DMM英会話 ブログ 英語を学ぼう

G指定やR指定...映画のレーティングの実際の意味とは?

G指定やR指定...映画のレーティングの実際の意味とは?

みなさんは、映画を観るときによく見かける「G」や「R」というアルファベットについて疑問を抱いたことはありませんか?

これらは英語では movie ratings と呼ばれ、視聴者(特に小さなお子さんをお持ちの方)にとって、その映画がどのような内容を含んでいるかを知る手がかりとなるのです。

本記事では、映画のレーティングに関する基本的な情報と、映画が自分や自分の子供にふさわしいかどうかを選ぶ際に目にするキーワードを紹介します!

映画のレーティング・システムの歴史

ハリウッド映画の初期には、映画館で上映できるもの、できないものは、各都市のルールによるものでした。やがて、映画業界は「Hayes Code(ヘイズ・コード)」と呼ばれる統一された規則を制定したのです。

ヘイズ・コードは、映画の種類によって評価を変えるのではなく、すべての映画が「正しい生活の基準」を示すものであることを確認することを目的としたものでした。

映画会社は次第にこの厳しいルールに抵抗するようになり、それを避けるために独自に映画を公開するようになります。そして1968年に、ヘイズ・コードは、MPA(映画協会)が管理する現代のシステムに取って代わられました。

このシステムは、社会的に「正しい」ものでないものを検閲したり阻止したりする代わりに、映画の内容によって異なるレーティングを与え、親が子供が見るものを適切に判断できるようにすることを目的としています。

MPAの5つのレーティング

G指定

Gはもっとも低いレーティングで、「General Audiences(一般視聴者を意味します。MPAはこのレーティングの映画を「All Ages Admitted(全年齢対象)」と呼んでいます。つまり、映画館でこれらの映画のチケットを買えば、誰でもなかに入れるということです。

G指定の映画には、子供にとって怖いもの、不適切なものは含まれていません。

かつてGは、ディズニー映画などのアニメ映画によく見られたレーティングでした。例えば、『ライオン・キング』や『レミーのおいしいレストラン』、『トイ・ストーリー』のようなピクサー映画などはすべてG指定です。しかし最近、G指定の映画は少なくなってきています。

PG指定

次はPGですが、これは「Parental Guidance」の略で、長いバージョンは「Parental Guidance Suggested」です。Parental とは「親や保護者による」という意味で、guidance は「指導」という意味を持ちます。

G指定の映画はお子さんに安心して見せることができますが、PGの映画にはお子さんに見せたくないもの、または一人で見て欲しくないものが含まれている可能性があります。

一般的に、現代のほとんどの映画、たとえ家族向けアニメ映画であっても、PGがもっとも低いレーティングです。例えば、『パディントン』、スタジオジブリの『千と千尋の神隠し』、『ハリー・ポッター』の1作目などがPG指定となります。

PG-13指定

このレーティングは、「Parents Strongly Cautioned」と呼ばれるものです。Strongly Cautioned とは「強く注意・警告」という意味。つまり、名前からも推測できるように、PG-13の映画は13歳未満の子供には適切でない場合があります。

ほとんどの大人は、GやPGの映画には興味がないことが多いので、PG-13は映画スタジオにとってもっとも重要なレーティングと考えられています。要するにPG-13の映画は、多くのお金を稼ぐチャンスなのです!

実は、1984年に公開されたPG映画『グレムリン』と『インディ・ジョーンズと運命の神殿』は、PG-13というレーティングを作るきっかけとなりました。それぞれの映画には、子供にとって不愉快なシーンはあるのですが、高いレーティングを受けるほど過激なものではありませんでした。

しかしそれでも親から不満の声が上がり、有名なスティーブン・スピルバーグ監督が提案したことで、PGとRの間の新しいレーティング、すなわち「PG-13」が誕生したのです。

現代のPG-13映画には、ハリー・ポッターの後期作品、『トップガン マーヴェリック』、スーパーヒーロー系の映画などがあります。また、『アベンジャーズ』のようなスーパーヒーロー映画もほとんどPG-13です。

R指定

Rは「Restricted(制限された)」の略。これは、「Under 17 Requires Accompanying Parent or Adult Guardian」という厳しいルールを含む最初のレーティングです。つまり、17歳未満の人は、大人の同伴がなければ、映画館でR指定の映画を見ることができないということです。

R指定映画の鑑賞を許可するかどうかは保護者の判断によりますが、これらの映画にはほぼ間違いなく、強い言語、暴力、性的な内容、薬物使用などが含まれています。Rは通常、ほとんどの主要な映画が受ける最高レーティングです。

R指定の映画には、『ターミネーター2』のようなアクション映画、ホラー映画の『死霊館』シリーズ、そして『テッド』のような大人のコメディ映画も含まれます。

NC-17指定

R指定の映画が大人または大人同伴の子供に制限されているのに対し、NC-17の映画は「大人のみ」の映画です。

NC-17映画は通常、R指定の映画と似たような内容が含まれていますが、より頻繁に、より細かい描写が含まれている可能性があります。一般的にこのレーティングの映画は、他の映画ほど宣伝されないうえに、見に行く人が少ないため、映画製作者や映画スタジオはこのレーティングを避けようとします。

R指定の映画の多くは、NC-17から始まり、もっとも激しい内容の一部を削除または変更し、編集されたものです。

Unrated

最後のレーティングは、まったくレーティングではありません!

映画の予告編や宣伝資料の前に「Unrated」と表示されていることがあり、「UR」または「Not Rated」を意味する「NR」と略されることもあります。

多くの場合はその映画がまだ正式なレーティングを受けていないことを意味し、一部の映画は決してレーティングを受けないこともあります。

旧来の非公式な「X」レーティングと同様に、一部の映画では、過激な内容や性的な内容に興味を持つ観客を惹きつけるために、未評価であるという事実を宣伝として利用しているのです。

しかし、未評価の映画には、必ずしもそういった内容が含まれているわけではありません。映画の中身がよくわからない場合は、ネットで調べてみることをおすすめします!

レーティングによく使われるキーワード

レーティングは映画の中身を大まかに把握するのに役立ちますが、それでも細かい内容については迷うことがあるでしょう。この問題を解決するために、レーティングは追加情報を含むようになりました。

一般的に、映画の内容は、言語、暴力、性的内容、テーマ性といったいくつかの大きなカテゴリーに分けられます。

それぞれのカテゴリーを説明する言葉は、通常「light(ライト)」または「mild(マイルド)」で始まり、少しだけであること、またはそれほど強烈でないことを意味します。映画の内容がより成熟してくると、「strong(強い)」または「pervasive(広範な)」といった表現が見られるようになり、これは映画のなかで何度も発生することを意味します。

単に「language(言葉)」という表現が使われていれば、親が子供に聞かせたくない「汚い」言葉が含まれている可能性があることを意味します。PGやPG-13の映画でも、この記述がある場合がありますが、一般的に激しいものではありません。

しかし、言語に関する他の記述もあり、例えば、身体機能に関するジョークを指す「crude humor(下品なユーモア)」などがあります。

続いて暴力は、「cartoon violence(カートゥーン・バイオレンス)」「sci-fi violence(SFバイオレンス)」、あるいは単に「action(アクション)」など、さまざまな形で表現されることがあります。多くの大ヒット映画はこのように表現されています。

一方、ホラー映画では、「graphic violence(グラフィックバイオレンス)」「gore(ゴア)」など、より強い表現が使われることが多いです。これは、非常に過激で細かい描写のシーンが含まれており、子供には絶対にふさわしくないということを意味します。

性的な内容は、画面に短時間しか映らない場合、「sexuality(セクシュアリティ)」「nude(ヌード)」「brief nudity(わずかなヌードシーン)」などの言葉で示されます。これらは、必ずしも若い観客に悪い映画であることを意味するものではありません。ただし、「strong(強い)」「intense(激しい)」などと表記されていたら、注意が必要となってくるでしょう。

続いて「Thematic elements(テーマ要素)」(「成人/成熟したテーマ」とも呼ばれる)というカテゴリーは、理解するのが少し難しいかもしれません。特定の単語やシーンではなく、映画の全体的なテーマやトピックを指します。

例えば、drug use(薬物使用)、disease(病気)、gambling(ギャンブル)、suicide(自殺)、disasters(災害)、serious social issues(深刻な社会問題)などが、この記述のある映画で描かれたり、扱われたりすることがあります。これらは、幼い視聴者が十分に理解できないテーマであったり、映画の後に親に質問する可能性があることが多いです。

映画のレーティングに注目してみよう!

映画の標準的な評価だけでなく、もっと詳しく知りたい場合は、人気の映画サイトIMDb.comを利用してみてください。他の視聴者からの情報が掲載されているので、それを参考にすることができます。

また、映画が公開された後、映画のメインページで評価をクリックすると、その作品の内容に関する具体的な詳細が記載された Parents Guide(ペアレンツガイド)というページに移ります。お子さんに見せたくないシーンがあるかどうかを確認することができる便利な機能ですので、ぜひ参考にしてみてくださいね!

今回は映画のレーティングについて説明しましたが、評価について理解したところで、ぜひ当ブログおすすめの映画をご覧になってみてはいかがでしょうか?