Yoko
(更新)
英語の会話で相手の言っていることがわからない時、どうしていますか? 「自分の英語力がないせいだ……」などと聞き返すのも相手に悪いような気がしてしまうかもしれませんが、そんなことはありません。
日本語での友達との会話を思い出してみてください。話をしていて聞き取れなかった時に「え? いま何て言ったの?」と聞き返すのは自然なことですよね。これは英語でも全く同じです。聞きとれなかったり理解していないのに話を適当に合わせると、後になればなるほど聞き返しづらくなるものです。できればきちんと聞き返したいですね。
でも「聞き返す」とひとくちに言っても、シチュエーションは様々です。単純に相手の言ったことが聞こえなかった場合と、聞き取れたけれども意味が分からなかった場合では、聞き返すフレーズも変わってきます。
そこで今回は、最適なフレーズで聞き返せるように、以下の4つのシチュエーションに分けて《実践で使える聞き返しフレーズ》を紹介したいと思います!
まずは、相手が言ったことをうっかり聞き逃してしまったり、よく聞こえなかった場合に「もう一度言ってください」とお願いする表現を見てみましょう。
01. "Pardon?"
02. "Sorry?"
03. "Excuse me?"
"Pardon?" はよく習う表現ですね。2つめの "Sorry?" はイギリス英語でよく使われる表現になります。それに対して3つめの "Excuse me?" はアメリカ英語でよく使われる表現です。
ポイントは、どれも語尾を上げて発音すること。そうすると「もう一度言ってください」という意味になります。語尾を下げてしまうと「ごめんなさい」「すみません」といった違う意味に受け取られてしまうので、少しだけ注意が必要です。
"Pardon?" や "Sorry?" などのフレーズを使わなくても、もう一度言ってもらえる方法があります。それは「聞き取れませんでした。もう一度言ってください」とストレートにそのまま伝えることです。
04. "I didn't hear you."
05. "I didn't catch what you said."
06. "I didn't catch that."
"catch" は「捕まえる」という意味だけではなく、「相手が言ったことを聞き取る」という意味でも使われます。
これらの文章の最初に "(I'm) sorry" をつけると「すみません。聞こえませんでした/聞き取れませんでした」という、より丁寧な表現になります。
上記に続けて「もう一度言ってもらえますか?」と言えば、聞き取れなかった文章をもう一度繰り返してもらうことができますよね。ただ、「聞こえませんでした/聞き取れませんでした」と言った後では "Pardon?" 、 "Sorry?" 、 "Excuse me?" は使いません。代わりに「もう一度言ってもらえますか?」を以下のような文章にして伝える必要があります。
07. "Could you say that again?"
08. "Can you repeat what you just said?"
09. "Would you mind saying that again?"
"Pardon?" 、 "Sorry?" 、 "Excuse me?" といった定番フレーズや、上で紹介した「もう一度言ってもらえますか?」を伝える3つのフレーズは誰にでも使える丁寧な表現ですが、親しい友達同士の会話なら、さらにカジュアルな表現もよく使われます。
10. "What did you say?" (何て言ったの?)
11. "Say that again?" (もう一回言って)
12. "What's that?" (なんだって?)
かなりカジュアルな表現なので、親しい友達に対して使うのにとどめておいたほうがいいかもしれませんね。
相手の話や質問の中で、全部ではなく一部分だけ聞き取れないこともありますよね。
そういったときには、 "Pardon?" や "Could you say that again?" などを使わずに聞き返すことをオススメします。これらの表現は「もう一度同じことを言ってください」という意味だからです。つまり、相手は同じことを全部繰り返してしまいます。
例えば、相手が "I went to the botanic garden with John last Thursday." と言った場合、聞き取れなかった部分に合わせて、以下のように聞き返してみましょう。
13. "went" が聞き取れなかった場合
→ "You did what?"14. "botanic garden" が聞き取れなかった場合
→ "You went where?"15. "John" が聞き取れなかった場合
→ "You went with who?"16. "last Thursday" が聞き取れなかった場合
→ "You went when?"
このように、 "what" 、 "where" 、 "who" 、 "when" や、文章によっては "how" などを聞き取れなかった部分に当てはめれば、もう一度言ってもらいたい部分だけを聞き返すことができます。
電話での会話が苦手な人も多いのではないでしょうか? 電話は対面で話している時とは違って、相手の声が聞き取りにくい、ということもよく起こりますよね。そんな場合には上で紹介してきたフレーズに加えて、電話でよく使われる「聞き返しフレーズ」も覚えておくとスムーズに会話が進みますよ。
例えば、電話で相手の声が聞こえにくい場合、日本語では「電話が少し遠いようです」といった独特な表現がありますが、英語では以下のような表現があります。
17. "I can't hear you (very well)."
あなたの声が(あまりよく)聞こえません18. "I can hardly hear you."
あなたの声がほとんど聞こえません19. "I'm having problems hearing you."
あなたの声が聞き取りづらいです20. "There is a lot of noise."
雑音が多いです21. "We have bad reception."
電波が悪いです22. "I'm losing you."
電話が切れそうです
もし、電話の相手の声が小さくて聞き取りにくい場合には「もう少し大きな声で話してもらえますか?」と直接言っても失礼にはなりません。 "speak up(大きな声で話す)" や "louder(より大きな声で)" という表現がとてもよく使われています。
23. "Could you speak up (a bit), please?"
(少し)大きな声で話していただけますか?24. "Could you speak a little louder, please?"
もう少し大きな声で話していただけますか?
最後に、相手が言ったことを聞き取ることはできたものの、言っている意味がよくわからない場合に聞き返すフレーズも見ておきましょう。
まず、これまでに紹介してきた "Pardon?" や "Could you say that again?" 、 "I didn't catch that." などは使いません。聞き取れたのであれば、同じ文章を繰り返してもらう必要はないですよね。
つまり、以下のような表現で、「おっしゃっている意味がよく分かりません」と相手に伝える必要が出てきます。
25. "(I'm) Sorry, I don't understand."
26. "(I'm) Sorry, I don't get it."
27. "(I'm) Sorry, I don't understand what you mean."
28. "(I'm) Sorry, I didn't quite get that."
どれも「言っている意味がわかりません」というストレートな表現なので、言い方や声のトーンによってはキツく聞こえてしまうこともあります。
少し印象を柔らげるために、文頭に "(I'm) Sorry," を付けるといいですね。
あるいは、話すスピードの問題なのか、使われている単語の問題なのか、といった「なぜ分からないのか」を伝え、相手にどうしてもらいたいのかを具体的に表現してみましょう。
29. "Could you speak more slowly?"
もっとゆっくり話していただけますか?30. "Would you mind speaking more slowly?"
もっとゆっくり話してもらえますか?31. "Could you please rephrase that?"
別の表現で言い換えていただけますか?
他にも、相手の言った意味がいまいち掴みきれない場合、ストレートに「どういう意味ですか?」と尋ねることもできます。
さらに、自分が正しく理解できているか確認するために、聞き取った内容をもとに「……ということですか?」と聞き返す表現も覚えておきたいですね。
32. "What do you mean?"
どういう意味ですか?33. "You mean ... ?"
... ということですか?34. "Did you say …?"
... と言いましたか?
いかがでしょうか。
"Pardon?" 以外にも様々なバリエーションがあることを知ると、今までよりも聞き返すことをためらわなくなるかもしれません。全文を繰り返してもらうだけではなく、もっとスムーズなやりとりができるはずです。
また会話の相手はロボットではなく、人間です。相手もコミュニケーションをとるために、分からないことがあれば丁寧に説明しようとしてくれるもの。分からないことは素直に聞き返し、コミュニケーションを楽しみましょう!