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和気から世界へ、世界から和気へ〜山と川に囲まれた人口約14,500人の町・岡山県和気町〜

和気から世界へ、世界から和気へ〜山と川に囲まれた人口約14,500人の町・岡山県和気町〜

東京から新幹線で3時間半の岡山駅。
そこから、さらに1時間に2本の在来線を乗り継いで30分の場所にその町はありました。

岡山県和気町(わけちょう)

そこは、人口約14,500人の小さな山あいの町。

この山あいの町では、「英語」に関する様々な先進的な取り組みが実行されています。

和気町では、2016年10月より町の観光事業や教育事業の一環として、DMM英会話を導入。

DMM英会話にとって、初の地方自治体での導入となりました。

「和気町が英語教育にこれほど力を入れているのはどうしてなのだろう?」

この取り組みの中心メンバーの1人、和気町役場・地方創生課の海野さんに答えを聞くため、私たちは東京から岡山のこの町に向かいました。

江戸時代から続く「教育のまち 和気」


今回お話を聞かせてくれた海野さんは、実は東京出身。大学進学を機に、Iターンでご両親の故郷である岡山で働くことを選んだそうです。
そんな海野さんに、和気町がDMM英会話を導入したきっかけについて伺いました。

まず課題として、こういった山間部の町ではどこもそうなんですが、人口流出の問題がありました。そこで、何とかこの人口流出を食い止めるため、移住を促進する方法を考えました。ただ、移住促進でよく言われる「交通の便」「買い物」「医療施設・保育園の新設」・・・こういったことはコストがかかってしまいますし、大きい自治体に太刀打ちできない。そこで、小さな自治体だからこそ小回りの効く「教育」で移住を増やせないか、という方針が出ました。奇しくも役場から車で15分ほど行ったところには、現存する世界最古の庶民のための学校である「旧閑谷学校」があります。また、和気町は奈良時代の終わりから平安時代の初めにかけて活躍し、学問の分野でも優れた業績を残した歴史上の偉人「和気清麻呂」の生誕の地でもあります。そういった背景もあり、「教育のまち 和気」を掲げ、特に今保護者の関心が高い英語教育を中心に色々な取り組みを始めています。
海野さんの話を聞き、私たちも旧閑谷学校へ向かいました。緑に囲まれた閑静な場所にある、この「現存する世界最古の庶民のための学校」には、英語で書かれた注意書きの看板も随所に見られました。

この「旧閑谷学校」ですが、2015年4月に日本遺産にも指定されました。そのため、これから海外からのお客様も増えてくることを想定し、町として英語に関する対策を始めています。先ほどの「移住促進」といった点の他に、こうしたインバウンド対策を進めるために、英語教育施策を町で取り組んでいる、という側面もあります。

若い力でリノベーション。町が運営する「無料公営塾」

移住促進とインバウンド対策という2つの目標達成のため、「英語教育」に力を入れることに決めた和気町。
具体的にはどういった取り組みを行っているのでしょうか。

まず、2016年の1月に町が運営する無料の塾である「公営塾」を立ち上げました。そこで英語の講座を行うため、英語を教えてくれる人材を探そうと色々と奮闘しましたが、やはり大きな問題として、和気町には東京のように外国人がたくさんいるわけではないんですね(笑) そんな折に、世界中の外国人の先生とマンツーマンでレッスンができるオンライン英会話というものを知り、2016年10月からDMM英会話を導入しました。
町が運営する無料の塾とは、いったいどんなものなのでしょうか。私たちはその「公営塾」に向かいました。もともと銀行だった建物をリノベーションしたこの塾は和気町駅の目の前にあり、たくさんの子供達で賑わっていました。

ここでは、小学校5年生から中学校3年生までの子供達が「地域おこし協力隊」の若者たちや、地元の大学生/留学生と共に、オンラインレッスンをはじめ、英検対策の講座や自学自習に取り組んでいました。


※地域おこし協力隊・・・総務省が支援する、地方創生の取り組みの一環。概ね1年以上3年以下の期間、地方自治体からの委嘱を受け、地域で生活し、様々な地域協力活動を行う。

公営塾設立にあたり、この旧銀行の跡地をリノベーションし、交流施設に活用しよう!というアイデアを出したのも、「地域おこし協力隊」の学生だったそう。公営塾に通う子供たちは、みんな講師たちと楽しそうに話をしながら学習をしていたのが印象的でした。
新しい形の塾の運営には、こうした若者たちの力も欠かせないようです。

子供からシニアまで。世界とつながるオンラインレッスン

公営塾の対象は現時点では小学5年生から中学3年生まで。そこにあてはまらない子供たちをはじめ、町内のサービス業に従事する方/ボランティア活動に参加しようと考えている大人の方は、自宅ではもちろん、町役場でもオンラインレッスンを受講することができます。
町役場に戻ると、小学生の女の子が、お母さんに付き添ってもらいながらレッスンを受けていました。


小学6年生の池田陽香ちゃん。キャビンアテンダントになるという夢を叶えるため、英語を勉強しているとのこと。週に1度の小学校での英語の授業の他に、学校外でもオンラインレッスンを通じて英語の勉強をしているそうです。

「まだまだわからないことが多いけど、もっと単語を覚えてたくさん話せるようになりたい」
真っ直ぐな瞳でそう私たちに語ってくれました。

次にレッスンを受けられたのは、和気町内で働く喜田さん。外国人対応をできるようにするため、オンラインレッスンを受講することに決めたそうです。
今回のレッスンでは、今ハマっている海外ドラマの話でフィリピン人講師と大盛り上がりでした。

自宅でのレッスンに加え、週に1度は役場でレッスンを受けるのが習慣という喜田さん。
海野さんによると、レッスンの度に手作りのお菓子などを差し入れて下さる受講者もおり、町民と役場との良いコミュニケーションの場にもなっているそうです。

和気町が間に入ることで、受講者の英語学習に対するハードルを下げることができていると思いますね。パソコンスキルの穴埋めだったり、本当に外国人の人と1対1でレッスンなんて私にできるの?という人に対してもサポーターが側についていたり。ちょっと町自慢になってしまいますけど(笑)。今は口コミで、どんどん受講者が増えています。みんな必ず言うのは先生がとってもフレンドリー、ということですね。

「世界を身近に、人間はそんなに変わらない。」

海野さんを始め、和気町役場の方はこの取り組みを通して、どういう効果を期待しているのでしょうか。

幼稚園児から中学生までの子供たちには、まず英語を好きになってほしいですね。その延長線上で、「和気って英語レベルが高いんだね」って言われるようになればこんなに嬉しいことはないです。高校生以上の大人については、日常会話ではどこに行っても恥ずかしくない英語を身につけてもらえれば、と思います。そして、将来はここで勉強した人たちが中心となって外国人の対応をできるようになってもらいたいです。
取材の終盤には、こんな言葉も飛び出してきました。

これは全員に言えることですけど、「世界って身近だな、外国の人でも、話せば人間はそんなに変わらないな」ということを感じてもらえるといいなと思いますね。
仕事も住んでるのも和気、という人だと、岡山市内に出るのも月に1、2回ということも珍しくありません。そうなると本当に限られた世界になるので、DMM英会話を通して、少し広い世界を見てもらえれば、と。

取材後記


「和気から世界へ、世界から和気へー」

「グローバル化」という言葉が至る所で聞かれるようになって久しいですが、
今回の取材を通し、町の生き残りの手段として「グローバル化」を目指す自治体があること、そしてそこに賭ける想いは、どこよりも本物だということを強く感じました。

山あいの町で始まった「オンラインでの英語学習」。
こういった町にこそインターネット1つで世界とつながれることにより価値がある、今回の取材を通してそう実感しました。

今日も和気町では、町民達がDMM英会話を通して世界の人々とつながっています。


岡山県和気町
吉井川や金剛川に育まれた豊かな自然に囲まれた、岡山県の南東部に位置する町。岡山駅までは電車で30分程で、人口は約14,500人。奈良時代〜平安時代に民生の安定と発展のために活躍した和気清麻呂の生誕地として有名であり、和気清麻呂らを祀る和気神社や全国各地の約100種のフジを集めた藤公園、片鉄ロマン街道、和気鵜飼谷温泉などの観光名所を有する。DMM英会話法人様向けHPはこちら