さな
(更新)
筆者は映画が大好きで、今までに1,000本以上の作品を観てきましたが、最近はなぜか「90分くらいの映画がちょうどいいな」と思うようになりました。
それは2−3時間の映画を観なくても、短い映画でも十分に感動ができ、十分にストーリーが楽しめることに気付いたからです。
3時間の映画を観る時間がない方や、集中力が続かない方、あるいは英語学習のために短めの映画のリスニングに挑戦してみたいという方。
今回はそれぞれの願望に応える「90分未満のオススメ映画」をご紹介します!
寝る前や、次の予定まで少しの空きができたとき。
こんなときに、観たい映画が260分もあったらどうしますか? 途中まで観て、残りは別の日に観るという手もありますが、できる限り一気に観たいですよね。
90分未満の映画は、時間があまりないときにサクッと観られるというのがオススメの理由の一つ。Netflixにも「90分未満のオススメ映画」というカテゴリーがあるくらいです!
また、短い映画は暇つぶしにも便利で、「ちょっと暇だな〜」と思ったときに活用するのも良いですね。
長めの映画を観ているときに、ついスマホをいじってしまったり、飽きて何か別のことを始めてしまうなんて経験はありませんか?
筆者は飽きてしまうとすぐスマホを見てしまいますが、みなさんもこんな経験があるのではないかと思います。
しかし、80分〜90分で終わる映画なら、飽きてしまっても「あと20分だから最後まで観よう!」と思うことが多々あります。
もちろんすごく引き込まれる映画であれば、90分はあっという間に過ぎてしまい、「え、もう終わったの!?」と物足りない感じに浸ることもあるでしょう。
どちらにしろ、短すぎず、長すぎない作品は、集中力が続くうえに、観終わったあとの達成感も感じられるため、オススメです。
2−3時間の映画をぶっ通しで観て、必死にリスニングに力を入れるのは、誰にとっても厳しいかと思います。そんなときにやはり役に立つのが短めの映画!
80分から90分の映画であれば、聞き取りに力を入れていてもそこまで疲れずにチャレンジができるはずです。
映画が長すぎて、さらにリスニング力もなかなか上がらなければ、圧倒されて諦めたくなるかもしれません。気負わずに楽しみながら集中するためには、短めの作品を選ぶことがやはりオススメです。
ではここからが本題。まずはアニメ映画から見ていきましょう!
世界中で大ヒットした「ライオン・キング」を知らない人はいないでしょう!
シンバをはじめ、ティモンとプンバァ、スカーやムファサまで、数々の有名なキャラクターを生み出した「ライオン・キング」は90分未満映画のカテゴリを率いる傑作の一つ。
ディズニー映画はほとんどが子供向けであるため、他の映画に比べて時間が短い傾向があります。
ウェス・アンダーソンという監督をご存じですか?
彼を代表する作品には「グランド・ブダペスト・ホテル」や「ムーンライズ・キングダム」などがあり、どれも個性的でウェス・アンダーソン・ワールドが味わえるものばかりです。
そして彼は、実写だけでなく、ストップモーション・アニメーションの作品も手掛けているのです。
2009年に公開された「ファンタスティックMr.FOX」は、イギリスの人気作家ロアルド・ダールの児童文学「すばらしき父さん狐」を原作とした映画。
豪華声優陣を起用し、野生動物と人間の戦争をシュールかつコミカルに描いた作品となっています。
1995年に公開された「トイ・ストーリー」は、ピクサーが初めて製作した映画。わずか81分という短さでもはっきりと起承転結されたストーリーが楽しめます!
カウボーイ人形のウッディは、アンディという男の子の一番大切なおもちゃ。しかし、ある日アンディは両親からバズ・ライトイヤーというキャラクターのアクションフィギュアを買ってもらいます。
そしてウッディはもちろん、アンディの一番お気に入りのおもちゃとしての地位が危うくなるのを感じ、大きな危機感と嫉妬心を抱きます。
そんなおもちゃ達の日常を描いた笑いあり涙ありの、ほっこりした作品です。
2002年に公開された「アイス・エイジ」は世界的に大ヒットしましたね。
舞台は氷河期にさしかかった世界。そんななか、マンモスやナマケモノを含むさまざまな動物たちが、人間の赤ちゃんをお父さんに返すための冒険に挑みます。
英語もそれほど難しくないため、英語学習を兼ねて、子供から大人まで楽しめる作品です。
「エドワード・シザーハンズ」や「ビートルジュース」を手掛けたティム・バートンが誇るアニメーション映画。
ハロウィーン・タウンの王であるジャック・スケリントンがクリスマス・タウンに出くわし、クリスマス・タウンを乗っ取ろうと画策する物語です。
ティム・バートン監督が生み出す独特な世界観が、面白いキャラクターとキャッチーな曲を通して繰り広げられます。また、曲とスコアを書き、ジャックの歌声も提供したのはアメリカの有名音楽作家のダニー・エルフマン。
「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」は今回ご紹介したアニメ映画のなかでももっとも短い作品です。ぜひ気になる方は観てみてくださいね!
90分未満のオススメ映画【ドラマ編】の1作目は、大ヒット作「スタンド・バイ・ミー」!
有名作家スティーブン・キングの1982年の小説「The Body(死体)」を原作とし、映画のタイトルはベン・E・キングの同名の歌に由来しています。
1959年のアメリカ・オレゴン州を舞台に、4人の少年が、行方不明の少年の死体を探すためにハイキングに出かけるという物語です。
世界的に有名な映画であるにもかかわらず、その長さはたった89分。英語学習、特にリスニングにオススメの映画であることは間違いないです!
Netflixオリジナル映画の記事でも紹介した「パドルトン」は、筆者が直近で観た映画のなかでもっとも感動した作品です。
物語は、変わり者の隣人2人のうち、若い方の男が末期がんと診断されるところから始まります。そしてこの診断が、2人にとって思いがけない感動の旅の始まりとなるのです。
一見悲しそうな話ですが、シュールな笑いやジョークも多く、ジャンルはダーク・コメディと言えるでしょう。
89分という短さでも十分に心を打たれる内容が詰まっている映画ですので、ぜひ気になる方はチェックしてみてくださいね。
「ラッキー」は、アメリカの俳優ハリー・ディーン・スタントンの最後の主演作。物語は、神を信じない90歳の頑固な男・ラッキーを中心に展開されていきます。
ある日、一人暮らしをする家で倒れてしまうラッキー。人生の終わりが近づいていることに気づいた彼は、今までは拒否していた「死」について考え始めます。
カリフォルニアの小さな砂漠町を舞台に、ラッキーはたくさんの風変わりなキャラクターと交流をし、のちに死ぬことを受け入れなければならないことを悟るというストーリーです。
スタントンの長年の盟友であるデヴィッド・リンチ監督が、主人公の友人として登場するのも見どころの一つですよ!
「フルートベール駅で」は2013年にアメリカで公開されたドラマ映画。
2009年にオークランドのフルートベール地区駅でベイエリア高速鉄道の警察官ヨハネス・メヘゼルに殺された青年、オスカー・グラントの死に至る事件を題材にしています。
悲惨な実話をもとにした、涙なしでは観られない作品です。マイケル・B・ジョーダンとメロニー・ディアスの迫力のある演技も見どころです。
「エレファント」は、ガス・ヴァン・サントが脚本・監督・編集を手がけた2003年のアメリカの心理ドラマ映画。
オレゴン州ポートランド郊外のワット高校を舞台に、1999年に起きたコロンバイン高校での銃乱射事件を一部題材に、学校での銃乱射事件を描いた切ない作品です。
クライマックスまでの展開は胸に迫るものがあり、実際にその高校にいるような、そして登場人物それぞれの人生を直接観察しているような気分になります。
「人間の恐ろしさ」を最大限に感じられる迫力のある映画です。
仕事を求めてアラスカに向かう無職のウェンディの唯一の相棒は愛犬のルーシー。
すでにすべてを失いかけていたウェンディは、古い車が故障し、ドッグフードを万引きした罪で逮捕されるという大きなトラブルに見舞われます。
そのうえ、保釈金を払ってルーシーを連れ戻そうとしたところ、犬は突然姿を消してしまい、必死でペットを探すことになるという、少し観ていて苦しいストーリーです。
しかし演技力は高く、筆者がこの映画を観たのは何十年も前ですが、その世界観に引き込まれる感じは今でも忘れられません。
ミシェル・ウィリアムズは、本当にどんな役でも見事に演じきる素晴らしい俳優だと思います!
2008年に公開されたアメリカのロマンティック・コメディ映画。
彼女に振られたばかりのニックは、ニュージャージー州に住む高校生バンドマン。元カノのことを忘れられない彼は、ニューヨークシティで行われているバンドのライブ中に、突然元カノの親友ノラから5分間だけ彼氏のふりをしてほしいと頼まれます。
そこから一晩中、音楽の趣味が合うと気づいた2人は、好きなバンドのシークレットショーを探したり、酔っぱらった元カノを探したりするという刺激的な一夜を過ごします。
ニューヨークの街並みや雰囲気を味わいつつ英語の勉強もできるオススメの作品です!
ちなみに、邦題は「キミに逢えたら!」といった原題からほど遠いものとなっております。
「Once」は、2007年のアイルランドの恋愛ミュージカルドラマ映画。
昼は父親が経営する修理工場で掃除機を修理し、夜はダブリンの路上で歌い演奏してお金を稼ぐことで生計を立てている名もなき男性。そして機会があればピアノを弾き、昼は雑用をこなし、夜は母親と娘の面倒をみるチェコ人の女性。
そんな2人がある日ダブリンで出会い、親しくなります。彼女は彼が音楽契約を結ぶためにロンドンに持っていくデモ・ディスクを作るのを手伝い、2人の愛は芽生えていきます。
実はこの2人には名前がありません。登場人物に名前をつける必要もないほど、音楽や感情を通して描いた、現代のミュージカルのなかでも高い評価を得た作品です!
インディペンデント系の映画が大好きな筆者ですが、これはなかでも非常に心を打たれた記憶があります。
サラは、出張が多い夫に不満を抱えながら幼児期の娘の世話をする専業主婦。孤独感に打ちひしがれていた彼女は、何年も会っていない親友のミンディに電話をかけ、娘を連れて2人で即席のドライブ旅行に出発します。
再び打ち解けた2人は、過去の思い出を振り返りながら「友情以上」の何かがあることを感じ、親密な一夜を共に過ごすことに...。
自分のアイデンティティーや願望、そして人生の決断に対する後悔などを上品に表現した作品です。話は切ないけれど、俳優陣も映像も美しいせいか、観終わっても空っぽな気持ちにはなりません。
演技はすごく自然で、英語も聞き取りやすいのではないかと思います。
20年ぶりに再会した元恋人・ジムとアマンダ。
ジムは母親が亡くなり、その家を売りに出すために、そしてアマンダは妊娠中の妹を訪ねるために、故郷に戻ってきた2人。コーヒーを飲みながら昔の話をしていると、徐々に雰囲気がよくなっていき2人は共に夜を過ごすことに...。
この映画は演技が本当に自然で、その多くが実際にアドリブで行われているからです。たった7日間で撮影されたシンプルなラブストーリーです!
1995年に公開された「Before Sunrise」の続編で、3部作の2作目。
9年前にたまたまウィーンで出会ったセリーヌとジェシーは、パリで1日だけ再会することに。もしあのとき、自分たちの気持ちに素直に行動していたらどうなっていたのか、2人はお昼を一緒に過ごし、考えます。
もちろん1作目を観てからの鑑賞をオススメします! 1作目も短めで、105分です。
ジャッキー・チェン主演の「ラッシュアワー」シリーズをご存じですか?
全3作のうち2作目は、たったの90分。本作では、リー主任警部とカーター刑事が香港で休暇を過ごすのですが、のちに犯罪王を追うことになり、その過程で偽造スキャンダルやリーの暗い秘密が発覚することになります。
キャスティングはクオリティー高く、セリフは面白く、アクションもかっこいい見応えのある作品ですよ!
ちなみに、「ラッシュアワー1」は97分、「ラッシュアワー3」は100分と、どれも観やすい長さです。
コメディといえば、ミスター・ビーン!
顔芸やジェスチャーがメインで、あまり会話がないというイメージのミスター・ビーンですが、1997年に公開された「ビーン」はちゃんとストーリーもあり、セリフもたくさんあります。
映画の内容は、怠け者の警備員ミスター・ビーンが、ロサンゼルスの美術館に大切な絵画を届けるため、アメリカに派遣され、学芸員から美術の専門家と間違われ、さまざまなコミカルなハプニングが起こるというものです。
子供から大人まで楽しめる作品ですので、ぜひ今度笑いたい気分のときに観てみてくださいね。
「フロリダ・プロジェクト」の監督による低予算コメディ・ドラマ。この映画は、全編iPhoneで撮影されたんですよ!
また、過激な内容やセリフが含まれているため、R指定となっています。
あらすじは、刑務所にいる間に彼氏が浮気をしたと聞いたトランスジェンダーのセックスワーカーとその親友が、彼を探し出し、彼とその新しい恋人に教訓を与えるために動き出すというもの。
映画は非常に面白く、筆者はすごく楽しめました。いつもとは一味違った映画を求めている方にはピッタリかもしれません!
ここまではアメリカやイギリスの作品を中心に紹介してきましたが、「ボーイ」はニュージーランドの英語が聞き取れるオススメの映画です!
マオリ族の少年が父親に打ち勝つための通過儀礼をユーモラスに描いた、心温まる愉快な作品。そんな少年目線の世界が上手に描かれており、タイカ・ワイティティ監督の独特なセンスや演技力も光っています。
訛りが強いため英語は少し聞き取りにくいかもしれませんが、とても可愛くて面白い作品なのでぜひ観て欲しいです!
一見「ファミリー映画」に見えるものの、この作品もR指定となっています。
離婚すると決めた両親と、その事実と葛藤をする息子2人のお話です。
ニューヨーク・ブルックリンが舞台なので、その雰囲気を味わいたいという方にはピッタリなコメディ・ドラマです!
「ファイナル・デスティネーション」は大ヒットしたホラー・サスペンスのシリーズ! 全部で5作ありますが、話は特に繋がってはいないので、どれを観ても楽しめますよ。
シリーズの主なあらすじは、予知夢によって死を回避するものの、逃れられない死生観に取り憑かれる人たちの話です。
「ブライトバーン」は、2019年公開のアメリカのスーパーヒーロー・ホラー映画。
トリとカイルは、宇宙船で男の赤ちゃんを見つけ、我が子ブランドンとして養子にします。しかし、12歳になったブランドンは、自分に超能力があることを知り、それを不吉な目的のために使い始めるというストーリーです。
スーパーヒーロー映画にしては結構グロいシーンが多く、ホラー要素も多めですよ。
2021年に日本でもリメイクされた「キューブ」は、元々は1997年に公開されたカナダの映画。
数々の立方体の部屋がつながった謎の場所。そこで目が覚める男女6人の脱出劇を描いたスリル満点な作品です。
英語もそれほど難しくありません。ぜひ英語の勉強も兼ねて鑑賞してみてくださいね!
その名の通り、「ゾンビランド」はゾンビ映画がお好きな方にオススメ!
物語は、大学生のコロンバスが、風変わりな見知らぬ3人と力を合わせてゾンビの黙示録を生き残り、アメリカ南西部を旅して避難所を探すというものです。
グロめのシーンは多めですが、笑えるホラー・コメディとなっています。
「クリープ」は、2015年に公開された「found footage(ファウンド・フッテージ)」系のサイコホラー映画。
ファウンド・フッテージとは、作品の全部または相当部分を、あたかも発見されたフィルムやビデオ録画のように見せる映画的手法のことです。
ストーリーは、若い映像作家が、人里離れた町で1日だけ働くというネット広告に答え、死にゆく男の最後のメッセージを記録するというもの。徐々にその男の奇妙な行動に気づいた彼は、自分の意図に疑問を抱くようになります。
短いので飽きずに見ていられるうえに、内容的にもすぐに引き込まれるような作品ですので、個人的には好みでした。
ちなみに、続編の「クリープ2」も80分ですよ。どちらもオススメです!
1999年に公開された「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」。低予算で作られた、世界的に大ヒットしたホラー映画です。
3人の学生がブレアウィッチ事件の謎を取材するため、アメリカ・メリーランド州の裏山に行くのですが、のちに地図を失くしてしまい、思わぬ事態を招いてしまうというお話。
英語の聞き取りに関しては、ホームビデオを見ているかのようで、一般人の自然な会話が聞き取れます。セリフではない感じが、日常会話のリスニングに役立つはずですよ!
今回は90分未満の映画を抜粋してみましたが、いかがでしたか?
やはり英語学習を兼ねて鑑賞している場合は、80分から90分程度がちょうどいいと個人的には思います。
また、意外と有名な映画でも、100分未満というのもたくさんありますよ!
例えば、「縞模様のパジャマの少年」は94分、「トレインスポッティング」は93分、「ハロウィン」は91分、など。探してみれば、短めの映画はたくさんあります。
ぜひみなさんも語学勉強のために、「短めの映画」というツールを活用してみてください!