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質問:「勉強への情熱」はどうすれば持続しますか?【新井リオの『Q&ABC』vol.18】

質問:「勉強への情熱」はどうすれば持続しますか?【新井リオの『Q&ABC』vol.18】

『Q&ABC』は、「英語日記BOY」の著者・新井リオが、「英語・海外生活」にまつわるみなさんからの質問に答えていく連載です。

(質問はこちらからできます)

第18回のテーマは「勉強への情熱はどうすれば持続するか?」です。

【質問(ゆまきたさんより)】
新井さん、こんにちは。

早速質問ですが、ご自身にうまれた愛や情熱を、持続させることができるのはなぜだと思いますか?

新井さんのお姿をみて、「英語がんばってみよう!」と思った方がたくさんいると思います。

英語ができるようになりたい気持ちがベースにあるからかもしれませんが、愛や情熱をもって、物事にひたむきになれる自分になりたいから、だとも思うんです。

実際に、わたしがそうなんです。

わたしも新井さんのように、今生きていることに実感をもって、生まれたての赤ちゃんのように、この世界や自分を、可能性のかたまりのようなまっさらな視点で、見続けていたいんです。

言いすぎに聞こえますか?
いいえ、きっとわたしだけじゃないと思うんです。

和食と洋食、どっちがいい?

和食と洋食、どっちがいい?

勉強への情熱が持続できている理由、なんでですかね。

正直、本当のところは自分でもわからないかもしれないです。

少なくとも、愛や情熱を持続させるための素晴らしい方法を知っていて、それを実践した結果、今がある、というものではなく、

お酒が大好きすぎる人が、周りから心配されるくらい毎日お酒を飲んじゃうのに似ているんだと思います。ちょっとした中毒といいますか。

大学生のとき、英語の勉強をしすぎて親に心配されていました。ずっと自分の部屋にいたので、学生生活を楽しめていないのではないか? と。

ただ、僕としてはあまり気にしていませんでした。

むしろ、「大学生の楽しみ方といえば〇〇」みたいなことが存在することに対して本当かな? と思っていましたし、性格的に、一般的にはこう、と言われていることよりも、自分の心地よさを正しいと思いたいわがままな気質なんだと思います。

一応大人なので、「今夜は、和食と洋食、どっちがいい?」などと聞くのですが、完全に和食の顔で聞いてしまったりするので、周りにいる人は半分笑いながら「和食でいいよ」と言ってくれたりします。

ゆまきたさんは、たとえ和食が食べたくても、相手にバレることなく「どっちがいい?」と聞けるすごく優しい人なんじゃないでしょうか。

僕はこれを素晴らしい能力だと思うのですが、ゆまきたさんも、実はけっこうな熱量で和食が食べたかった。どうすれば和食を食べられますか?

それが今回のお話ということなんですかね。
 

何かを入れるならまず何かを抜くところからだ

何かを入れるならまず何かを抜くところからだ

勉強への情熱が持続しないことを、自分の意志の弱さだと考える人がいるかもしれませんが、和食の例から考えるに、情熱はあるのだけど、周りのことを意識しすぎて、無意識に自分の情熱の優先度を下げている、ということがあるのかと思いました。

もっと簡潔に言うなら、みんな既に忙しすぎるんですよね。

例えば、本当は全て投げ出して1年間くらい英語学習に埋もれるような毎日を過ごしてみたい。

でも、自立した生活をすることで親を安心させたり、堅実な仕事や地位を獲得することで周りからの信頼を得たり、会社で上司に迷惑をかけないように自分が無理をしてみたり、そういう、社会におけるお手本のような素晴らしい人になろうとすると、仕事量が多くなり過ぎて、自分のことをないがしろにしてしまう気がします。

「何かを入れるならまず何かを抜くところからだ」

という、どこで読んだのかも忘れましたが大事にしている格言があります。

自分は20歳で本格的な英語学習を始めたのですが、「これだ…!」と思い、就職を抜いた気がします。

2年間休学してカナダに渡ったのですが、「2年も休学したら就活に不利なんじゃない?」と周りの人にけっこう言われました。

でも、普通ではありえないようなスピードで英語が上手くなりたいと思う人が、普通の生活をしながらその夢を叶えることはできない気がしたんです。

ここで一回小さな成功体験を得ていい気になったのか、今の自分の生活、そういえば、社会のお手本とされていることを抜きまくってますね…。

だから、勉強している暇があるのかもしれません。会社で働いたこともないですし、こんなに自分のことばかりしている人間が結婚なんてできるわけないじゃん…と今は思っちゃっています。
(結婚し、守る者ができることで生まれる新しい頑張りがあるぞ、と身近で結婚した友人に言われ、それもぜったいにそうだな…と思うんですが)

ただ、ここに劣等感を感じることもあまりないんですよね。素で、「まあいいんじゃない、人と違うって素敵!」って思っちゃうんですね。和食を食べずにはいられないんですね。

たぶん、奇跡的に、この数年で言われ出した「好きなことをして生きていこう」というスローガンと、やりたいこと優先中毒者の自分の性格が合致しただけで、生まれるのが20年早かったら、本当にただのわがままな人で終わっていた気もします。

なので、ゆまきたさんは僕の活動を褒めてくださってとても嬉しいのですが、これが万人に褒められるライフスタイルではないとも自分では自覚しているんですね。

企業で激務をこなしながら、家族との時間もしっかり確保し、充実の生活を送っている人に「君は自分のことばかりで楽な人生だよな」ともし言われたら、「本当にそうですよね…すみません…」と、何も言い返せない気がします。
 

上手くなったらお返しします

上手くなったらお返しします

とはいえ、せっかく質問をくださって、何か答えたいので、もうちょっと頑張ります。

ほんと、今僕めちゃくちゃ考えてます。自分にとっての当たり前を解剖することってこんなに難しいんですね。

解剖の結果、こんな自分ですが、普段こう思ってるな、という言葉がひとつ出てきました。

「わがままやらせてもらっている代わりに、上手くなったらお返ししますからね…」です。

僕は今、絵の学校に通っているのですが、電車で行くとき、駅員さんのような、毎日リアルタイムで誰かを助けている人を見て、わあ、ほんとおれって自分のことばかりですみません…みたいな気持ちになるときがあります。

ただ、この罪悪感を余裕で超えるくらい、「あと数年ください…絵が上手くなったら、この能力で自分も誰かを幸せにしますから!」とも思っているんです。

僕がこれまで救われてきた音楽、文章、絵といった作品は、だれかが自分の心の井戸を掘り続けてついに出てきた湧き水のような感じなんです。

その水をお裾分けしてもらって、喉が乾いて死にそうだった自分は、救われたんですね。

だから次は自分が井戸を掘りたい。いつになるかはわからないけど、最高の水を汲んでくるから、待っててな。これです。
 

いつか誰かを救うために、今勉強する

いつか誰かを救うために、今勉強する

英語も誰かを救います。

わかりやすいところで言うと、日本のような単一言語が話される国で、困っている海外の方を積極的に助けることができますし、一度本気の英語学習を経験すれば、周りにいる「英語が上手くなりたい!」という友人にとっての最高のメンターになることもできます。

また、英語学習を通して海外のニュースを見るようになって、日本では知り得なかった世界の貧困・難民問題、さまざまな差別などを知り、動き出したくてたまらなくなるかもしれません。

そして、救える誰かの中には「未来の自分」もいます。

今日頑張れば、明日の自分はめちゃくちゃ助かるだろうし、これを続けられたら、10年後の自分はどれだけ生きやすくなるんですかね。物事は、ある程度上手くなってくると楽しいですから、未来の自分の楽しみを今作ってあげていることにもなります。

とにかく、

いつか誰か(未来の自分も含む)を救うために、私は今、勉強するんだ。

これが情熱の正体なんですかね。
 

さいごに

さいごに

ご質問の中の言葉。

生まれたての赤ちゃんのように、この世界や自分を、可能性のかたまりのようなまっさらな視点で、見続けていたいんです。

赤ちゃんってかっこいいですよね。

自分は、生活の中で、来月の家賃支払いのこととか、保険料のこととか考えるようになってしまったので、赤ちゃんの驚異的なピュアさに比べると、「僕はまっさらです」と言える自信があるか正直わかりません。

ただ、僕たちは大人になってしまい、これは変えられない事実なので、今から大人なりのかっこよさを目指すことができれば、それで全然いいのではないかと思います。

むしろ、「いつか誰かを楽しませたい、救いたい」と思いながら、情熱と希望にまみれて努力をするのは、赤ちゃんにはできないことですからね。

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