ササキ ノノカ
(更新)
急に決まった海外出張。パッキングや資料づくり、英語でのプレゼンの準備に手間取ってしまい、現地のビジネスマナーをチェックするところまでは手が回らず……という経験のある人は多いのではないでしょうか。
語学はもちろんですが、ビジネスにおけるマナーも商談の成否を分ける重要なポイント。おざなりにはできません。
そこで今回は、知らなかったじゃ済まされない、英語圏の意外なビジネスマナーをご紹介します!
有名な話ではありますが、アメリカでは名刺を渡す前に握手をする習慣があります。
握る力も気をつけるポイントの1つ。相手より握る力が弱いと気持ちが入っていないように見えてしまい、逆に強いと威圧感を与えてしまいます。
また、女性に対しては少し弱めに握る、あるいは相手から握手を求められるまではしないなど、レディーに対する気遣いも求められます。慣れるまでは少し難しいかもしれませんね。
日本では会議室などに入ったとき、部屋にいる全員に向かってあいさつをしますよね。しかし欧米諸国では、個別にあいさつをしないのは無礼にあたります。
あいさつもコミュニケーションの一環だと考え、しっかりとアイコンタクトをとりながら、一人ひとりに「グッドモーニング」と話しかけることが重要なのです。
一人ひとりに声かけをしたときにする、他愛のない会話を適当にしてはいけません。
これは「スモールトーク」と呼ばれるもので、ビジネスシーンではあいさつと同じくらい重要なもの。
がんばって気の利いた言い回しをする必要はありません。「相手からの質問に対して “Yes” “No” で返事して終わり」にはせず、会話を続ける意識を持ちましょう。印象がグッと良くなり、その後のやりとりもスムーズになります。
ビジネスに限ったことではありませんが、友好的な印象を与えようと無意味にニコニコすることも避けましょう。表情から感情をダイレクトに読み取ろうとするアメリカ人にとって、無意味な笑いは不気味に思えてしまうからです。
現地の人がどれだけ不自然に思っているかというと、アメリカのビジネスマナーの本に「日本人は無意味に笑うことがある」とわざわざ書かれているほど。無意味な笑いが大きな事態に発展することはありませんが、心象はあまり良くないので意識しておいたほうが無難です。
家庭やプライベートの時間を大切にするアメリカ人は、仕事の打ち合わせを夜まで持ち込むことがほとんどありません。そのため、先方からホームパーティーに招待される場合を除いては、夜に打ち合わせを入れさせてもらうのは失礼に当たります。
会食をしながらの打ち合わせとしては、ランチや、場合によっては朝食を一緒にとることもあるそう。最初は戸惑うかもしれませんが、慣れればプライベートの時間をきちんととれる、効率的な習慣かもしれませんね。
会議中など、真剣に考え込んでいるときほど、何気なくしてしまいがちな腕組み。しかし、アメリカで腕組みは「敵対」を意味するのです。
考えているときにどうしても腕組みをしてしまう方は、他のポージングの癖づけを意識したほうが良いかもしれませんね。
現地に赴く場合は特に、「何かお土産を……」と考えるかと思います。しかし、国によって贈り物に関するタブーがあったりします。
アメリカだと、ワインや花束が一般的な贈り物とされていますが、白いユリはタブー。イギリスでは白いバラがNGです。
その他、ビジネスシーンにおけるプレゼント自体、あまりよく思われない場合もあるようなので、その国の風習は事前によく調べてから行くようにしましょう。
英語圏への出張となると、どうしても語学に重きを置きがち。でも、いくらトークが完璧でも、マナー1つ間違えたばかりに誤解が生まれてしまっては台無しです。
英語の勉強ももちろん大事ですが、マナーもしっかりカバーしてビジネスに臨みたいものですね。