アメリカ・カナダの中学・高校で必ず読む洋書6選

図書室で本を読む少女

うん十年も前のことになりますが、高校の国語の授業で芥川龍之介の「羅生門」と夏目漱石の「こころ」を読んだのを今でも覚えています。日本文学史を代表する作品だけあり、当時高校生だった私にとってもかなり印象的な作品でした。

日本の学校と同じように、アメリカやカナダの学校でも必ず読む本があります。

日本の学校のように教科書に掲載されているのではなく、実際にペーパーバックを学校から借りて読むことが多いです。読む本は州によって、または学校によって多少の違いがあると思いますが、だいたい似たようなタイトルが選ばれているようです。

今回は、実際に我が家の子供たちがカナダの公立の中学と高校で読んだ本を紹介したいと思います。洋書を読んでみたいが、何を読んでいいかわからないという人は、ぜひ参考にしてみてください!

中学校で読まれる本

本を読む中学生

The Outsiders - S.E Hinton

S.E.ヒントンによるこの小説は、アメリカやカナダの中学校でもっとも読まれる本といっても間違いではないでしょう。フランシス・コッポラが映画化したこともあり、日本でも映画版を知っている人は多いのではないでしょうか。

【あらすじ】

オクラホマ州タルサで、ポニーボーイとその仲間たちは、裕福なライバル、Socialsと常に争っています。ある夜、対立がいつもより激しくなり、ポニーボーイの人生は永遠に変わってしまいます。極度のトラウマや葛藤を乗り越え、大人になるまでの若者たちの物語です。

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Wonder - R.J. Palacio

R.J.パラシオによるこの小説も、ジュリア・ロバーツとオーウェン・ウィルソン主演で映画化されており、映画版を知っている人の方が多いと思います。我が家の子供たちは7年生(日本でいう中学1年生)のときに学校の授業で読んでいました。

【あらすじ】

オギーはトリーチャーコリンズ症候群という病気で顔が変形しており、何度もの手術と長い入院生活を繰り返していました。病気が安定し、学校に通うことになったオギーですが、みんなと違う見た目から、いじめを受けふさぎ込んでしまいます。家族に支えられながら前向きに行動するオギーに、クラスメイトたちも心を開いていき… いじめを克服し成長していくオギーのストーリーです。

ちなみに、「Wonder」は大人でも楽しめるファミリー映画13選の記事でも取り上げている作品です。興味のある方はぜひあわせてお読みくださいね。

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The Giver - Lois Lowry

1994年にニューベリー賞を受賞している名作。小学校高学年から中学校で読まれることが多いです。日本でも「ザ・ギバー 記憶を伝える者」として講談社から和訳版が出されています。2014年には「ギヴァー 記憶を注ぐ者(原題:The Giver)」として映画化されました。

【あらすじ】

舞台はすべてがコントロールされた争いのない平和な世界。人々の感情や感覚が制御されているなか、12歳の少年ジョナスは「レシーバー(記憶を受け継ぐ者)」という役割を与えられ、過去のすべての社会の記憶を学び、保持しなければならなくなるのです。突然、彼は自分の世界と人生の意味について全く新しい視点を持つことになります。

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高校で読まれる本

本を読む高校生

Animal Farm - George Orwell

ジョージ・オーウェルの「Animal Farm」は1945年に刊行されたソビエト連邦を風刺する小説で、アメリカやカナダの多くの高校生に読まれています。人間を豚や馬、ロバや犬などの動物に見立て、全体主義へ陥る恐怖を、動物の特徴を交え描かれた作品です。

【あらすじ】

イギリスのマナー農場の農場主ジョーンズ氏はアル中で怠け者。農場の動物たちはみんなジョーンズ氏に不満を抱えていました。動物たちに尊敬されていた長老豚のメージャー爺さんは、動物たちを集め、動物による動物のための農場を作ろうと訴えます。農場の動物たちと反乱を起こしジョーンズ氏を農場から追い出すことに成功した動物たちは、農場を「動物農場」と改名し7つの掟を作りました。

その後、メージャー爺さんは亡くなり、若い雄豚スノーボールとナポレンオンがメージャー爺さんの意思を継ぐものの、農場の運営方針をめぐって対立を始めます。他の動物たちはいつもお腹を空かせ、過酷な労働を強いられるのに、豚たちだけは良い生活を送り続け、動物主義のはずの農場はナポレオンの独裁政治が行われるようになり、しまいに豚たちは人間のような格好をし、2本足で歩くように…

副題が a fairy story「おとぎ話」とあるように、動物たちのおとぎ話として読むこともできますが、ちょっとダークなおとぎ話と言えるでしょう。

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Lord of the Flies - William Golding

ウィリアム・ゴールディングによる小説「Lord of the Files」は「蠅(はえ)の王」として日本語にも訳されています。タイトルの「蠅の王」は、旧約聖書の列王記に登場する悪魔バアル・ゼブル、そして新約聖書のマタイの福音書に登場する悪魔ベルゼブルを指しています。

この作品のなかで、唯一、蠅の王の正体に気がついたサイモン(イエスの12弟子の一人であるシモン(サイモン)・ペテロと名前が同じであるところ)にも注目して読むと良いでしょう。

【あらすじ】

物語の舞台は戦争中の近未来。疎開中の少年たちが乗った飛行機が攻撃を受け無人島に墜落します。少年たちはリーダーを選び、ルールを作り、救助されるまで協力して生き延びようとします。しかしラルフが隊長になったことが不満のジャックは、狩猟隊を結成し好き勝手に生活をするようになります。狩りに明け暮れるジャック達は、動物を殺すことに快楽を覚えるようになり、また救助隊に知らせるための山頂ののろしも絶やしてしまい、ラルフとの対立がますます激しくなります。

極限の状態で、純粋な少年たちが野蛮で狂気を増していく姿が描かれた衝撃的な作品です。

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Of Mice and Men - John Steinbeck ​​​​​​

ジョン・スタインベックの小説「Of Mice and Men」は「二十日鼠と人間」として日本語にも翻訳されており、この作品も北米の多くの高校生に読まれています。大恐慌時代のカリフォルニアが舞台で、季節労働者ジョージとレニーの2人の友情、そして悲劇的なエンディングにとても切なくなる作品です。

【あらすじ】

季節労働者のジョージとレニーはいつか自分たちの農場を持つことが夢でした。しかし子供程度の知能しか持たない大男のレニーはいつも問題を起こしてしまい、農場を転々とする2人。農場主の妻との悲劇的な出来事をきっかけに、レニーは暴力団のターゲットとなり、ジョージは手遅れになる前に行動を起こすことを余儀なくされます。

ジョージとレニーの互いへの愛情と、2人の幸せとは何かを考えさせられる作品です。

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まとめ

今回は、アメリカ・カナダの中学校と高校で必ず読まれる本を紹介しましたが、いかがでしたか?

そのなかでも、我が家の子供たちがカナダの中学校・高校で読み印象に残っているものを紹介しました。

中学校で読まれる本の方が英単語も知っているものが多く、読みやすいと思います。洋書を読んでみたいが英語力が不安だと思われる方は、こちらから読み始めると良いでしょう。

英語中級者からは、高校で読まれる本から読み始めても楽しめると思います。「Of Mice and Men」は短編小説なので、洋書を読み切ったという自信をつけたい方におすすめですよ。

どれも日本語訳を読んでから、または映画を見てから読んでみるのも良いですね。