Soma
(更新)
こんにちは。
永遠の少年、セブ在住のそうま(@Soh0806)です。
皆さんは、旅先で現地の子ども達と触れ合えるボランティアの経験はありますか?
僕は東南アジアを旅行した際に、現地のボランティアに参加してたくさんの子ども達と交流しました。それがいい経験になり、今の「海外で生活したい!」という想いを強くさせるきっかけに繋がったと思います。
そんななか、セブ島で “音楽を子ども達に教えてオーケストラの演奏をしている団体” があるということを聞きつけて、早速取材に行ってきました!
今回は、フィリピンセブ島で活躍しているNPO法人セブンスピリットについての記事をお届けしたいと思います。
NPO法人セブンスピリットは、ストリートチルドレンなど現地の恵まれない子ども達を対象に、音楽の教育を通じて生きがいや将来の目標などを与え、継続的に子ども達の成長を見守り支援している団体です。
多くの貧困層の子ども達は、何をすれば自分の存在価値が認められるのかわからぬまま、生きるためだけに日々奮闘しています。
決して音楽の技術を向上させるのが目的ではなく、子ども達の人間としての成長を達成させること。
セブンスピリットは、スラム街で埋もれてしまっていたかもしれない子ども達に、音楽を通じて人生を変える機会を与えているのです。
セブンスピリットの施設は、セブのコロンストリートのParian Monument(パリ・アン・モニュメント)の近くにあります。
コロンストリートは、スリや強盗などが発生しやすく、ストリートチルドレンも多くいるローカルエリアです。少し危険ながら、こういったローカルな場所を拠点にすることで、現地の貧困層の子ども達でも通いやすくなるよう配慮しています。
セブンスピリットには日本人・フィリピン人スタッフが在籍していて、週6日間の音楽教室が自主参加型のかたちで開かれています。現在は基本的に、食事などの生活支援は特別なとき以外はなく、音楽教室としての運営がメインとなっています。
セブンスプリットについて詳しくはこちら
創業者の田中宏明さんは、実は以前、“クズ田中” という名前でパチスロライターとして活躍していたそうです。
それから30歳になったタイミングで、自身の人生を一変させたいと考え東南アジアを中心に旅に出ます。そんなある日、ストリートチルドレンから財布を盗まれる経験をしました。
悪いことをしてるのに憎めないぐらい満面の笑顔の子どもたち
田中さんは、その子ども達の笑顔をより意味ある活動に向けたいという一心でNPO法人の設立を決意し、当時語学留学で訪れたセブ島を拠点にしてその目標を実現しました。
音楽教育自体希少なフィリピンでは「音楽教室を開くよー」と言ってもなかなかくいつきが悪かったため、最初は「食べ物あげるよー」と声かけをおこなうことで子ども達の興味を集めていった、と田中さんは語ります。
高校生の年代までを対象にしていたその炊き出し作戦はヒットし、かなりの子ども達が集まります。
なかには「自分は中学生だ!」と偽るホームレスのおじいちゃんも来たとか(笑)。
そうやってセブの子ども達のみならず、大人達のハートもしっかりゲットしていった田中さんは、拠点をコロンに構えるときには地元の人からの反対などなくむしろ応援され、スムーズに進んでいったそうです。
セブンスピリットは、企業や個人の方からの出資や寄付による資金と、日本人向けに実施しているセブンスピリット主催のスタディツアーの収益によって運営されています。
創業当初の楽器は、リコーダーと鍵盤ハーモニカの数個からはじまり、それから規模が拡大するにつれフルートやバイオリン、トランペットなどオーケストラを演奏するまでの楽器が揃い、今にいたります。
やはりバイオリンやトランペットなど大きくてカッコいい楽器は人気なので取り合いになることもあるそうです。そのためレッスンにしっかり定期的に通い練習する子ども達に、優先的に新しい楽器を持たせ教えていくというスタイルを取っているそうです。
僕が訪問したときはちょうどセブで大きな祭りがある前日で、当日セブンスピリットが演奏する曲を披露してくれました。
演奏してくれた曲は、
の4曲で、とてもなじみのある曲目です。
トランペット・サックス・フルート・ヴァイオリンなど、子ども達はパートごと担当している楽器を丹念に演奏します。
音楽は人を感動させるとよく言います。でも、僕は演奏を聞いたとき、子ども達とセブンスピリットの想いがたくさん詰まったメロディーに感動以上の感覚を覚え、鳥肌が止まりませんでした。
なんと、セブンスピリットは2017年の4月に日本公演を果たしたことがあるのです。
2016年の秋ころからはじめたクラウドファンディングで、35名を日本へ連れていき演奏会を開催するというプロジェクトで、200万円の資金調達に成功しました。
大きなホールではじめて演奏することができて涙する子ども達や、日本の街並みを見てセブと日本の違いに驚きを隠せない子ども達など、みーんなの興奮は最高潮だったようです。
公演以外では、みんなで東京ディズニーランドにも行ったとか!?
本当に大喜びだったでしょうね。
帰国したあと、子ども達は、セブンスピリットの日本人スタッフにこう伝えました。それは、次の目標とそれを叶えるために今頑張りたいことについてでした。
英語が苦手な子どもは、「英語の勉強をしたい」
勉強が得意な子は、「日本の文化について知識を深めたい」
『もっともっと音楽も勉強も頑張って日本にいけるようになりたい』など、自分の目標について熱く語るようになります。
こうやって「また日本に行きたい!」とただ言うのではなく、「それをするためには今何をしなければいけないか?」について子ども達が考えるようになったのは大きな変化だったとか。
子ども達はセブンスピリットの音楽活動を通じて次第にそれぞれの目標を持ち、そのために日々行動していくようになります。
生きる目標を持つことが、人を生き生きさせることがよくわかるエピソードです。
日本公演を果たしたセブンスピリットの子ども達
セブではこのセブンスピリットへの注目がさらに高まっていて、各地でのオーケストラの演奏はもちろん、セブンスピリットの子ども達が大学進学ができる特待生制度もできつつあるようです。
これからも、セブや日本だけにとどまらず世界にもっと羽ばたいていって欲しいと思います!
ぜひ、セブにお越しの際はセブンスピリットの子ども達の演奏を聴きに行ってください。きっと感動と勇気が得られると思います。