新井 リオ
(更新)
Q&ABCは、『英語日記BOY』の著者・新井リオが、「英語・海外生活」にまつわるみなさんからの質問に答えていく連載です。
実はこの連載は、当初5回で終わる予定でしたが、色んなご縁が重なり、これからも継続させていただけることになりました。(ありがとうございます!)
せっかくより多くの質問に答えられることになったので、今まで以上に英語学習の細かい部分の悩みも拾っていけたらと思っています。
(質問はこちらからできます。どんどん送ってください!)
第5回のテーマは「ストイックでない人の英語勉強法」です。
特に、最近自分が取り入れている「YouTubeコメント勉強法」を中心に書いてみようと思います。
英語を日常的に使うための本質的なことが書かれており、とても勉強になりました。昨年末から始めた英語日記が本当に力になっているのか不安でしたが、この本を読んで解消されました。また、自分なりの学習法と重なる部分があったのも嬉しかったです!
現在、DMM英会話歴は半年くらいで、ほぼ毎日継続できています。しかしながら、新井さんの実践されていた「英語タイム制度」*が毎日続けられません。どうしても、強制的に英語で情報を得るということが難しく感じてしまいます。
あまりストイックでない人が英語で情報収集する習慣をつけるコツなどがあれば教えていただきたいです。
このご時世で、予定している海外インターンが出来るか分からなくなってしまいましたが、今のうちに自宅で英語力を蓄えていきたいと思います!
最後になりましたが、新井さんが英語とデザインを始めたほぼ同時期にこの本に出会えてよかったと思っています。グラフィックアーティストとしての新井さんのご活躍を応援しております。
*「英語タイム制度」についてはこちら
DMM英会話、半年ほぼ毎日継続、偉すぎます。このまま続けたらきっと上達しますが、さらなるヒントになる話ができたら幸いです。
得る情報を強制的に英語にするのはとても難しいですよね。
というか、どれだけストイックな人でも、その対象に対して「強制的にやっている」という実感がある限り、長続きってしないんだと思います。
もっというと、ストイックな人=嫌なことでも全てこなせる完璧人間ではなく、彼らはただ「純粋に楽しんでいる」のだと僕は信じます。もちろん辛さはあるけれど、好きなことの中に生まれる辛さだから頑張りきれるというか。
質問文で書いてくださった「あまりストイックでない人が英語で情報収集する習慣をつけるコツ」ですが、それは「勉強」と「生活」を分離しないことだと思います。
どういうことか?
今、多くの人が、仕事をし、ご飯を食べ、人と遊ぶような「生活」と、個人的に机上でおこなう「勉強」を分けて考えているように感じます。それぞれ違う二つの世界を行き来しているような。
「生活世界」から「勉強世界」に移動するのって、けっこう踏ん張らなきゃいけないので、ハードルが高いんです。
テレビを見るのにモチベーションは要らないですが、わざわざ勉強するのにはモチベーションが必要ですよね。つまり、勉強が生活の中に組み込まれていないんです。
ではどうすればいいかというと、「生活世界」の中に、「勉強」の要素を見出していくんです。
以下、具体的な方法を説明していきます。
例えば僕が最近ハマっているのは、「YouTubeコメント勉強法」です。
今、多くの人がYouTubeを見ていますよね。
先ほどの話で言うと、YouTubeを見るのは「生活世界」の話です。わざわざモチベーションを上げて動画を見る人はほとんどいないですよね。気づいたら見ちゃうというか。
そこで、「モチベーションのことなんか考えずとも自然とやっちゃうことに、英語の要素を見出してみる」んです。
僕はThe Beatlesが大好きなのですが、最近は、ビートルズの動画のコメント欄をよく見るようにしています。
YouTubeのコメント欄は、
①世界中の英語話者からの、生のコメントが見られる
②比較的短文で覚えやすい
③イイネが多くついているコメントは、粋なフレーズや、(ときに大喜利のようになっていて)ウケが取れる面白い表現である場合が多い
という理由で、勉強感なく英語を学ぶのに最適な教材になり得ます。
例えばこれは、The Beatlesの「Hello, Goodbye」という曲ですが、4000近くのイイネを獲得しているコメントに、
This whole video just radiates “This was Paul’s idea” energy.
(意訳:このビデオ全体から、”これはポールのアイデアなんだ”感が出ているよね。)
という一文があります。
たしかに、動画全体を通してポールだけがノリノリで他のメンバーのやる気がないように見えるので、このコメントと共に曲を聴くと面白さが倍増します。
また、「radiate(放出する)」は少し覚えにくい単語かと思いますが、僕はこの単語を、大好きなビートルズの映像・コメントを通して知ることができました。
このように「ドラマのあるフレーズ」って、もうずっと忘れないんです。
最近は、日本の音楽にも海外ファンからの英語コメントがついているものが多いですよね。ぜひ、皆さんの好きな動画のコメント欄に、英語のコメントがあるか、探してみてください。めちゃくちゃ楽しいですよ。
こうして工夫を加えれば、わざわざ踏ん張って勉強世界に行かずとも、生活世界の中に英語が溢れていることに気づくはずです。
もう一度言いますが、「モチベーションのことなんか考えずとも自然とやっちゃうことに、英語の要素を見出してみる」んです。
ちなみに『英語日記BOY』の中に書いた「英語タイム制度(自分の部屋で使う言語を全て英語にし、1日3時間くらい英語に触れる練習方法)」ですが、自分自身、この時間をかなり楽しんでいました。
大変だと感じた瞬間は多々ありましたが、少なくとも「強制的だ」という実感はありませんでした。強制されていると思うと続かないのがわかっていたので、「どうすれば強制の要素をなくせるか?」をめちゃくちゃ真剣に考えました。
結構スパルタに見えることを書いてしまったので誤解されがちですが、自分が英語タイム制度の中でやっていたのも、基本的には「好きなこと」です。
好きな漫画を英語で読む、好きな外国人俳優さんたちだけをフォローしたTwitterのリストを見るなど、「好きだから」続けられたことでした。今回紹介したYouTubeもそうです。
昔、「英語学習者におすすめ!」という有名な海外のシリーズドラマを見たのですが、僕の琴線には触れなかったのか、全然面白いと思えず、一応3話くらいまで見たのですが、やっぱり苦痛でやめてしまいました。
一方で、今回紹介したYouTubeでの勉強は、暇さえあればずっとやってしまうくらいハマっています。
やっぱり、「好き」が発端の勉強に勝るものはないんです。
世間的に良いとされているものではなく、自分が自信を持って好きだと言えるものに毎日触れている方が精神的にも健康になります。
みなさんは何が好きですか?
英語で体験できたらワクワクするものはありますか?
ぜひ、初心を思い出して、楽しみながら勉強してみてください。
新井リオへの質問はこちらから!
英語学習・海外生活の悩みを、ぜひ相談してください。
人に話すと楽になると思います。
次回の連載更新は10月上旬予定です。
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「英語日記」勉強法、オンラインレッスンの使い方、カナダでのデザイナー生活に至るまで、5年間の全てを書き尽くした新井リオの「自伝的学習本」です。
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