Yoko
(更新)
"can" も "be able to" も、どちらも「〜できる」を表す英単語。どちらも中学英語で教わるごくごく基本的な表現です。でも、こんな疑問を抱いたことはありませんか?
この2つ、何が違うんだろう……と。
同じ意味なら、単語も一つだけでいいはず。でも、実はどちらか一方しか使えない場合もあるのです。今回は、そんな "can" と "be able to" の使い分けをまとめました。
"can" と "be able to" はどちらか一方しか使えない場合と、両方使えるもののどちらかがより好んで使われる場合とがあります。
それぞれの場合での使い方を順番に見ていきましょう。
現在形で「〜できる」を表す場合には基本的に "can" も "be able to" も両方とも使うことができます。ただし、口語では "can" が使われることが圧倒的に多く、"be able to" はほとんど使われません。
下の2つの例文をみてもわかるように、会話では "can" を使ったほうがすっきりしていてナチュラルです。
[彼は泳げます」
「私は5カ国語を話すことができます」
次に、"can" で表すことが多いのはどんな場合か見てみましょう。
冒頭で紹介した、現在形の「〜できる」には本来なら "can" も "be able to" も両方使えるはずですが、そのなかでも特に以下の場合は、一般的に "can" で表すほうが多いんです。
「チケットはインターネットで購入することができます」
「この製品は電子レンジが使用できます」
「この部屋は200人まで収容することができます」
「このホッチキスは50枚まで留められます」
"can" が使えず、必ず "be able to" を使う場合をみてみましょう。以下の4つのパターンがあります。
"can" は "I will can 〜" のように、助動詞の後ろで使うことはできません。will, should, would, must, may, might などの助動詞と一緒に使う場合には必ず<助動詞 + be able to>の形になります。
「私は明日のミーティングに出席することができますよ」
「(募集要項で)応募者は流暢なフランス語を話せなくてはいけません」
"can" は "to can" といった使い方ができないため、"to" の後ろで使う場合は必ず<to be able to>になります。
「私は英語を流暢に話せるようになりたい」
「ギターを習得するのに楽譜が読める必要はありません」
完了形は<have/had + 過去分詞>で表しますが、"have" や "had" の後ろに "can" を持ってくることはできません。したがって、ここでは必ず<have/had been able to>になります。
「昨日の夜からずっとFacebookにアクセスできないんです」
「彼女はこのところあまり食べれてないんです」
過去に「〜できた」という一回限りの動作を表す場合には "can" の過去形である "could" は使えません。この場合には必ず "was/were able to" で表します。
「彼女は卒業後、ニューヨークで仕事を見つけることができた」
「飛行機では少し寝ることができました」
過去の「〜できた」は、日本人が特に間違えやすい表現なので、次の章でさらに詳しく解説します。
「〜できる」の過去形は「〜できた」ですよね。
実は "can" と "be able to" の使い分けで最も注意しなくてはいけないのは、現在形の「〜できる」ではなく、過去の「〜できた」を表すとき。
"was/were able to" しか使えない場面にも関わらず、多くの人が "could" を使ってしまっているミスが起こりがちです。
ここからは "could" と "was/were able to" の使い分けを見ていきましょう。
過去に持っていた能力を「〜できた」という場合は、一般的に "could" で表します。
「私は生後10ヶ月のときに歩くことができた」
「姉は若いときにはスペイン語を話せた」
see, hear, feel, smell, taste などと一緒に使って表す過去の「〜できた」も "could" で表します。
「ホテルは素晴らしく、バルコニーからは海が見えた」
「通りの向こう側からこの花のいい香りがしたよ」
過去に「〜できた」という一回限りの動作・出来事を表す場合は必ず "was/were able to" で表します。ここで "could" は使えません。
"could" は過去のある期間、継続して「〜できていた」という能力を表すのに対し、"was/were able to" は過去のあるときに「〜することができた」という、その場限りの成功を表します。
ここで、先ほど紹介した例文をもう一度見てみましょう。
「彼女は卒業後、ニューヨークで仕事を見つけることができた」
「飛行機では少し寝ることができました」
どちらも過去の継続した能力ではなく、一回限りの「〜できた」という成功を表していますよね。ですので、"was able to" が正解です。
また、「(なんとか)〜することができた」というニュアンスを表す場合には "was/were able to" の代わりに "managed to" が使われることもよくあります。
「飛行機の中では何とか少し寝れましたよ」
「彼は何とかギリギリでバスに間に合った」
"was/were able to" しか使えない、一回限りの動作・出来事を表す場合でも、否定形になると "couldn't" を使うことができます。
「彼女は卒業後、仕事を見つけることができませんでした」
「飛行機の中では寝られませんでした」
日本人からするとなかなかニュアンスをつかみにくい"can" と "be able to" の違い。
"be able to" で表す場面で "can" を使っても、相手が汲み取ってくれるかもしれませんが、きちんと使い分けできたほうが、ぐっとネイティブ表現に近づきます!
"can" や "could" は普段からよく使っていても、"be able to" はあまり使いこなせていない……という方は、今回紹介した使い分けをマスターして、すっきり使い分けてくださいね。