけでなく、心の健康にも関係しているかもしれませんよ。
Exercise as Good as Mindfulness for Mental Health
「エクササイズは身体や心に耳を傾けるのと同じくらい、メンタルヘルスに良い効果をもたらす」
レベル8:上級
「自分の心と身体に耳を傾けてみる」。これはメンタルヘルスのみならず身体の健康を維持するのにも大切なことと言われていますが、エクササイズにも同様の効果が!
エクササイズならどんなものでも、メンタルヘルスに良い効果をもたらすことが明らかになりました。心身ともに健康に過ごすためにも、日常生活にエクササイズを取り入れてみてはいかがでしょうか?
気分が良ければフットワークが軽く感じ、逆にストレスを感じていると、なにをするのも億劫になってしまうもの。
「メンタルヘルス」や「ストレス解消」などの言葉を聞くようになって、「少し自分の心と向き合ってみるのもいいかも」と思っている人も少なくないでしょう。
体調が悪いときに休むように、心にも休息を与えてみてください。