新井 リオ
(更新)
Q&ABC は、『英語日記BOY』の著者・新井リオが、「英語・海外生活」にまつわるみなさんからの質問に答えていく連載です。
(質問はこちらからできます)
あけましておめでとうございます!
2021年になっても連載を書かせていただけることを本当に感謝しながら、新年早速、相談に答えていきます。
第9回のテーマは「2021年、英語の勉強時間をつくる秘訣」です。
リオさんの書籍を読んで英語の学習を始めました。しかし、研究、バイト、就活でなかなか時間を作ることが出来ません。
どのように工夫すれば良いかアドバイス頂けませんか?
年も明け、「今年こそは英語の勉強を頑張りたい!」と願う人は多いかと思います。
みなさんの真意を読み解くと、「(去年まで勉強が継続できなかったからこそ)今年は…!」ということだと思うのですね。
新年の意気込みはもちろん大事なのですが、今年こそ本当に本当に勉強を継続させるために、この記事では最初に「僕たちが今まで勉強を続けられなかった理由」を紐解いた上で、
年明け一発目にふさわしいトピックにするべく、「2021年、英語の勉強時間をつくる秘訣」を話していこうと思います。
まず、これまで勉強を続けられなかった理由は人それぞれかと思いますが、その中でもかなりの数を占めるのが、「英語の勉強以外のことが忙しすぎてできなかった」だと思うんです。
今日はこのテーマにフォーカスしていきます。
質問してくださったずぅこさんも、理系大学院生をしながら研究・バイト・就活をしているとのことで、うん…それは忙しいですよね! 本当に頑張っていらっしゃると思います。
たぶん、既にたくさん頑張りすぎているが故、
生活の中に、もう「英語の勉強」を置いてあげられるスペースがない状態なのでは? と感じます。
言い換えるならば、新たな勉強習慣を取り入れたい人が一番にやるべきことは、
(無理やりにでも勉強しよう! と意気込むのではなく)
「まず、生活の中に勉強のためのスペースを空けてあげること」。
そのためには「何かをやめることでスペースを空ける」のが一番わかりやすい時間の作り方です。
例えばコロナによるリモートワークで「通勤時間がなくなった」、「仕事の日数が減った」という人は、その空いたスペースを英語勉強に充ててあげることができますよね。
実際、コロナ禍においてオンラインレッスンを始めた人の数が増えたと聞きます。
あと、実はこれが一番大事な気がするのですが、僕がここで言う「スペース」とは、必ずしも物理的なものではないです。
精神的なスペース、というのもあります。
例えば、いくら時間があっても“精神的に疲弊しているとき”というのは、勉強どころじゃなかったりしますよね。脳内に勉強のことを考える「スペース」がないような感じです。
現代においては、これこそが問題のタネなのかもしれません。
質問してくださったずぅこさんは、もしかしたら「時間がない」のではなく、「大学院生をしながら、研究・バイト・就活をしなければいけないという状況に対して精神的にいっぱいいっぱいになっている」のかもしれないなと、少し思いました。
いやほんと、社会を真っ当に生きるためには考えることが多すぎますよね。真面目な人ほどどんどん余裕がなくなっていく社会構造が実際に存在していると思います。
だからこそ、ちょっと、こんなことを英語のQ&Aで書くのも変なのですが、一度リラックスするのも、いいかもですね。
英語の勉強って素晴らしいですけど、まずは健康に暮らすことの方が大事なので、無理に「勉強をしなきゃ!」と思わず、一度立ち止まって、自分の今の状況を俯瞰して整理する時間を作るといいかもしれません。
今やっていることの中で、本当に大切なものってなんだろう?
もしかしたら人に任せられることってあるんじゃないのかな?
日曜日くらい休みにしても、生活は意外とまわるんじゃないか?
こんなことを一度考えてみてください。
「今やっていることをただ続けた先にある未来」と、「これから本気で英語に取り組むことで手に入れられる未来」を天秤にかけたとき、
後者の方が魅力的に映るなら、一度今ある何かを休止して勉強にフォーカスする1年を作るのもすごく素敵だなと思うんです。
みんなもっと、自分のペースで生きていいですよね。
せっかく2021年になりましたので、年の初めに具体的にできる行動についても話していきます。
僕が思う「勉強時間を効果的に確保する秘訣」は、事前に「時間割り」をつくってしまうことです。
勉強が続かない人にありがちなのが、「できるときにやろう…」という気持ちのまま、ズルズルとさぼってしまうことかと思います。
これを避けるため、あらかじめ「時間割り」をつくるんです。
学生の時は「時間割り」があったからこそ、その日のモチベーションにそこまで左右されずに、ひとまず勉強を続けることができましたよね。
それと同じで、勉強を生活の中に組み込んでしまうんです。
例えば最近の僕は「朝8:00〜9:30」の1時間半を、「英語タイム」*と設定していて、仕事が相当立て込まない限りは絶対に勉強をします。
*「英語タイム」については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
▲とある1日のスケジュール例
ただ、これができるのも、前もってそこに「スペース」をつくっているからなので、先述した「取捨選択によるスペース確保」は必須になってくるかと思います。
一時期は仕事をしすぎて参ってしまったときもありましたが、自分の生活を何度も見つめ直しました。
「自分は仕事だけをしていたい人生なのか? それとも、勉強時間をちゃんと確保して、自分自身にスキルがついていくことを心から楽しみたい人生にしたいのか?」
本当に何度も自問自答し、いっときは1日12時間くらい働いていたところを、「勉強5時間:仕事7時間」くらいの比率に下げました。
やってみると、「ああ、これでも生きていけるんだ。むしろ、しっかり勉強ができる毎日とはこれほど健康的なのか」と気付くようになりました。
新年が始まったばかりの今こそ、生活を見直す大チャンスなので、ぜひ一度、「オリジナルの時間割」を作ってみてください。
時間割をつくる際のポイントもお伝えします。
それは、「ちょっと物足りないな」と思える緩めの時間割からスタートすることです。
例えば、1日の勉強時間をまずは30分に設定するとか。
30分なら、スマホを触っている時間を少し削ればできそうじゃないですか?
いや、もう10分でもいいかもしれません。
人間、今からやるものに対して「大変そうだな…」という感想を抱いている時点で絶対乗り気になれないですが、やる前から「これならできるかも」と思えるものは、できるんです。
とっかかりのハードルを下げ、勉強しやすい状況をデザインするところまでが努力だと信じています。
何かの本で、「その日の To Do には、『教科書の表紙を開く』とだけ書けばいい。実際に教科書を開いて終わりでもいいが、1ページ開くと、せっかくだからもう少しやってみようかなという気持ちになってくる」というようなことが書いてありました。
ほんと、まずはこのくらいから始めてもいいのかもしれませんね。
だってこれだけでも、“何もしない”よりは、うんと前に進んでますもんね。
時間割をつくっても、おそらくしばらく経つと「勉強ができない期間」というのは定期的に出てきます。
昔はこの状況に落ち込むこともありましたが、今はこう考えるようにしています。
「もしかしたら今、キャパを超えて忙しすぎるのかもしれない。生活の中で本当に大事なものは何か、今一度考えてみよう」
そう、時間割という「絶対的な基準」があることで、今の自分に余裕があるかないかを冷静に判断することができるようになったんですね。
これはとても良いことだなあと思います。
自分でつくった時間割って、つまり自分にとっての「理想の生活」なんです。
なんだか壮大な話になってしまいましたが、せっかくなら2021年をみんなで最高の年にしたいので、参考にしてもらえたら嬉しいです。
では、今年もどうぞよろしくお願いします。
質問も引き続きお待ちしていますね。
人に話すと楽になると思います。
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