Hiroe H
(更新)
日常でもよく使う接続表現「だから」や「なので」、みなさんは英語でどのように表現しますか?
「こんな状況なので旅行には行きづらい」
「今日は月曜だからバイトの日だ」
「今日は雨が降っていたので車で来ました」
など、「だから」「なので」は日常のさまざまなシーンで使われていますよね。
今日はこの「だから」や「なので」の英語表現を、会話でカジュアルに使うとき、論文などの文章でフォーマルに使うときに分けて紹介したいと思います。
「だから」の言い方を知りたい英語初心者、so や because ばかりを使っていて他の英語表現を知りたい英語中級者の方々、必見です!
まずは会話などで使えるカジュアルな英語表現を見ていきましょう。
英語学習者の方なら「だから」と聞いて最初に頭に浮かぶのは「because」ではないでしょうか。
because は「だから・なぜなら」という意味で、because の後ろに事柄の理由や原因が続きます。
比較的カジュアルな英語表現で、口語だけでなく文語にも使えますが、論文などのアカデミックな場合にはあまり使用しません。
「バッテリーが上がっていたので車のエンジンがかからなかった」
→ because の後ろには、エンジンがかからなかった原因がきます。
「午後から雪が降り始めるはずだから、今夜は家にいるよ」
→ because の後ろには、今夜家にいる理由がきます。
「友達が来るから掃除機かけなきゃ」
→ because の後ろには、掃除機をかける理由がきます。
「and=そして」と覚えている人はおどろいたかもしれませんが、「and」には原因と結果をつなげる「だから」という意味があります。
これは「〜すると」のように訳すこともできます。
「試したこと全て失敗したので、とてもイライラしています」
→ イライラしている原因は失敗したからで、その結果イライラしているわけです。
「昨夜、家の裏口から入ったので、母は私を泥棒だと思った」
→ 泥棒だと思われた原因は裏口から入ったからで、その結果母に泥棒と思われたわけです。
because と同じくらい使用頻度の高いのが「so」です。so は日常会話で使うことが多く、「〜だから・〜なので」という意味があります。
前文を受け、ある結論に落ち着くという、帰結を表します。
「熱が出たので、医者に診てもらった」
→ 熱が出たことを受け、医者に診てもらうという結論に落ち着いたわけです。
「昨夜土砂降りだったので、タクシーで帰宅した」
→ 土砂降りだったことを受け、タクシーで帰るという結論に落ち着いたわけです。
「昨晩お酒を飲んでいなかったのは私だけだったので、みんなを家まで車で送らなければいけなかった」
→ お酒を飲んでいなかったのは私だけだったことを受け、私が車でみんなを送るという結論に落ち着いたわけです。
「since」と聞くと「〜以来」というイメージが強いかもしれませんが、実は「〜だから」という意味もあります。
通常 since を使う場合、話し手または相手がすでに知っている事実や情報を述べます。ですから since 節の内容より、それに続く文の内容の方が重要になってきます。
「彼は昨日病気だったから、今日は試合に出られないと思うよ」
→ 彼が病気だったことは、話し手が既に知っている事実・情報です。
「外はもう暗いから、今晩はここに泊まったほうが良い」
→ 外が暗いことは、話し手も聞き手もわかっている事実です。
「連休だから、今週の金曜と土曜はキャンプに行こう!」
→ 連休なのは、話し手も聞き手もわかっている事実です。
since の「だから」と同じ意味と使い方を持つ接続詞に「as」というのもあります。
as の方が since よりフォーマルな言い方なので使用頻度は since より低いですが、一緒に覚えておくと良いでしょう。
「明日はフライトだから、今晩はもう寝たほうが良い」
「明日は土曜日だから、遅くまでゆっくり寝る」
では次に、論文やフォーマルなシーンで使う「だから」を見ていきましょう。
「therefore」は「したがって・それゆえに」という意味です。
therefore は接続詞ではなく副詞なので、because のように文と文をつながず、別々の文で表すことが多いですが、意味は because と同じように理由を表します。
形式ばった英語表現のため、論文やプレゼンなどで使われます。
「我思う、故に我あり」 – ルネ・デカルト(17世紀フランスの哲学者)
→ 自然哲学者デカルトの言葉は「私は考える(疑う)、ゆえに私は存在する」という意味があります。私の存在する理由は、私が疑っているから=疑うこと自体が私の存在を証明している、と説明しています。
「英会話クラブで英語が流暢に話せるのは私だけだったので、会長に選ばれた」
→ 会長に選ばれた理由は、英語を流暢に話せるのが私だけだったから、と therefore の前に説明しています。
「thus」は「このように・だから・したがって」という意味を持つ副詞です。
therefore よりさらにかたい英語表現になります。何かを一通り説明した後に「このように・そういうわけで」と結論や結果を示す場合に使います。
「フランスは、そういうわけで6月まで非常事態宣言を延長した」
→ この文の前には、フランスが非常事態宣言を延長するに至った理由が書かれていることが想像できます。そしてこの例文で結果(非常事態宣言の延長)を示しています。
「このように、多くの学者たちはその学説について議論した」
→ この文の前には、学者たちが同意できない学説について書かれていることが想像できます。そしてこの例文で結果(議論した)が示されています。
「hence」は「このことから・したがって」という意味を持つ副詞。thus と同じように、therefore よりもかたい英語表現です。
また、hence はフォーマルな文章で使われることがほとんどで、会話ではあまり使いません。「このことから」のように理由を示す文が続きます。
「子供の頃、フランスとドイツに住んでいたので、フランス語とドイツ語が話せる」
→ フランスとドイツに住んでいたことから、フランス語とドイツ語が話せる、という理由を述べています。
「アスペルガー症候群はオーストリアの小児科医ハンス・アスペルガーに因んでいる。これ故に、彼の名字を使っている」
→ 小児科医の名前がハンス・アスペルガーということから、彼の名前を使っている、という理由を述べています。
「thereby」は「これによって・したがって」という意味を持つ副詞です。
thereby もフォーマルなかたい言い方で、日常会話で耳にすることはあまりありません。通常 thereby は、具体的な原因や出来事と結果を結びます。
「そしてそれには少しいわくがある」 – シェークスピア
→ もともとはシェークスピアの作品「お気に召すままに」の一節です。意味は thereby の前の文で言及された内容(出来事)には「何か裏話・真相がある」(結果)ということを示し、thereby でこの2つの文を結びつけています。
「職場の男性の一人はほぼ毎朝遅れてくるが、これにはいわくがある。彼はお酒の問題を抱えているのだと思う」
→ この thereby は、同僚の男性が仕事に遅刻してくる原因といわく(お酒の問題)という結果を結んでいます。
「鳥の群れが飛行機のエンジンに衝突したので、エンジンの一機が停止した」
→この thereby は、鳥がエンジンに衝突した原因とエンジンが停止した結果を結んでいます。
「as a result of」は「〜の結果として・〜のために」という意味があります。
therefore、thus、hence、thereby ほどかしこまった表現ではありませんが、会話で使うにはややかたく、文章中で使うことが多いです。
as a result of の前後の因果関係について示します。
「大雪のために飛行機が遅れた」
→ 飛行機の遅延と大雪の因果関係を示しています。
「密猟の結果として、象の数は減少している」
→ 象の数と密猟の因果関係を示しています。
「コロナウイルスの流行のため、その工場は2週間閉鎖された」
→ コロナウイルスの流行と工場の閉鎖の因果関係を示しています。
今日は「だから」「なので」の英語表現を紹介しましたが、いかがでしたか?
中には会話ではほとんど使われないものもあるので、自分のライフスタイルを考えながら、自分に必要な表現から少しずつ覚えていってくださいね。
それぞれの単語の意味と用法をしっかり理解することが、英語力アップへの近道です。ここで紹介した例文と解説を参考に、ご自身で例文を作ってみると、丸暗記するより覚えやすいですよ!