Yoko
(更新)
「明日は5時までヒマだよ」
「これを金曜日までに終わらせないといけないんだ」
「3時までそこにいるよ」
「このセールは月曜日までです」
「何時まで営業していますか?」
などなど、日々の生活の中で「〜まで」「〜までに」という表現を使う機会は多いですよね。
その英語表現として学校の英語の授業で "until" と "by" という単語を習った記憶は皆さんもあると思いますが、どっちがどっちだったか覚えていますか? この2つは日本人の英語学習者にとって特に混乱しやすい単語なので、うろ覚えという方も多いのではないでしょうか。
いざという時に、口からサッと出てくるように、もう一度おさらいしておきましょう!
たしかに "until" と "by" をそれぞれ日本語に訳すと「〜まで」「〜までに」と非常に似ています。
ただ、実はこの2つの単語は全く異なるものなので、日本語訳で覚えようとせず、イメージで覚えたほうがすんなり理解できるでしょう。
まずは "until" から見ていきましょう。
"until" と聞いたら、「何かがある時点まで続いている」というイメージを頭に思い浮かべることが大切です。図にしてみると、こんなイメージです。
例えば「明日は5時までヒマだよ」という文章を図で思い浮かべると、どんな図になるでしょうか?
ヒマなのが5時まで「ずっと続いている」イメージですよね。
これが "until" のイメージです。つまり、「明日は5時までヒマだよ」は "I'll be free until five tomorrow." となります。
では、次に "by" を見てみましょう。
"by" は、「ある時点までに何かがピンポイントで起こる」というイメージを思い浮かべるのがポイント。"until" のように「ずっと続いている」のではなく「ポン」と何かが起こるのが "by" なのです。
図にしてみると、こんなイメージです。
"until" との違いは図を見比べると分かりやすいですね。"by" は "until" と違って、それまでは何も起きていませんが、ある時点までには何かがピンポイントで起こるわけです。
では「これを金曜日までに終わらせないといけないんだ」というシチュエーションを思い浮かべてみてください。仕事でも宿題でもいいですが、仮に仕事としましょう。
毎日少しずつこなしていくとすれば、金曜日まで「ずっと仕事をしている」イメージを思い浮かべてしまうかもしれませんが、そうではありません。「仕事が終わる」という出来事は「終わった!」という瞬間にピンポイントで起こるものだからです。
なので「これを金曜日までに終わらせないといけないんだ」は "I need to get this done by Friday." と、"by" を使うのが正解です。
"until" と "by" のイメージが分かったところで、もし間違えて反対に使ったらどうなってしまうのかを検証してみましょう。
例えば「6時までにここに来てね」と言いたい場合、"Please come here ( ) six." の ( ) には "until" と "by" のどちらが入ると思いますか?
先ほどのイメージ図を思い浮かべてみてください。「来る」というのはピンポイントの出来事なので "Please come here by six." が正しいですね。
では、間違えて "Please come here until six." と言ってしまったら、どうなるでしょうか。ここでもう一度 "until" のイメージを思い出してみましょう。
つまり「6時までずっとここに来てね」となりますので、これでは意味が通じないですよね。「来る」という行為は継続してできるものではないので 、"until" を使うと違和感があるのがお分かりいただけると思います。
上記のように "until" と "by" を間違えると意味不明の文章になってしまう場合であれば、会話の相手が「あぁ、間違えているのかな?」と推測して、聞き返してくれることもあるでしょう。ただ、厄介なことに、間違いに気づいてもらえずに、異なる意味が伝わってしまう場合もあるのです。
例えば、以下の2つの文章を見てみてください。
"I'll be there until three o'clock."
"I'll be there by three o'clock."
これらは "until" と "by" が違うだけで、他の単語は全く同じです。しかも、どちらも文法的に正しく、かつナチュラルな文章です。
それでは再び、それぞれのシチュエーションを頭の中でイメージしてみてください。"until" と "by" の違いはもうバッチリ掴めましたか?
"I'll be there until three o'clock." は "until" を使っているので、この人は3時まで「ずっと」そこにいることになります。それに対して "I'll be there by three o'clock." は "by" なので、3時までの「どこかの時点」でそこに到着するという意味です。
こうして見てみると、2つの文章は全く別のことを表していますよね。
仮に友達に "I'll be there by three." と言うつもりが、間違えて "I'll be there until three." と言ってしまうと、友達はあなたが3時までずっとそこにいると思ってしまうので、1時頃にあなたに会いにそこへ行ってしまうかもしれません。でも、あなたはそこにはいない可能性が高いでしょう。
もう "until" と "by" の違いはしっかりイメージできましたよね。
では、少しだけ練習問題をしてみましょう。以下の3つの文章では、それぞれ "until" と "by" のどちらを使うのが正しいでしょうか? 日本語訳だけで考えずに、頭の中でシチュエーションをイメージしてみてくださいね。
もう簡単に使い分けられますよね。
1番目は、セールが月曜日まで「ずっと続いている」ので "until" を使うのが正解です。
2番目も同じです。営業している状態がどの時点まで「ずっと続いていますか?」という質問なので "until" が正解となります。
3番目は、3月末という時点までに有給を「使い切る」というピンポイントの出来事を起こしてくださいね、という意味なので、 "by" が正解です。
今回の "until" と "by" のように、日本語訳が似ているという理由で区別が付きにくかったり、どっちがどっちか混乱してしまう英単語は他にもたくさんあると思います。
そんな時は、今回のように自分の中で英語をイメージで把握してしまうのが理解する近道です。日本語訳だけに頼らず、しっかりしたイメージを持つことで使いこなせるようになりましょう!