【インバウンド・アサイン】日本で使われるビジネスカタカナ用語は英語として通じるのか?

日本のビジネスシーンで使われるカタカナ用語

ちょっと英語に変えるだけで、「出来るビジネスパーソン」風にもなれる小道具です。

昔はミスター・ジャイアンツで知られる長島茂雄さんがなかなかユニークな感じでカタカナ用語を用いて会話することで知られたり、「ルー語」とも言われる日本語の文章に英単語を混ぜて話すルー大柴さんなどがいましたが、近年日本のビジネスシーンでも長島茂雄さんやルー大柴さんに負けないくらいのカタカナ用語が飛び交っています。

今回は日本で使われるビジネスカタカナ用語がそのまま英語でも使えるケースと、本来の英語の意味とカタカナ用語(和製英語)の意味が違って使用されているケースをご紹介したいと思います。
 

そのままでは通じない和製英語のビジネス用語

ここではまず、そのままでは通じない和製英語のビジネス用語をいくつかご紹介します。
 

ヒアリング

「この件は上司にヒアリングしてから、また追って連絡いたします」

こんな会話を耳にしたことがあるのではないでしょうか?

日本のビジネスシーンでは「面談のような形で相手の話を聞いて情報収集をする」という意味でヒアリングが使われています。

ヒアリングは英語の “hearing” ですが、英語の “hearing” はもっと受動的で「聴覚、聴力」をさします。なのでずばり、情報収集目的で確認を行う、という意味合いでのヒアリングは和製英語で英語としては通じません。

カタカナ用語のヒアリングを英語で表現するのであれば、“conduct an interview” “confirm” “ask” など状況にあわせて使用できます。

文頭の例であれば

I will confirm this matter with my boss and get back to you.
「この件は上司にヒアリングしてから、また追って連絡いたします」

の方が自然でしょう。

ちなみに英語の “hearing” は「公聴会や公判」という意味もあります。

There will be a hearing tomorrow morning.
「明日の朝に公聴会が開かれます」

この場合であれば、ヒアリングを用いても全く問題ありません。
 

インバウンド

ここ数年、「インバウンド」という言葉をよく耳にします。インバウンド効果を意識した経営戦略を練る企業も多々ある事と思います。

日本で「インバウンド」は、「訪日外国人旅行」や「訪日旅行」といった意味で使用されています。もちろん英語由来のカタカナ用語です。

英語では “inbound” ですが、「本国行きの」とか「帰航の」、もしくは「(交通機関などが)市内に向かう」といった意味で用いられます。

I caught an inbound bus from the airport.
「私は空港から市内行きバスに乗った」

といった具合です。

この単語もずばり、「訪日外国人旅行/訪日旅行」では用いられません。

「インバウンド」を英語に訳するのであれば、“visitors”“foreign tourists” で結構です。

インバウンド対策は「インバウンド」というカタカナ用語を使わないところから始まるかもしれませんね?
 

そのまま通じるカタカナ用語

ここまで、完全に和製のカタカナビジネス用語を紹介したので、ここからは通じるカタカナビジネス用語も見ていきましょう。
 

アサイン

「ディレクターにアサインされた途端、出張ではビジネスクラスでアサインされたよ」のように、「任命する」「割り当てる」といった日本語の代わりとして「アサイン」が使われています。

この英語の “assign” は、日本のビジネスカタカナ用語と同じ用いられ方をしています。が、英語の方はさらに違う使い方もされています。

My boss has assigned the due date for the delivery of the task.
「私の上司はその仕事の期限を指定してきた」

この場合、「(日にちを)指定する」という用いられ方です。

My boss assigned next Monday for the next meeting.
「私の上司は次の会議を来週の月曜日に決めた」

この場合、「決定する」という意味です。

また、IT用語では「(数値や値を)割り入れる」という意味でも用いられます。

The administrator assigns a password.
「管理者がパスワードを割り入れる」

そして、法律用語では「譲渡する」もこの “assign” です。

I shall assign the landed estate to my son.
「私はこの所有地を息子に譲渡します」

つまり、“assign” は日本のカタカナ用語として使われている「アサイン」よりももっと幅広く使われているんですね。
 

イシュー・プロブレム

「問題」「課題」を指すカタカナ用語として、「イシュー」を使うことがあります。

「そのイシューに関しては、来週までに社内で議論する予定です」といった具合です。

まさに解決策を必要としている「問題」をあらわしていますよね。英語の “issue” から来ていて、英語の使い方はカタカナ用語と同様です。

でも、「問題」といえば、カタカナ用語としても使われる「プロブレム」、英語の “problem” もあります。どう使い分ければよいのでしょうか?

“issue” は解決策を必要とする課題であるのに対して、“problem” は直接的に害のある問題を指します。

「売上が停滞している」のは「イシュー」として取り扱うべき課題で、「工場の機械が故障した」事実は「プロブレム」として解消しなければならない問題です。

ちなみに “issue” は動詞になると、「出版する」「発行する」「支給する」というまったく違う意味になるのでお気をつけください。
 

ネック・ボトルネック

カタカナ用語では「ボトルネック」よりも「ネック」の方が良く使われますね。

「そこがネックなんだよなー」なんていう発言、ビジネスシーンではよく耳にします。

これは、ビジネスを進める上で、ある目標達成を困難にさせる問題や障害のことを指します。この「ネック」、実は「ボトルネック」の略語です。

ワインボトルのようなものを想像いただければ分かりやすいのですが、ワインボトルは、いっぺんにボトル内のワインが出てこないようにする為にボトルの注ぎ口は細くなっています。

液体を注ぐにはもってこいの「ボトルネック」。ただし、ビジネス界の「ボトルネック」は、生産プロセスやビジネス戦略遂行に当たってその進行を妨げるような障害や状態を意味します。

英語は “bottleneck” で「瓶の首」を意味しますが、カタカナ用語と同様の使い方をされます。

The decrepit machines are a bottleneck in production.
「老巧化した機械は生産におけるボトルネックだ」

他にも英語の “bottleneck” は「交通渋滞の詰まっている場所」「狭い通路」という意味でも使用されています。
 

ビジネス用語の略語

「リスケ」「コンプラ」「リストラ」など、ビジネスでは様々な略語カタカナ用語が使われています。

カタカナ略語元の言葉英語
リスケ
(再調整する)
リスケジュールreschedule
コンプラ
(遵守)
コンプライアンスcompliance
リストラ
(解雇・再構築)
リストラクチャリングrestructuring
ゼネコン
(総合建設業)
ジェネラルコントラクターgeneral contractor
(*1)

*1…たまに “general constructor” の略と間違えられますが、「コンストラクター」ではなく、「コントラクター」です。

これらの短縮カタカナ用語の用い方、意味は本来の英語と同じです。

ただし、“resche” と英語で言っても通じません。略さずに “reschedule” と言ってください。

「リストラ」も “restructuring” と長い単語ですが、略さずに伝えましょう。

I encountered restructuring last month.
「私は先月リストラされました」

「リスケ」や「コンプラ」のような短縮形単語はあまり英語では見受けられません。

ただし、頭文字などをとってメール等で使用することはあります。

略語意味和訳
attnfor the attention of〜宛て
cfmconfirm確認する
ASAPas soon as possible出来るだけ早く
FYIfor your information参考までに
etc.,et cetera(フランス語)その他
cf.confer(ラテン語)参照

 
 

使わないほうが無難な略語

たまにビジネスメールなのに、友達へのチャットをしているのではないか?と驚かされる略語を目にすることがあります。

次の略語はビジネスでは使わないように気をつけましょう。砕けた感があります。

略語意味和訳
Plspleaseお願い
Thnxthanksありがとう
CUsee youまたね!

基本、ビジネスでは略語を使わない方が無難です。

丁寧さに欠ける印象も与えるので、特にクライアントや外部の人との英文メールは略語を避けることをオススメします。
 

その他よく使われるカタカナ用語

最後に、ここまでで紹介できなかった、日本でよく使われるカタカナビジネス用語について表にまとめてみました。

英語でそのまま使えるのか、英語ではどのように言うのが自然なのか、ぜひ参考にしてみてください。


 

まとめ

いかがだったでしょうか?

カタカナ用語は和製であっても本来の英語と同じ意味を持っていたとしても、日本のビジネス社会に浸透して使用されていますから、積極的にさまざまなビジネスシーンで使っていきたいですね。

ただし、「英語の分かる出来るビジネスパーソン」として、本来の英語の意味やカタカナ用語と英語との違いを理解できていると、ぐっと出来る度が上がること間違いなしです。

新しいカタカナ用語に出会ったら、日本で使われている意味と本来の英語の意味を調べてみてください。面白い発見ができるかもしれません。

それでは、CU! おっと失礼、See you !