DMM英会話ブログ編集部
(更新)
英語の日常会話にはイディオム(慣用句)がたくさん散りばめられていますが、なんとなく聞き流してはいませんか?
厳選イディオムシリーズ 第1弾・第2弾に引き続き、今回もアメリカの英語話者がよく使うイディオムを15本ピックアップしてみました。
どれかひとつでもしっかり覚えて、実際に使ってみてください。イディオムは自分で使ってこそ本当の意味で身につきます。そして、会話がぐんっとナチュラルになりますよ。
〈参考〉
・日常会話が格段にスムーズ!ネイティブも御用達な “使える英語慣用句” 厳選13
・日常会話に役立つ英語慣用句!これだけは覚えておきたい厳選13イディオム【第2弾】
Let's get started!(さあ、始めましょう!)
決定的な証拠
《例文》
A:Hey, Brook! I just saw Jake and Madison kissing in the library!
B:What? I knew it! He's cheating on me! That's a smoking gun!《日本語訳》
A: ちょっと、ブルック! さっき図書館でジェイクとマディソンがキスしているの見ちゃったわよ!
B:何ですって? 彼が浮気してるのは知ってたわ! それ(キス)は動かぬ証拠よ!
“smoking gun(銃口から煙が出ている銃)” は、その銃が発射されたことをはっきりと物語っています。つまり「決定的な証拠」のこと。
物騒なイディオムですが、西洋が昔から銃社会であることの “smoking gun” なのでしょうね。
《例文》
A:My boss is retiring next week. I don't know if we can finish the project without her.
B:Don't worry. You can fill her shoes.《日本語訳》
A:来週、上司が引退するんです。彼女不在で、我々だけでプロジェクトが完遂できるか分かりません。
B:心配しないで。あなたは十分、彼女の後任になれますよ。
単に誰かの後任や代役になるだけでなく、その役割を十分に果たすことを意味します。果たす責任が大きな場合は “shoes” も “big shoes” となり、
などと言います。
《例文》
A:The U.S. has put boots on the ground in Syria.
B:Really? I don't think it will work.《日本語訳》
A:アメリカは地上部隊をシリアに派兵したよ。
B:本当? うまくいくとは思えないなぁ。
このイディオムの “boots” は「軍靴(ぐんか)」を指し、それが “on the ground” にあるので、つまり地上軍という意味になります。アメリカのニュースではかなり頻繁に使われるフレーズです。
《例文》
A:Look at the window, it's a pouring rain.
B:It caused by Hurricane Joaquin, I guess.《日本語訳》
A:窓の外を見て! どしゃ降りだよ。
B:ハリケーン・ホアキンの影響だと思うよ。
大雨を表すフレーズには他に “hard rain” や “heavy rain” もありますが、筆者が中学で習った “raining cats and dogs” というイディオムは、今のアメリカではほとんど聞きません。
《Tips!》
アメリカ・大西洋側は6月~11月がハリケーン・シーズン。各ハリケーンの名前はあらかじめアルファベット順、かつ男女の名が交互に付けられます。今年の “J” で始まる名前は男性名の “Joaquin” でした。スペイン語なので「ホワキン」と発音します。
※ 2015ハリケーンの名前(Q, U, X, Y, Zは無し)
Ana/Bill/Claudette/Danny/Erika/Fred/Grace/Henri/Ida/Joaquin/Kate/Larry/Mindy/Nicholas/Odette/Peter/Rose/Sam/Teresa/Victor/Wanda
《例文》
A:Are you eating Chips Ahoy? You are supposed to be on a diet!
B:Don't tell anybody. This is my guilty pleasure.《日本語訳》
A:チップスアホイを食べてるの? ダイエット中のはずでしょ!
B:誰にも言わないで。これが私の密かな楽しみなのよ。
「食べたら太る」とわかっていながら食べるクッキーの美味しさは、まさに “guilty(罪悪感)” を伴う “pleasure(喜び)” なのです。
《例文》
A:Our company is not doing great. The new CEO is an expert at cutting budgets...
B:Do the math. There will be a massive layoff soon.《日本語訳》
A:我が社の業績は良くない。新しいCEOは予算削減の専門家……。
B:計算してみろよ(その2つを足して考えてみろよ)。すぐに大規模なレイオフがおこなわれるよ。
“math” は “mathematics(算数、数学)” の短縮型。「算数をする」=「計算する」=「複数の事象を考え合わせて有り得る結果を導き出す」となります。
ギリギリだった、寸前のところだった
《例文》
A:Phew! We almost missed the train!
B:That was close! If we had bought snacks and soda at the stand, we wouldn't be here.《日本語訳》
A:ふぅ! もう少しで列車に乗り遅れるところだった!
B:ギリギリだったね! もし売店でおやつとジュースを買っていたら、私たち乗れていなかったよね。
何かよくないことが起こる間際、なんとかそれを防げた際に、思わず口をついて出るフレーズです。
《例文》
A:Mom, I need your help to find my favorite tee shirt. It's missing!
B:Not now, honey. I'm very busy this morning.《日本語訳》
A:ママ、お気に入りのTシャツを探すの手伝って。見当たらないの!
B:ハニー、今はダメよ。今朝はとっても忙しいから。
何かを頼まれたときに「今はできない」と断るセリフです。ただしそれだけは素っ気ないので、例文のケースであれば
などを言い添えるといいかもしれません。
《例文》
A:Which boxer do you think will win the match tonight?
B:Hope is still high for Floyd Mayweather although he's getting old.《日本語訳》
A:今夜の試合、どっちのボクサーが勝つと思う?
B:フロイド・メイウェザーはまだ十分に望みがあるよ。年齢が上がってきているとはいえ。
“high hopes” だと名詞で「高い望み、野望」という意味になります。こちらは常に複数形です。
《例文》
A:Wow, your grandma is still running a restaurant all by herself!
B:She's not your average 92-year-old.《日本語訳》
A:わぉ、君のおばあさん、まだレストランを自分で切り盛りしているとは!
B:彼女はそこらの92歳とはちょっと違うんだよ。
本来は「君が想像する平均的な92歳ではない」といった意味でしょうか。「ありきたりな人物」という意味の “average Joe” というフレーズがありますが、それを入れた定番フレーズ
もよく使われます。
《例文》
A:Oh, I've got to go. I have a date tonight. Shawn, can you finish the report for tomorrow's meeting and make 35 copies?
B:Screw you, Mike!《日本語訳》
A:ああ、行かなくちゃ。今夜デートなんだ。ショーン、明日の会議用のリポートを完成させて35部コピーしておいてくれる?
B:くたばりやがれ、マイク!
率直に言うと “Fuck you!” のそれほど下品ではないバージョンです。
人前で口にしても大丈夫ですが、丁寧な言葉ではないため、上司やクライアントには当然ですが使えません。ちなみに “screw” は本来「ねじを(ドライバーで)ねじ込む」という意味を持っています。
《例文》
A:What happens to my family if I plead guilty and go to prison?
B:I've got your back, Michael. I'll take care of them.《日本語訳》
A: もしオレが有罪を認めて刑務所行きになったら、オレの家族はどうなる?
B: 私がついているよ、マイケル。家族の面倒は私がみるから。
例文ほど極端なシチュエーションでなくとも、日常生活で親しい誰かがトラブルに遭遇した際に勇気づけるためのセリフです。もちろん言った限りは責任をもって支援しなければなりませんが。
(交換条件付きの)提案がある、こうしよう
《例文》
A:You said one of my students cheated on the test?!
B:Here's the deal, Mr. Brown. You resign. Then I won't mention your name to the media.《日本語訳》
A:私の生徒がカンニングをしたと言うのですか?!
B:こうしましょう、ブラウン先生。辞任してください。そうすればメディアにあなたの名前は出しません。
直訳すると「取引がある」となるように、交換条件のある提案をする際の決まり文句です。
《例文》
A:There are Dos and Don'ts when you date a girl.
B:Like?
A:Dos: say something nice about her eyes, and (etc, etc,...) Don'ts: never criticize her outfit, and (etc, etc,...)《日本語訳》
A:女の子とデートする時にやるべきことと、してはいけないことがある。
B:たとえば?
A:やるべきこと:彼女の瞳について何か褒める(他にも続く)。してはいけないこと:彼女のファッションに決してケチを付けない(他にも続く)
“Do(やるべきこと)” と、“Don't(してはいけないこと)” のリストです。勉強法やビジネスにもたくさんの “Dos and Don'ts” がありますね。
ちなみに、“Dos” も “Don'ts” も複数項目あるため「s」が付きます。
《例文》
A:Dad, I think kids have to study hard but play a lot too to be a kid.
B:Well said, Matt. But it's not supposed to be an excuse to play too much.《日本語訳》
A:お父さん、子どもは一生懸命に勉強しなくちゃいけないけど、子どもらしくあるためにはたくさん遊ばないとダメだとも思うんだよね。
B:よく言った、マット。しかし遊び呆けることの言い訳にしてはいけないよ。
相手の発言が的を得ている際に、同意の相づちとして使います。
いかがでしたか? 日本に「色」や「季節」にまつわる言葉や慣用句が多いように、アメリカには「靴」や「銃」にまつわるイディオムがあります。イディオムを覚えることによってその国の文化まで学べてしまうとは、まさに一石二鳥ですね。
それでは、次回のイディオムシリーズをお楽しみに。
See you around!(またお会いしましょう!)
【目指せ慣用句マスター!】