Michiru
(更新)
急いでいる時に想定外のことが起きたり、なかなか思うように事が進まない時、どんな感情が沸き上がりますか?
初めは、冷静沈着を保つことが出来ても、段々、苛立ちが沸々と湧いてきませんか? そして焦れば焦るほど空回りしてしまい、思わず声を荒げたくなる場面や、悲鳴を上げたくなる心境に陥ってしまうことが誰にでもあると思います。
もし、そのようなシチュエーションが実際に職場や学校で起きてしまい、共通語が英語だとしたら、ご自身の感情を英語でどう表現しますか?
本記事では、イライラや怒りの感情を表す英語フレーズをいくつかご紹介させて頂きたいと思います。
怒りの感情は、炎のようにメラメラ燃え上がる "red"(赤)がシンボリックカラーですが、怒りを表す言葉は、同じ "red" でもグラデーションがあります。
例えば、頭の引き出しの中に入っている「怒りの言葉」が "angry"(怒る)しかなければ、「どんな風に」「どの程度」怒っていても、いつも同じカラーになってしまい、何だか腑に落ちませんよね。
でも、バリエーションを増やしておけば、その時の状況や状態に合ったカラーを出すことが出来るので、表現力がクリエイティブになるだけでなく、感情を適切に表すことでイライラが解消されることもあります。
下記は、ネイティブがよく使う「怒り」の感情表現の一例です。
「頭に来る」という意味。
「イライラする」という意味。
「(思うように行かず)苛立つ」という意味。
「逆上する」という意味。
「激怒する」という意味。
ネイティブが “so” や “really” などの副詞を用いて感情を強調するのは、ドラマチックに自己主張することで周囲にアピールしているからとも言えます。
例えば、夜も眠れないくらいに怒っている!と単刀直入に伝えたい場合、“I’m SO annoyed!” または ”I’m REALLY annoyed” と、特に副詞の部分を声高に表現します。
他には、”crazy angry”(気が狂ったように怒る)、 “raging mad”(怒り心頭)など、形容詞を用いて怒りの感情を誇張する表現があります。
Zack was “raging mad” when his co-worker took all the credit.
「同僚が手柄を独り占めしたとき、ザックは憤慨した」
ネイティブがよく使う「怒り」の表現は、まだまだあります。
ここから先は、映画観覧年齢制限で例えるなら「R指定」のスラング表現も登場するので、予めご了承下さい!
「イライラさせられる/イライラする」という意味。
「ムカつく、ムシャクシャする」という意味(R指定のスラング)。
上記例文は、"off" を省いてもOKです。主語が "you", "it", "they" の場合は、"piss off" と言うことが多いです。
It really pisses me off!
「すげぇムシャクシャする!」
上記の卑語は、どれも「くそっ!」「ヤバイっ!」「ちくしょう!」という意味で、「一言」で怒りを表すときに使う暴言です。
突然、思いがけないことが起きたとき、ミスをおかしてしまったときなど、周りに誰も居なくても、独り言として使うネイティブは多いです(大声で叫ぶ人もいますが)。
例えば、大きな仕事を終えてホッとしていたら、スルーできないミスがあることに気付く。その瞬間、”Shit!”、 “Fuck!”、または “Damn!” と、ひと言、自分自身に向かって吐き出す―こんな感じに使います。
但し、周りに人がいる場合、特に子供がいる前では、気を付けましょう。
また、"fuck" または "fucking" は、怒りの強意語として使用されることもよくあります。
"fucking" のマイルド版、"freaking" や "friggin(g)"(ひどい、忌々しいという意味)と置き換えて使うことがあります(最後のgは省いてもOK)。
マイルド版でも響きの良い言葉とは言えないので、フォーマルな場では控えましょう。
この他に、怒りを強調する言葉として、"hell" という卑語を用いることもあります。
"hell" は、直訳すると「地獄」という意味ですが、キリスト教では冒涜的な言葉なので、軽々しく使ってはいけないNGワードとして扱われています。
ご参考まで、はらわたが煮えたぎるくらい憤ったときに、相手に向かって “Go to hell!”(地獄に落ちろ!くたばってしまえ!)と言う人がいますが、これは、“Fuck you”(くたばっちまえ!)と同じくらいに強い怒りの表現です。
"fuck" 同様、"hell" は「くそっ!」「ちくちょう!」と言う意味があります。
また、代わりに、"hell"の婉曲語である "heck" と置き換えることがあります。
"freaking/friggin(g)" 同様、公の場で使われることもありますが、やはり、フォーマルな場では避けた方が賢明でしょう。
感情表現豊かともドラマチックとも言えるネイティブの表現ですが、喜怒哀楽をはっきりすることは「必然」と言う見方もあります。
”Squeaky wheels get the grease”(きしむ車輪は潤滑油をさしてもらえる)と言う英語のことわざがあります。騒いだ方が注目を浴びるという意味で、言い換えれば、意思表示をはっきり示さないとノープロブレムと思われてしまい、相手にされないということです。
多種多様な人々が混在するアメリカ合衆国には様々な価値観があるため、自己主張し合うことで、相互理解を深められる、という考え方が根底にあります。ネイティブの自己表現力は、アメリカ社会でサバイブするために培ったマストなコミュニケーションスキルとも言えるでしょう。
逆に、日本人は、人前で感情を露わにすることは「和を乱す」行為として疎ましがられ、感情を抑える傾向が強いように思います。確かに、時と場合によっては、感情をコントロールすることも重要です。でも、もし、腹を立てている相手がネイティブであれば、適度に感情表現することをおすすめします。
文化的背景を共有する日本人同士なら、「言わなくてもわかってくれる」「一を聞いて十を知る」以心伝心や阿吽の呼吸などと言った "non-verbal communication" (非言語コミュニケーション)が成り立ちますが、個人主義的なネイティブには通用しません。
「言わなければわからない」、「十を聞いて十を知る」が英語ネイティブのコミュニケーションスタイル。お互いに理解し合える絶好のチャンスでもあるので、何故「怒っている」のかを説明した上で、自分の気持ちを思い切って伝えてみましょう!