SHIORI
(更新)
最近では、グローバル化も進み、海外に手紙や書類、荷物、贈り物など、さまざまなものを送る機会が増えてきています。
また、英語に無関係だと思っていても、海外の通販サイトを利用したときや、海外旅行の際に記入しなければならない入国カードなど、英語での住所記入が必要になってくる機会は多々あります。
しかし、いざ日本の住所を英語で記入しなければならないという場面に直面したとき、多くの人が戸惑ってしまうというのが現状です。
私自身、初めて海外にいる友達に手紙を出そうとしたとき、「そういえばどうやって書けばいいのだろう?」と疑問に思って慌てて調べたことを覚えています。
そこで今回は、そんなときに備えて、英語での住所の書き方の基本を紹介していきたいと思います。
さて、日本の住所を英語表記すると言っても、あまり神経質になる必要はありません。
なぜなら、必要情報さえ揃っていれば多少のミスがあったとしても無事に宛先に届けられるからです。
そうではありますが、英語の住所の書き方にはいくつかの基本ポイントがあります。まずはそれらを紹介していきますね。
住所はその場所をピンポイントで表すものなので、記入しなければならない基本情報は、英語表記をする際も日本語と同じです。
しかし、英語表記をする上で大きく違ってくるものが一つだけあります。それが並び順です。
日本語では大きい範囲から小さい範囲という順に記入していきますが、英語では小さい範囲から大きい範囲の順に記入していきます。
郵便番号→都道府県→市町村→番地・区画→建物名→部屋番号
部屋番号→建物名→番地・区画→市町村→都道府県→郵便番号→国
※部屋番号と建物名はどちらが先に来ても○。
※海外に送る場合は一番最後に国名を付け加えるのが一般的。
たとえば、東京タワーの住所を英語と日本語で表記する場合は、それぞれ次のようになります:
「〒105-0011 東京都 港区 芝公園 4-2-8」
注意事項としては、数字の表記まで逆にしてしまわないことです。
日本の住所を英語表記する場合は逆の順になると上記で説明していますが、数字まで全て逆にしてしまうと住所自体が変わってしまいます。
たとえば、住所が「1-1-2(1丁目1-2)」の場合は次のようになります:
また、ポイントとして、情報の切れ目にコンマを打つことがとても大切になってきます。
日本人が住所を見る場合、コンマがなかったとしてもどこまでが県名でどこからが市名なのかなどの区別はつきます。ですが、外国人にとってはそうではありません。
コンマをつけてはっきりと区切ってあげることによって、地名を知らない外国人でも区別しやすくなります。
建物名や部屋番号の英語表記と言っても、海外から日本に届け物をする場合は、日本の配達員さんがその住所を見て配達します。
そのため、彼らにとってわかりやすい表記にすることが一番重要になります。
日本から海外に荷物を送る場合は、Japan という国さえ相手に伝われば良いので、スペルなどであまり神経質になる必要はありません。
日本語や英語以外の外国語の名前であれば、固有名詞としてそのままローマ字表記をするのが基本です。簡単で誰でも読めるような英語の名前であれば、英語表記で建物名を書くと良いでしょう。
また、「ビル」や「アパート」、「マンション」などの建物の種類が建物名に含まれる場合は、建物名の一部だということをはっきりさせるためにハイフン(-)を付けると親切です。
そのほか、建物名に使われている日本語の単語が長くて読みづらい場合などにもハイフンをつけ、より読みやすくすることができます。
下記は建物名の例です:
建物名は固有名詞なので、頭文字は大文字で書きます。
日本語の「マンション」は、建物名に含まれる場合はそのまま mansion と表記して問題ありませんが、この単語には「豪邸」という意味があるので、英語圏に郵便物を送る場合は、apartment を使うのが一般的です。
また、建物名の次に必要になってくる階数の書き方もここで紹介していきます。
地上階を表す単語は Floor で「F」と省略して表記され、地下の場合は Basement の頭文字を取った「B」で表記されます。
階数に限らず、アパートなどの集合住宅に住んでいる場合は、部屋番号を書く必要があると思います。
部屋番号の表記の仕方はとても簡単で、建物名のすぐ後ろ、または前に「#」をつけ、それに続いて部屋番号を書きます。順番はどちらが先に来ても○です。
→ Grand Palace #205
→ #205 Grand Place
ちなみに、アパートやマンションの場合、部屋番号の一番最初、または最初と2番目の数字が階数を表していることが多いので、部屋番号がある場合は階数Fを書く必要はありません。
丁目、番地、号は、日本語表記では下記の二通りがあると思います。
① 1丁目1-1
② 1-1-1
①をそのまま英訳して、1-Chome 1-1 と書くことも可能ですが、海外でこの表記はめずらしいため、戸惑ってしまう配達員さんも多いかもしれません。
そのため、海外に荷物を送る際は②「数字だけの表記」の方が親切で伝わりやすいと思います。
しかし海外から日本に荷物を送る際は、日本の配達員さんが荷物を取り扱うので①の英語表記でも問題ありません。
ちなみに、1-Chome 1-Ban 1-Gou という表記は、丁寧に思えますが、見かけることは滅多にありません。上記の①と②のように、「番」と「号」の部分は常にハイフン(-)でくくり、まとめて表記するようにしましょう。
都道府県や市町村などは、国や地域で呼び名が違い、英語表記をする上で戸惑うという人も多いと思います。
「区」や「都」など、英語では存在しないような都道府県、市町村や区域はどのように表記すれば良いのでしょうか? 答えはとても簡単です。
英語表記の基本としては、都道府県名や市町村名(固有名詞)をまずローマ字表記し、そのすぐ後ろにハイフン(-)を置いて、「fu(府)」や「ku(区)」などを付け加えます。
都道府県や市町村にあたる部分は、英語表記にする場合は省略して書かれることも多いため、「都」「道」「府」「県」などをつけずに地名のみを表記してもOKです。
しかし、市名と県名が同じという場合も多々あり、その区別をつけるという意味でも、「-fu」などを省略せずに書かれることがあります。どちらでも通じるため、省略するかしないかは、個人の自由です。
たとえば、大阪市のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の場合、下記のどちらも正解です:
「〒554-0031 大阪府大阪市此花区桜島二丁目1番33号」
「〒554-0031 大阪府大阪市此花区桜島二丁目1番33号」
なお、省略せずに表記したいという人のために、住所を書く際の都道府県と市区町村の英語表記を下記にまとめておきますね。
「都」と「道」がつくものは、東京都と北海道しかないため、知名度も高く、わざわざ Tokyo-to とする必要はありません。Hokkaido も Hokkai-do ではなく、そのまま固有名詞としてハイフン(-)なしで表記されます。
上記にある日本語の「県」や「市」などを英単語(prefecture など)を使わずにそのまま表記する場合、「地名」と「ken」「shi」などの間にハイフンを置きます。
その理由は、「地域名」と「自治体の種類」の各単語を明確に区別するためです。
例えば、「沖縄県」は日本語では1つの単語として扱いますよね? しかし、英語表記(Okinawaken)にすると、どこまでが「地名」でどこからが「自治体の種類」なのかなど、区別が明確ではなくなってしまいます。
そのため、1つの単語の中でもハイフンを使って「地名」と「自治体の種類」を表す単語を分けているのです(Okinawa-ken)。
英単語の prefecture を使う場合は、間にスペースが入り、2つの単語として扱うので、ハイフンは要りません。
逆に、prefecture の前にハイフンをつけてしまうと、Okinawa-prefecture という1つの単語と認識され、「沖縄プリフェクチャー」という地名だと勘違いされてしまうこともあるので、気をつけましょう。
○ → Okinawa-ken
× → Okinawaken
○ → Okinawa prefecture
× → Okinawa-prefecture
日本の住所を書く際は、prefecture や ward、town、village などの英単語を特別使う必要はなく、ハイフンをつけたローマ字表記で書かれることが多いです。しかし、どちらでも通じるため、どちらの表記を使うのかは個人の自由になります。
郵便番号は、都道府県名と国名の間にそのまま形を変えずに書きますが、日本で使われる〒の記号は英語では使われないため省略します。
さて、これまで日本の住所を英語表記する際の書き方とポイントをいくつか説明してきました。ここではそれらを踏まえた、実際の日本の住所の英訳サンプルをいくつか紹介していきたいと思います。
日本の市区町村を表す「-ken」や「-shi」などを記載した場合と省略した場合や、部屋番号と建物名の順番を変えたものなど、すべての例で2パターンの英訳を用意しました。
・一軒家の場合
「〒303-0011 福岡県 福岡市 杉野丘 1丁目2-3 」
「〒303-0011 福岡県 福岡市 杉野丘 1丁目2-3 」
「〒111-2222 大阪府 大阪市 福島区 海老江3-2-1 アンジュハイム 508号室」
「〒111-2222 大阪府 大阪市 福島区 海老江3-2-1 アンジュハイム 508号室」
「〒106-6224 東京都 港区 芝 3丁目2-1 六本木グランドタワー24階 合同会社DMM.com」
「〒106-6224 東京都 港区 芝 3丁目2-1 六本木グランドタワー24階 合同会社DMM.com」
企業の住所のように長いものを扱うときは、改行をすることによって、より見やすくすることができます。
改行する場合のほとんどは、下記の通りになります。
最近では、海外の通販サイトなどで買い物するのが身近になってきました。その際にも住所を記入することが求められます。
もちろん、海外の通販サイトなので英語での記入になると思いますが、このときによく見かけるものが「アドレスライン(Address Line)」と呼ばれる住所の入力欄です。
1と2で構成されることが多く、1には番地・区画を記入し、2には建物名・階数・部屋番号などがあれば、それを記入します。ない場合は何も書かなくて大丈夫です。
ごくたまにアドレスライン3を見かけることがありますが、追加で記入しておきたいもの(会社名など)がある場合のみ記入します。
もうお気づきかとも思いますが、アドレスライン1と2という記入欄がある場合は順番が前後し、通常は最初に記載する部屋番号・建物名・階数が番地・区画のあとにきます。
アドレスラインがある場合の住所記入例も下記で紹介しておきますね!
「〒106-6224 東京都 港区 芝 3丁目2-1 六本木グランドタワー24階 合同会社DMM.com」
optional と書かれている部分は「任意」という意味なので、記入してもしなくてもどちらでもOK。あったほうが配達員が楽になるだろうなと思う情報であれば、記入をするようにしましょう。
どうでしたか?
基本さえおさえておけば、日本の住所を英語表記することはとても簡単です!
仮に、表記する順番やスペルにミスがあったとしても、たいていの場合は無事に届けられるため、神経質になる必要もありません。
いざというときのために、今回紹介した基本をマスターして、英語で住所を書けるようにしておきましょう!