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相談:伝えたい英語が出てこない辛さ、どうやって乗り越える?【新井リオの『Q&ABC』vol.8】

相談:伝えたい英語が出てこない辛さ、どうやって乗り越える?【新井リオの『Q&ABC』vol.8】

Q&ABCは、『英語日記BOY』の著者・新井リオが、「英語・海外生活」にまつわるみなさんからの質問に答えていく連載です。

(質問はこちらからできます)

第8回のテーマは「伝えたい英語が出てこない辛さの乗り越え方」です。

【質問(けんけんさんより)】
はじめまして。いつもブログを拝見させていただいております。私は現在オンラインでの英語学習を3ヶ月続けております。

英語で書いてあることや先生の言っていることは大体理解できますが、質問されたことに対してすぐに返答出来ず、いつも悔しい思いをしております。

「伝えたいことはたくさんあるのに伝えられていない」そんな気持ちでいっぱいです。

よく使うフレーズを何度も口に出して覚えようとしておりますが、実践だとその覚えた言葉が出てこなくなることがよくあります。

リオさんはそんなときはどのようにして乗り越えてきましたか? 教えていただけたら嬉しいです。

よろしくお願いします。

「たくさん練習するしかない」という結論

たくさん練習するしかないという結論

わあ、すごくわかりますその悩み。

自分も、勉強を始めた7年くらい前、その悔しさをずっと抱えていました。

これをどうやって乗り越えたかということですが、もう、「たくさん練習して“言えないフレーズ“を”言えるフレーズ”にしていくしかない」というのが、7年間勉強して出した結論です。

そんなにシンプルなことかよという感じですが、「結局は練習量なんだ」ということを本質的に受け入れていないと、どこかで「もっと楽して話せるようになる自分の知らない裏技があるのではないか」と期待して、勉強に本気になれないんです。

この覚悟を決めた人から話せるようになっていく、と言っても過言ではないかもしれません。

ちょっとスパルタに聞こえますが、これは裏返すと、英語習得は「センスなどの問題ではなく、本気で頑張れば境遇にかかわらず誰でも叶えられるものなんだ」ということになります。

そう考えると勇気が出てきませんか。

この話は、連載の第3回に詳しく書いたので是非読んでみてください。

英語にセンスは必要?

相談:英語にセンスは必要ですか?【新井リオの『Q&ABC』vol.3】

6月 12, 2020

英語日記というアイデア

そこで、「左にメモアプリ、右にレッスン画面」というスタイルで授業を受けてみます。

とはいえ、このままだと精神論で終わってしまうので、具体的にけんけんさんができそうなことを書いてみます。

ブログも読んでくださったということでもうご存知かと思いますが、まさに「言いたい英語が言えなくて悔しい」と悩んだ僕が考えたのが「英語日記」というアイデアです。

改めて説明すると、ここで言う英語日記とは「いつか自分が言いそうな英語フレーズ集」のこと。

「教科書例文を暗記しろというけど、これをこのまま使うことってほとんどないのでは?」

「だったら、いつか自分が実際に言いそうな“オリジナル例文”を覚えたほうがいい」

「では、自分は将来英語で何を言うの?」

「外国人の友人ができたら、『今日仕事どうだった?』とか、『週末何するの?』といったことは絶対に話すだろうな」

「それって日記ではないか?!」

「日記に書くくらいパーソナルな内容を全て英語にして覚えればいいんだ!」

…というのが、英語日記というアイデアの全貌です。

つまり、英語日記を書き続けることで「いつか自分が言いそうな英語フレーズを先回りして覚える」ことができるんです。

100回言うと“口”が覚える

おそらくけんけんさん、既に「自分が言いたいフレーズを事前に考える」ことはできていると思うのですが、それが瞬時に出てこないことが悩みですよね。

だとしたら、「口に出して練習する回数」が足りていないのかな、と思います。

たぶん、けんけんさんが想像している以上に徹底的に練習した方がいいです。

練習方法①100回言って“口”に覚えさせる

家でひとりでおこなう練習の段階で、そのフレーズを「100回」は言います。

練習方法①100回言って“口”に覚えさせる

僕は発音練習もかねて、メモアプリの音声入力機能を使って練習しています。

下にズラっと続く英文は、発音練習の軌跡です。

上に書いた正しい文章を見ながら、発音を認識してくれるまで何度も口に出します。

間違えて認識されてしまっている単語もありますが、どうしても上手く認識されない単語は「〇〇 pronunciation」とネットで調べると、どう発音すればいいかを解説したサイトや動画がたくさん出てくるので、それを参考にします。

また、こうして回数を重ねると何がいいかと言うと、そのフレーズを「頭ではなく口が覚えている状態」が出来上がるんです。

例えば Nice to meet you と言うとき、僕たちは「Nice の次は to で…その次は、えっと…」と考えることなく、一瞬で Nice to meet you と言えますよね。

これは、頭ではなく口が Nice to meet you を覚えているからだと思うんです。

そこで、自分が言いたい全てのフレーズを Nice to meet you レベルに持っていくようなイメージで、何度も口から出して練習します。

僕は英語日記を書いたら、

  • その日中に100回
  • 次の日に20~30回
  • 1週間後に20~30回

のような感じで練習しています。

このくらいやると、本当に、無意識にそのフレーズを言えるようになります。

もし、まだこのくらいの回数、練習ができていないということでしたら、「数を重ねる」ことが一番の解決策だと思うので、是非やってみてください。

練習方法②オンラインレッスンで“カンペを見ながら”言ってみる

次に、オンラインレッスンでもこのフレーズを言います。

しかし、覚えたてのフレーズだと、何回練習しても緊張でうまく出てこなかったりしますよね。

そこで、「左にメモアプリ、右にレッスン画面」というスタイルで授業を受けてみます。

カンペを使ってレッスン

左のメモアプリには、これまでに書いてきた英語日記がズラっと並んでいます。

こうすると、さいあく左の「カンペ」を読みながら話すことができるので、覚えたフレーズを初めて使うときのプレッシャーをだいぶ和らげることができます。

自分はレッスン前に「このレッスンで絶対に使う一文」を決め、最初の挨拶やフリートークの時間に、その一文を紛れ込ませた会話をするようにしています。

「実際の会話でこのフレーズを言えた!」という成功体験を意図的に得るんです!

練習方法③トイレの壁に貼る

トイレの壁に貼る

(これはもう気楽に聞いてほしいですが、)自分はトイレの壁に、英語日記のメモを貼っています

壁中をメモだらけにしてもいいと思いますが、自分は「そのとき特に覚えたい英語フレーズを10個前後、一番目に入る正面の壁に貼る」というやり方にしています。

「これはもう覚えたなあ」と自信がついたら新しいフレーズに貼り替えますし、逆に「よく忘れちゃうけどすごく使えるんだよな」と思うフレーズは数ヶ月ずっと貼っていることもあります。

なんというか、監督になってサッカーチームのスタメンを入れ替えるようなイメージです。

一文の英語に対して、これくらい徹底的に向き合って、初めてその英語が「自分のもの」になるんです。

事前に覚えていない英語を言うとき

事前に覚えていない英語を言うとき

では、急な質問への返答などで、事前に覚えたわけではない、その場で考える英語に関してはどうしたら言えるようになるか?

これも、英語日記の習慣(=オリジナルフレーズをとにかくたくさん覚えること)で解決できます。

というのも、すぐに言える英語フレーズが100個、200個と増えていくと、既に覚えた英語日記ボキャブラリーの中から瞬時に単語を入れ替えて、今言いたい文章を説明することができるようになるからです。

例を挙げて解説します。

先日、「コーヒーを飲むといつも、“仕事モード”になれるんだよね」と言いたい場面がありました。

僕は「仕事モードになる」という表現を英語日記で書いたことがなく、ぴったりの訳がすぐに出てきませんでした。

そこで、以前作った英語日記の中から単語を入れ替え、このように言いました。

【以前作った英語日記】

After taking a week off from school, I feel much more laid back and prepared for studying.

「学校を一週間休んだらすごくゆったりできて、また勉強する準備が整った! って感じがする」


【瞬時に単語を入れ替えた文章】
After drinking a cup of coffee, I always feel prepared for working.

「コーヒーを飲んだあとはいつも、仕事をする準備が整った! って感じがする」

会話中、英語でなんというか分からない表現があったら、今自分が思いつくもっと簡単な英語で説明してしまえばいいんです。

この場合、「仕事モード」とはつまり「仕事をする準備が整っている」という意味なので、以前書いた英語日記の中から feel prepared for〜「〜のための準備ができていると感じる」をピックアップして使いました。

会話ではこの作業を瞬時に行います。

ちょっと極端ですが、僕は自分のことを、「英語が話せる人」というよりも「瞬時に言えるオリジナル英語フレーズが2000個くらいある人」だと捉えています。

そして2000個もあると、その組み合わせ次第でいくらでも新しい文章を作れるんですよね。

正直、いまだにネイティブと話していて「これは英語で何て言うんだろう…」という場面はかなりありますが、ちょっと遠回りになっても、「既に知っているボキャブラリーを使って、その言えない英語を説明する」ような感覚で話すと、けっこう伝わるんです。

さいごに

まとめ

今日の話をまとめると、

  • 「伝えたい英語が出てこない辛さ」は、本質的には「数を重ねる」ことで解決するしかない
  • 家でおこなう勉強の段階で「いつか言うであろう英語」をある程度予測しておく(=英語日記)
  • その英語フレーズを100回以上言って「口が覚えている状態」を作る
  • オンラインレッスンで意図的にそのフレーズを使って、小さな成功体験を得る
  • トイレの壁に貼るなどして日常的に見る
  • 事前に覚えたわけではない文章も、「瞬時に言える英語フレーズ」がたくさんあると、その組み合わせでカバーできる

ということになるかなと思います。

さいごに、

けんけんさんは「伝えたいことが伝えられず、悔しい思いでいっぱいだ」と書いてくださいましたが、「悔しい」は、本気で英語学習を始めるための一番のきっかけになるんです。

一度も「悔しい」を感じずに英語が上手くなっていった人を、僕は見たことがありません。

「悔しい」をどうかネガティブに捉えずに、「今自分は最高のきっかけの上にいるんだ」という意識で、これからも勉強を続けてみてください。

本当に応援しています!

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人に話すと楽になると思います。

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