島村和秀
(更新)
もともと仕事のメインは音楽活動で、ミュージシャンとして活動する傍ら音楽学校の講師として働いています。英語をはじめたのは 3 年前で、道端で外国人に声をかけられたのがきっかけでした。その時簡単なコミュニケーションすら取れない自分に唖然として英語学習をはじめるようになりました。そこからTwitter上で自分の勉強方法などをシェアするようになり、それから講演の依頼やセミナー開催など英語での活動が増えてきました。英語キュレーターとしてワークショップ、セミナーまたはイベントを開催したり、自らも英語学習者そして使用者として自分の人生を切り開くロールモデルのような存在になれないか、そう思い日々活動しています。
僕は留学経験などなく英語を始めました。僕が英語をスタートする上でまず考えたのは、どうやったら国内で生活しながら英語をマスターできるかということです。そこで英語習得に失敗した人のデータをたくさん集めました。その次に成功した人の共通点を探しました。僕が興味を持ったのは、英語の習得に成功した人と失敗した人に何の差があったのかということです。そうやって成功モデルを参考にしながら英語に触れていきました。
『英語が出来る全ての人が必ずやっていた5つのこと』という記事でもまとめたのですが、1番の違いは明確に目標を持っているかどうかということです。英語の習得に成功した人は英語の習得そのものをゴールにはしていません。英語を習得した先にある目標にフォーカスを当てて勉強をしています。
もう1つの違いは、自分の生活環境を変えられるかということです。例えば、朝起きて10分は英語に触れるみたいな、とても小さなことですね。多くの人が今の生活を全く変えずに英語をはじめようとします。いつものように起きて、会社に行って、友達とお酒を飲んで、家に帰ってお風呂に入ってから、さあ勉強しよう!って無理ですよね。日々の生活環境を変えずに英語の時間をネジ込もうとしても無理が生じるのは当然なので、それを変えられるかが問われますね。
僕は英語学習をかなり包括的にやってきましたが、僕が真っ先に決めことは「英語を分けない」ということです。TOEIC試験対策、単語学習、英会話、リーディング、ライティングなど、英語をカテゴライズしているのは英語産業の便宜上のカテゴリーであって、つまるところ英語は1つしかありません。なので、とにかく分けない、英語は全て同じものと捉えて勉強をしました。その姿勢こそ、僕が英語を取り組む上で重要だと考えたことでした。
そして、ストレスが少ない状態で少しでも長く英語に触れられる時間というのをつくっていました。そういう時間は工夫しないとつくれません。僕が一番工夫したのはスピーキングの時間です。よく日本にいる人で、英語を話すチャンスがないという方がいらっしゃいます。でもリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングなど色々なカテゴリーの中で、スピーキングだけは道具がいらないんですね。だから、自分が話す気になれば機会はいくらでもつくれる。1人でいる時でも何か英語で表現しようとすることはできるじゃないですか?そうやって、英語にコミットする時間を増やしていこうという意識をもちました。
他には、人と繋がっているということも大事なことです。僕が英語学習をしてみて気がついたことは、学習ってやればやるほど孤独になっていく傾向があるということです。机の上で勉強しようとすると結果1人になってしまう時間が増える。本来、人とコミュニケーションするためのツールなのに孤独になってしまうといのは矛盾していますよね?外国人と国を超えて友達になるツールはたくさんあるので、国内であっても人と英語を介して繋がっているということがとても大事です。
もちろん海外に行けば英語に触れられる環境はもっとあると思いますよ。でも国内でも英語に触れられる環境ってたくさんあると思うんですよね。もう留学経験がないってことを英語が出来ない言い分けにできない時代に私たちはいるのだと思います。もちろん金銭的にも時間的にも留学に対してデメリットが少ない人は海外に行った方が得られる経験は多いと思います。しかし、僕は仕事上や年齢の理由でそれができなかった。それなので国内にいながら留学をしているような環境をつくることに意識を持つようにしました。
モチベーションを維持する方法はいくつかありますが、その前に大事なことはモチベーションに左右されない方法を築くことです。モチベーションに左右されない方法というのは、英語の習慣化です。例えば朝起きてシャワーを浴びる習慣のある人は、別にそれに対してのモチベーションなんて考えずにシャワーをあびていると思います。今日はシャワーのモチベーションわかないなぁとかってないじゃないですか(笑)。生活のルーティンの中に組み込まれた習慣なのでモチベーションに左右されませんよね。英語も同じで、どんな些細なことでもいいので習慣化された学習時間を作ることがまず第一だと思います。この習慣という土台ができてしまえば、英語力というのは必ずあがります。
とは言っても、人間ですから誰でもモチベーションが下がる時はあると思うんですよ。だからそういう時はあえて休むようにしていました。僕は「英語学習をやめました」と言う人に何人か会ったことがあるのですが、僕が思うのは英語っていうのは「やめる・やめない」の発想で考えるものじゃないということです。今日は体調が悪いからご飯は少なめにしておこうということはあっても、一生食べないという訳ではないですよね。英語学習もそういう選択じゃないかと思っていて、どうしてもモチベーションが上がらない時は休むで良いんです。
間違えを恥ずかしがらずにどんどん話す機会をつくるオンラインレッスンは僕も3年間使っていますが、まずは、話す機会の確保の簡単さが魅力的だと思っています。これまでは、マンツーマンレッスンをしようと思ったら、高額な料金を払って英会話教室に行かないといけなかったのが、オンラインでは8分の1程度の安い料金で、英会話の場を得ることができます。また、朝から深夜まで好きな時間に自宅からでもレッスンができるので、ライフスタイルに合わせて利用することができるのも魅力です。
オンラインレッスンについては、100%学びの場というよりは間違いが許されている場だと捉えていくことが望ましいと僕は考えます。たくさん間違えたり質問をしたりすることが自由に出来る。先生とのマンツーマンレッスンなので、間違えても恥ずかしくないですよね。そう考えて積極的に利用して欲しいと思います。
↑この写真はTEDxTokyoの本番の日にステージで歌える人が必要になり、パトリックにお前行け、と駆り出された場面です(笑)
TEDという有名なカンファレンスがあるのですが、TEDのファウンダーのパトリックニーュエルがアメリカだけではなくて日本でもカンファレンスの場を設けたいと言って始まったのがTEDxでTEDxTokyoは世界で最も最初のTEDxなんですよ。僕が初めて参加したのは去年の末なんですけど、TEDxTokyoではスピーカーチームというプレゼンターを選ぶセクションで人材のキュレーションであったり、プレゼンテーションのコーチをしています。
英語ができないと「ここ」にはいられないということです。普段のメールでチームと情報共有をするのですが、宛先にどこの国の人が入っているかわからないので、基本チーム内でのメールのやりとりは全て英語です。そこは英語が出来るか出来ないかという規準ではなく、英語を用いて自分のバリューを提示していく場でした。面白い人を見つけて、TEDxTokyoのカラーと摺り合わせて価値を提案していく。そのことは大変でもありやりがいでもありますね。
最終的には直感を大事にしているのですが、TEDx Tokyoが標榜する「広めるべきアイデア」というのは、有名・無名に関わらないことが多いです。そこで僕はポピュラリティーではなく、その人自身のコアを見つめてキュレーションするようにしています。また、そのための情報収集は日頃から怠らないようにしています。
僕が3年前に英語学習を始めてみて思ってことは「どうしてこんなに英語の学習技術が共有されていないのだろう」ということです。多くの英語習得の成功者と多くの失敗者がいるのに、なんで技術や方法を橋渡しをする人がいなんだろうと思いました。多くのソーシャルメディアがある現代に強烈に情報を発信する人がいなく、英語業界は点同士が点在され分断されているようなイメージがあります。そのため、このような状況を水平化してフラットに風通しを良くする存在になりたいというのが僕のモチベーションです。
僕が知っている情報は全てシェアしていきます。色々な人がモチベーションを持って誰かを鼓舞していくという波が広がっていけばいいなと思っています。英語学習に関する質問も募集しますので、どんな質問が来るか僕も楽しみにしています。他にもTwitter上で情報はいつでも共有しているので興味があれば是非チェックしてみてください。