SHIORI
(更新)
「〜が好きだ」「〜が大好きだ」という表現は、日常会話の中でよく使われています。
自分の好みを相手とシェアしたいときや、自分のことをもっと知ってほしいときなどに使われ、相手との会話を広げたり距離を縮めたりするときに便利な言葉です。
日本語の「好き」には、いろいろなニュアンスや意味合いがあり、言い方によって「好き」の度合いを表したりすることもできます。
それは、英語も同じ。
英語で「好き」は like と表現されることが多いですが、実は like 以外にも「好き」を表す英語表現はたくさんあり、それぞれ少し違ったニュアンスや好きの度合いを表すことができます。
今回は、like 以外にも使うことができる「好き」「大好き」の英語表現を、基本とスラングにわけて紹介していきたいと思います。
日本語の「好き」に一番近い英語表現で、人や物、環境や状態など、幅広い範囲で使われます。
あまり強い感情は表しませんが、単純に「〜が好きだ」という意味で使われる王道な英語表現になります。
「ビーチに行くのが好きだ」
「彼女が好きだ」
ここでの like は恋愛感情というよりも、ただ単に彼女(キャラクターなど)が好きというニュアンス。
prefer は「好む」という意味の動詞で、何か別のものと比較をした上でどちらかの方を好むという英語表現になります。
prefer だけでも相対的に好きというニュアンスになりますが、prefer A to B「BよりもAの方が好き」という使い方が一般的。
「犬よりも猫の方が好き」
「紅茶とコーヒーどちらが良い(好き)ですか?」
like よりも感情が強い「好き」を表し、日本語でいう「大好き」や「愛している」という英語表現になります。
「彼を愛している(大好き)」
「映画見に行くの大好きなんだよね」
love を使った表現で、in love with という英語表現があります。
「〜に惚れている」や「〜に恋している」という意味ですが、恋愛感情以外にも使うことができ、そのものが大好きで虜になっている様子を表すことができます。
「あなたの(作った)クッキー大好きなの!」
ネイティブは、「お気に入りの」という意味の favorite を使うことで「好き」を表すことがよくあります。
「何色が好きなの?(何色がお気に入り?)」
「それ好きなの!」
be interested in 〜で、「〜に興味(関心)がある」という意味になり、自分が好きで興味関心のあるものを表現するときに使われます。
「私日本の歴史にすごい興味あるんだよね」
「チェスに興味があるんだよね。(そういうの)好きだと思う」
日本人は、ある特定の芸能人やスポーツが好きで、応援してるような人達のことを「ファン」と表現しますよね?
英語でも同じように使われ、ネイティブは a big fan of 〜「~の大ファン」という英語表現で自分が大好きなものを表します。
この英語表現はスポーツや人に関係なく、何に対しても使うことができます。
「甘いものが大好きなんだ(スイーツの大ファン)」
「私のお母さん、韓国ドラマが大好きなんだ(韓国ドラマの大ファン)」
into には、外から中に入っていくイメージや中に飛び込むイメージ、のめり込むイメージがあります。
そこから、「~に熱中している」や「~にはまっている」という意味で使われます。
熱中するほど好きという英語表現なので、もちろん好きの度合いも大きいです。
「彼女は最近料理にはまっている」
「彼女は彼に熱中している」
passionate には「情熱的な」や「熱烈な」という意味があります。
興奮するほど/情熱を注ぐほど大好きな様子を表すことから、be passionate about は、「〜に夢中である」や「〜に熱心である」「〜が大好きである」という意味で使われます。
「私は仕事に夢中です(熱心です)」
「彼は野球に夢中です」
passion は「情熱」という名詞です。
名詞を使うことで文法が少し変わりますが、表現としては be passionate about にとても近いです。
have a passion for は直訳すると「〜のために情熱を持っている」になり、「〜に凝っている」や「〜が大好きである」、「〜に夢中になる」や「〜に目がない」という意味で使われます。
「私はファッションが大好きです」
「私は昔から歌うことが大好きだった」
アルコールやタバコなど、中毒性が高いもののトピックでよく addiction「中毒」という単語が使われていますが、その形容詞形 addicted を使って「好き」を表すこともできます。
常習してしまうほど/中毒になってしまうほど/やめられないほど大好きな様子を表し、addicted to で、「〜に夢中になる」や「〜にどハマりしている」という意味で使われます。
とてもカジュアルな英語表現です。
「私はこの匂いに夢中だ」
「私はこの音楽にどハマりしている」
be obsessed with には「〜に取り憑かれた」という意味があります。
取り憑かれたようにどハマりしている様子や、頭がいっぱいでそれ以外のことが考えられないくらい好きな様子を表し、「〜が大好きである」や「〜にハマっている」、「〜に夢中である」、「〜の虜だ」のような意味で使われます。
ポジティブな意味で使うこともできますが、もともとの「取り憑かれた」という意味からネガティブな表現としても使われることもあります。
カジュアルにもフォーマルにも使える英語表現です。
「このローションにハマっているの(大好きなの)」
「私の娘ったらあなたが誕生日にくれたおもちゃに夢中なのよ」
attached には、「くっつける」や「取りつける」という意味があります。
好きすぎてくっついていたい/離れないというニュアンスから、「(好きすぎて)手放せない」や「大好きである」「夢中である」などの意味として使われます。
「彼は新しいコンピューターに夢中だ」
「彼女はケータイが手放せない」
cherish は「(愛情を込めて)大事にする」や「可愛がる」という意味を持つ動詞です。
その意味のとおり、愛情を持って大切にしている様子や、大事に可愛がるくらい大好きで仕方のない様子を表します。
「彼女は彼女の犬を大事にしている/可愛くて仕方がない」
「あなたからのプレゼント大切にするね」
treasure は一般的に「宝物」という意味として知られています。
名詞を使って「これは私の宝物です」と表現することで、宝物にしてしまうくらい大切で気に入っている様子を表すこともできますが、この単語を動詞として使うことにより、「(宝物のように)大切にする」という意味にもなります。
「あなたをずっと大切にします」
「一緒につくった思い出を大切にしているよ」
fond は「好んで」や「情け深い」「優しい」「愛に溺れた」などという意味を持った形容詞です。
be fond of は「〜が(大)好き」という意味の熟語ですが、親が子に愛情を持つような、強い関心を表します。
「彼女は孫娘を溺愛している」
「私の兄は車をこよなく愛している」
adore は「崇拝する」「敬愛する」「憧れる」「溺愛する」というような意味を持つ動詞です。
深い愛情を持ち、尊敬するほど好んでいる様子を表現します。
「彼女は息子を溺愛している」
「私は姉に憧れている」
ちなみに、可愛くて仕方のないもの(動物や赤ちゃんなど)を見たときには、adore の形容詞 adorable が使われ、「めっちゃ可愛い」という意味の英語表現になります。
「あなたのワンコめっちゃ可愛い!」
appeal には「懇願する」や「頼む」という意味もありますが、「魅了する」という意味もあります。
日本語でも、誰かに何かをアピールするという表現が使われますよね?
英語では、この appeal(アピールする)を使って、その人にとってそれが好みなのかそうでないのかを表すことができます。
「この車は気に入らないな」
「この歌詞めっちゃ刺さる(すごく素敵)」
keen には「鋭い」という意味の他にも、「熱心な」という意味があります。
熱心なほどに好きな様子を表し、「夢中である」や「大好き」という意味として使うことができます。
「彼女はパン作り/焼き菓子作りにハマっている」
「彼はバスケの試合に夢中だ」
die (for) は直訳すると「〜のために死ぬ」。
直接的な「好き」という表現ではありませんが、命さえも捨ててしまえるほど気に入っている様子や強い憧れ、切望している様子を表すことができ、使い方によっては「好き」と同じように使うことができます。
「ビヨンセに会えたら死んだっていい」
「このクッキー死ぬほど美味しい!」
crazy は一般的に「気が狂った」や「突拍子もない」という意味で使われることが多いですが、この単語を使って「好き」を表すこともできます。
気が狂ってどうかしてしまうほどに好きである様子や熱狂している様子を表し、「夢中になる」や「〜に目がない」という意味で使われます。
「私は彼に夢中です」
「彼女は編み物に夢中です」
mad も crazy 同様、「気が狂った」という意味があり、be crazy about とまったく同じ意味で使われます。
また、mad には「怒って」や「頭にきて」という意味もあります。
似たような英語表現ですが、be mad at と言ってしまうと「〜に怒っている」というまったく違う意味になるので、間違えないようにしましょう。
「私は甘いものには目がない」
「彼女は動物に目がない」
hooked on は addicted to とまったく同じように使うことができる英語表現で、中毒性のある「好き」を表します。
2つセットで覚えておくと良いでしょう。
「ソフトクリームにマジでハマってる」
「この本にどハマりしている」
イギリスでは昔から紅茶を好んで飲む風習があり、tea を使用したイディオムがたくさんあります。
one’s cup of tea はそのたくさんある英語表現の1つで、人それぞれお茶の銘柄や飲み方に好みがあることから、それが自分好みなのかそうでないのかを表す英語表現として使われています。
「気に入ったもの」や「好物」という意味があります。
「それは私の好みじゃないわ/そういうの好きじゃないんだよね」
「走ることが好きだ」
tickle one’s fancy を直訳すると「(人)の空想をくすぐる」という意味になります。
そこからもなんとなく意味が読み取れるように、自分の好きなものなどを見せられたりして気持ちをくすぐられ、それがすごく欲しくなるような感覚を表します。
日本語でいう「(興味を)そそる」や「気に入る」「(人)にとって魅力的である」という意味になります。
「チョコアイスは今すっごくそそるなあ(チョコアイスが食べたい)」
「あのジョークすっごい好き!(気に入った!)」
直訳すると、「かかとより頭が上」になり、もともとは「逆さま」という意味で使われていました。
しかしそれが次第に異性に夢中である様子や何かに惚れ込む様子を表すようになり、日本語でいう「〜にぞっこんしている」や「〜にすっかり夢中」という意味で使われるようになりました。
「私は彼にぞっこんです」
「観客全員が美女と野獣のミュージカルにすっかり夢中です」
dig は一般的に「掘り起こす」という意味で使われていますが、スラングで使われる場合、「理解している」や「好き」という意味があります。
「あなたの服装好きだわ」
「彼は彼女をわかっている」
all about を直訳すると「〜に関すること全て」になりますが、スラングで使われる場合はさまざまな意味があります。
今回紹介する all about は、「〜が好き」という意味として使われています。
「無料のものをもらうのが好き!」
「私の息子はあの新しいバンドが大好きです」
nuts と聞くと、木の実のナッツを想像する人が多いと思いますが、アメリカではスラングとして違う意味で使われることが多くあります。
nuts は基本的に「頭がおかしい人」や「狂っている人」「馬鹿げている」というネガティブな表現として使われることが多いです。
一方で、about をつけることによって、頭がおかしくなってしまうほど夢中になっている様子を表す「〜に夢中」や「〜にメロメロ」という意味を表すこともできます。
「この子犬にメロメロなの!」
「私の子供ったらパワーレンジャーのことになると夢中になるの」
いかがだったでしょうか?
「好き」は like だけでなく、たくさんの表現の仕方があることが分かったと思います。
直接的に「好き」という意味でなくても、「好き」を表す英語表現は無限大にあります。
まずはこの記事でご紹介した「好き」の英語表現をできるだけ多く使ってみてください。
表現の仕方で「好き」の度合いの違いを表せるようになると、英会話がもっと楽しくなること間違いなしです!