堂本 かおる
(更新)
101(ワン・オー・ワン)とはものごとの基礎、基本、または入門講座のこと。このコラムでは毎回、多彩で雑多でホットでクールでクレイジーで奥の深い魅力に溢れたニューヨークのベーシックを、英語のワンフレーズ紹介と共にお伝えしていきます。
いよいよ開幕したメジャーリーグ2015! 4月6日、ニューヨーク・ヤンキースはトロント・ブルー・ジェイズを相手にヤンキー・スタジアムでのホーム開幕戦(home opener)を行いました。
ヤンキースの顔とも言うべきデレク・ジータが昨シーズンを最後に引退し、イチローもマイアミ・マーリンズに移籍しましたが、田中将大投手ががんばっていますし、薬物問題で出場停止だったアレックス・ロドリゲスもカムバックしています。今年のヤンキースにも大いに期待しましょう。
また、ヤンキー・スタジアムはマニアックな野球ファン以外にも楽しめる要素でいっぱいです。
ヤンキースのホーム、ヤンキー・スタジアムはブロンクスに堂々とそびえる白亜の球場。
1923年に建てられた旧球場を解体し、2009年に新たに建設したものです。チーム・カラーの白をベースに、やはりチームカラーの濃紺をアクセントに使い、シンプルながらとても端正な佇まいです。
6番ゲート脇にはハードロック・カフェがあります。試合のチケットを持たない人ももちろん入ることができ、店内には大型フラット・スクリーンが12台も設置されていて、食事やドリンクを楽しみながら試合を見ることが出来るのです。
他のハードロック・カフェ同様、ロック関連のアイテムを飾ってありますが、ニューヨーク出身アーティストをフィーチャー。ヤンキース関連のグッズもあります。
試合の無い日もオープンしているので、滞在日程的に試合を諦めざるを得ない人も、ここに来ればヤンキース気分が一挙に盛りがること間違いなし。
ハードロック・カフェの隣りはチーム・グッズを売る"Team Store"です。ニューヨーカーなら必ずひとつは持っているヤンキース帽は、定番の濃紺だけでなく、グリーン、スカイブルー、オレンジなど他の色、ストライプ、モノグラム、アンティーク調などバラエティ豊富。
ニューヨーカーの中でも特にアフリカン・アメリカンや地元ブロンクスのラティーノにはカラー・マッチングを楽しむ人が多く、たとえば「今日は赤の日」と自分で決め、ヤンキー帽、Tシャツ、スニーカーを赤で揃えたりします。
帽子の他にも人気選手のジャージ、Tシャツ、ペナント、キーホルダー(keychain)などなどぎっしり盛りだくさん。見るだけでも十分に楽しいストアです。
入場者がヤンキース・グッズを貰えるプロモーション・ゲームもたくさんあります。最も豪華なのは7月の" Fan Ring Day "でしょうか。ワールド・シリーズのチャンピオン・リングのレプリカがプレゼントされるのです。ただし、これは14歳以下の子どものみなので悪しからず ; )
他にレプリカのバット、トートバッグ、選手のコレクターズ・カードの日などがあります。あ、田中選手のバブルヘッド人形が貰える日もありますよ。
さらにイベントが盛り込まれている日もあり、昨年の夏には米軍兵士がヘリコプターで飛来し、パラシュート降下するアトラクションもありました。土曜の午後、ブリーチャー席の最上階に座り、涼しい風に吹かれながらのんびり見るアトラクションとデイ・ゲームはすべての方にオススメです。
画像元:Yankee Stadium Subway Station, Bronx, NY
ヤンキース気分は地下鉄駅から始まります。B/D線の"161 St./Yankee Stadium"駅を降りると、ここは地上駅なのでホーム(platform)からスタジムが見えますし、駅構内には選手のポスターが貼られいて気分は一気にヤンキース!
駅を出ると目の前には中も外もヤンキース・テーマのマクドナルド。スタジアム外周にも選手の大きな写真が貼ってあります。また、周辺には" Yankee Tavern "というレストランがあったり、ベーブ・ルースからジータに至る名選手の壁画もあちこちに見られます。つまり街中がヤンキース一色なのです。
ただし、スタジアムがあるのは一般に治安が良くないとされているサウスブロンクス。スタジアム自体は駅の目の前にあり、駅とスタジアムの行き来は特に問題ありません。けれど土地勘のない人が散策するのに向いた土地柄でないことも確か。
以前に比べると犯罪は大幅に減ったニューヨークですが、エリアによってはまだ注意が必要です。
英語も時代と共に刻々と変わっていきます。ヤンキース関連表現も然り。
「私はヤンキースのファンです」と言う場合、正しくは "I'm a Yankees fan." なのですが、近頃では"s"を省いた"I'm a Yankee fan." もよく使われます。理由は不明ですが、なんとなくそうなってきているようです。どこの国の言語も同じなのですね。
新聞のスポーツ面にはヤンキー・スタジアムを指して"the ballpark"と書かれることもあります。こちらは古くからある言葉で、大型スタジアムから草野球用の小さなものまで全て含めての「野球場」です。
Are you a Yankees fan or Yankee fan? It doesn't matter. The ballpark is waiting for you!
(君はヤンキースファンかい? それともヤンキーファンかい? そんなこと問題じゃない。野球場が君を待っているよ!)