Yoko
(更新)
英語を話すときは日本語を直訳してはいけないとよく言われます。しかし、慣れないとやはり頭の中で「日本語→英語」の変換をしてしまいますよね。
そこで今回は、日本人が間違いやすい “直訳注意な英語表現” を10つご紹介したいと思います。
英語で「飲む」といえば “drink” ですよね。ジュースを飲むのもお酒を飲むのも、もちろん “drink” で表すことができます。
しかし、同じ「飲む」でも “drink” が使えない場合もあるんです。それは「スープを飲む」とき。
私は寒い日にスープを飲むのが好きです。
× I like to drink soup on a cold day.
◯ I like to eat/have soup on a cold day.
“drink” は「飲む」と訳されますが、実はそこには「液体を口に入れて噛まずに飲み込む」という意味があります。それに対して “eat” には、「食べ物を口に入れて噛んで飲み込む」という意味があるのです。
したがって、スープボウルに入った具のあるスープを「飲む」には “eat” を使うのが正解。具がなく、噛む必要のないサラサラのスープを「飲む」場合には “drink” を使う人もいますが、一般的には “eat” で表します。
スープだけでなく、錠剤や顆粒などの「薬を飲む」場合にも “drink” は使いません。
1日2回、この薬を飲んでください。
× Drink this medicine twice a day.
◯ Take this medicine twice a day.
“drink” の「噛まずに飲み込む」という定義に当てはまるように思えますが、基本的に “drink” は液体にしか使えません。
そのため、液体の飲み薬の場合には “drink” が使われることもあります。
時計や冷蔵庫などが機能していることを表す場合に、日本語では「動いている」という表現をしますよね。
「動く」を意味する代表的な英単語と言えば “move”。でも、時計や冷蔵庫などの機械や設備が「機能する」という意味の「動く」には、“move” は使えません。
ウチの冷蔵庫、ちゃんと動いていないんだ。
× My fridge is not moving properly.
◯ My fridge is not working properly.
“move” は「位置が変わる」という意味の「動く」にしか使いません。時計も冷蔵庫も勝手には移動しないですよね。
機械や設備が「機能する」を表す単語は “work”。混同しないようにしましょう。
友達に「今週末、遊ばない?」と言いたいとき、“play” という単語を使っていませんか? 実は、大人同士が「遊ぶ」場合に “play” は使わないのです。
今週末、遊ばない?
× Why don't we play this weekend?
◯ Why don't we hang out this weekend?
“hang out” は「楽しい時間を過ごす」といったニュアンスの、とてもカジュアルな言い回しです。大人(特に若者)が友人と「遊ぶ」場合によく使われます。
人の家でトイレを使いたいとき、日本語では「トイレを借りていいですか?」と言いますよね。でも、英語ではトイレを「借りる」を直訳してはいけません。
トイレを借りていいですか?
× Can I borrow your toilet?
◯ Can I use your toilet?
借りて持っていけるものにしか “borrow” は使いません。本やペンを「借りる」は “borrow” でOKですが、トイレは借りて持っていくことができませんよね。
トイレを「借りる」には “use(使う)” が適切です。
お風呂から出たら体を拭きますし、食器を洗った後にも手を拭きます。そんな「拭く」も、実は直訳注意な表現です。
シャワーの後は体を拭きなさい!
× Wipe yourself after a shower!
◯ Dry yourself off after a shower!
「拭く」は “wipe” という単語がよく知られていますが、これは汚れなどを「拭き取る」場合によく使われます。水分を拭き取って乾燥させる「拭く」には “dry” を使うのでご注意を。
「言う」を意味する代表的な英単語は “say” ですが、これも全ての「言う」に使えるわけではありません。日本人は、以下のような場合に間違えやすい傾向にあるので注意しましょう。
彼は冗談を言ったけど、誰も笑わなかった。
× He said a joke but nobody laughed.
◯ He told a joke but nobody laughed.
「冗談(ジョーク)を言う」では “say” を使わずに、「何か情報を相手に伝える」というニュアンスの “tell” を使います。同様に「噓を言う(つく)」も “say a lie” ではなく “tell a lie” なので、合わせて覚えておきましょう。
学校の先生が生徒に「教える」のは “teach” ですが、「◯◯までの行き方を教えて」や「本当のことを教えて」に “teach” は使いません。
郵便局までの行き方を教えてもらえますか?
× Can you teach me how to get to the post office?
◯ Can you tell/show me how to get to the post office?
“teach” は学問や知識を授けるという場合の「教える」にのみ使われます。道を教えたり、本当のことを教えたりというような「情報を教える」場合には、“tell” が使われます。
日本語では「10時に寝る」も「10時間寝る」も「寝る」という表現には変わりありません。でも、英語では「就寝する」と「眠る」を区別する必要があるんです。
昨日は10時に寝たよ。
× I slept at 10pm last night.
◯ I went to bed at 10pm last night.
「(10時間)眠る」は “sleep (for ten hours)” で表せますが、「床につく」「就寝する」という意味合いの場合は “go to bed” になります。
似ているけど微妙に違う2つのものがあり、「これらの違いが分かりますか?」と言うときの「分かる」。これを英語にするとき、“understand” を使ってはいませんか? “understand” も実はオールマイティーではないのです。
これらの違いが分かりますか?
× Do you understand the difference?
◯ Can you tell the difference?
“understand” には、話の内容・言葉・状況などを「理解する」というニュアンスが根本にあります。「英語が分かりません」は “I don't understand English.” で表すことができますが、例文のように「〜だと分かる」や「違いが分かる」には“understand” を用いません。
直訳注意な英語表現、いかがでしたか? 今回は特に日本人が間違いやすい代表的なものを厳選してご紹介しました。
たとえ間違えて直訳してしまっても、相手に伝わらないことはありません。神経質になりすぎず、積極的に話す姿勢を大切にしましょうね。