西東 たまき
(更新)
今回は、「こちらの〇〇にあるように~」のように、何かを引き合いに出すときに使える英語表現「as in」について取り上げます。
as a leader「リーダーとして」、as soon as possible「できるだけ早く」、as of today「今日の時点で」などでお馴染みのように、「as」はいろいろな使い方がある英単語です。
しかも、どれもよく出て来るので、ぜひ覚えておきたいものばかり。今回のテーマ「as in」もしかり。
使い方を身に付けるには、実際に使ってみるのが一番ということは、もうご存知ですよね。この機会に「as in」の使い方もマスターしましょう!
as in という英語フレーズの意味と使い方を説明するにあたり、意味を理解しやすくなるよう、馴染みある言い換え表現を挙げながら進めていきますね。as in のイメージが掴みやすくなるかと思います。
さて、as in を自然な日本語で理解しようとすると、いくつかの異なる日本語表現になります。
ややこしくなりそうだと思うかもしれませんが、as in が文字通りに示す「~にあるように」という基本的な意味合いを頭に入れていれば、どれも自然に受け止められるはず。
まずは、一番シンプルかつ便利な使い方をご紹介しましょう。
たとえば、「伊東」という漢字表記を人に伝えるとき、「伊豆の『伊』、東西南北の『東』です」のように言ったりしますよね。
アルファベットの場合は「インドの『I』、東京の『T』、大阪の『O』」などのように伝えます。
聞き違いを防ぐためのこういった例えを一覧表にしたものは「フォネティックコード/phonetic alphabet/通話表」と呼ばれています。
相手に通じやすい英単語に例えることができれば何でも良いのですが、定番のパターンもいくつかあります。
たとえば、ミリタリー映画などでは「A、B、C」を「Alfa、Bravo、Charlie」と表現するバージョンを聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
as in の使い方の一つは、こうしたフォネティックコードを使って英語表記のスペルを伝えるときです。
初対面の人に名前を紹介したり、電話でスペルを説明したりするときは欠かせません。
「インドの『I』、東京の『T』、大阪の『O』です」
なお、as in 以外に for を使うことも多いです。上記の例を言い換えてみましょう。
「インドの『I』、東京の『T』、大阪の『O』です」
「~にあるように」=「~の通りに、~にある通りに」と解釈し、次のように使うこともできます。
as と in の間に、何かが示されていることを意味する shown、appear、written といった類の言葉が省略されていると考えれば分かりやすいでしょう。
「免許証の通りに住所を書いてください」
「パスポートにある通りに名前を記入してください」
「この手順書にある通りの順序に従ってください」
「~にあるように」をさらに広く柔軟に解釈して、「~に見られるように、~から分かるように」とほかの例を引き合いに出す意味で使ったりもします。
「多くのケースで見られるように…」
「これらの例から分かるように…」
ちょうど、like「~のように、~と同様に」の代わりのように取れる使い方もあります。
「ハンガリーでは、日本と同様に名字が名前の前に来ます」
ほかにも、in the sense of のニュアンスで使われることもあります。「~の感じで、~の意味合いで」という意味になります。
「『ケ・セラ・セラ/なるようになれ』って感じの気分だよ」
さらには、in other words のニュアンスに取れる使い方も。こちらの場合は「つまり、言い換えると」という意味になります。
「私が言っているキリマンジャロというのは、つまりコーヒーのことだからね、山のキリマンジャロではなくて」
以上、英語フレーズ as in にはいろいろな意味を見出すことができましたが、文字通りの意味「~にあるように」の解釈を広げて考えるようにすれば、どれも腑に落ちるのではないでしょうか。
何かを説明するとき、「~にあるように、~のように」と参照例を用いて伝える方法は、相手の理解を促すのにとても役立ちます。
1つの表現で何通りもの意味を持つ英語表現は覚えるときはややこしいかもしれませんが、一度覚えてしまえば効率がいいですね。
ぜひ活用してみてください!