Hiroe H
(更新)
日本語では「以外」と訳すことができる except と besides は、大学入試や英検などの試験でよく出題される文法問題ですよね。
どちらも日本語では「以外」と訳せるからといって、置き換え可能な単語だと思っている方はいませんか? または、試験でいつも間違ってしまうけど違いがいまいちわからない、という方もいるかもしれませんね。
この2つの単語は日本語訳だけでは違いを理解しにくいので、英語の語法をしっかり理解する必要があります。
今回は、besides と except の違いをしっかり学び、使い分けに悩むことがないように、詳しく解説していきたいと思います!
ではまず besides を見ていきましょう。
その前に、「besides」と「beside」の2つの単語を混乱させている人をよく見かけるので、最初に違いを説明します。
Beside は「〜のそばに・〜の横に」という意味の前置詞で位置関係を示すのに対し、besides は「何かを横に置いて」という意味があります。
この2つは異なる単語ですので、使い間違わないように注意しましょうね。
Besides には前置詞と副詞の意味があり、どちらも「追加」を表す単語です。この「追加」が except との使い分けの鍵となりますのでしっかり覚えておいてください。
前置詞の besides は「〜に加えて・〜のほかに」という意味があります。前置詞なので、後ろに「名詞」または「名詞に相当する語」を目的語としてとります。
「サラダとパスタのほかに何を注文する?」
前置詞 besides の後ろには名詞の salad と pasta がきています。そしてサラダとパスタに「追加」して、何を注文するかと聞いていますね。
「ジェーンとケイトのほかに、今夜のパーティーには誰が来るの?」
前置詞 besides の後ろには固有名詞の Jane と Kate がきています。そしてまた、ジェーンとケイトに「追加」して誰が来るかと聞いています。
「私以外、誰も雨の中ハイキングに行きたくなった」
※否定文で使われる場合「〜を除いて・〜以外」という意味で使われ、「追加」の意味はなくなりますので注意しましょう。
副詞の besides は2つの文をつなぐ役割をし、接続副詞とも呼ばれます。
「さらに・その上」というように、「追加」の意味があります。
副詞の besides は on top of that「それに加えて・その上に」や in addition「さらに・その上」などの類義表現がありますので、一緒に覚えておくと良いでしょう。
「そこには行きたくないよ。それに遠すぎるし」
ここでは副詞 besides が I don’t want to go there と it’s too far の2つの文をつなぐ役割をしています。そこに行きたくないということに「追加」して、遠すぎると言っていますね。
「私はキャビアがあまり好きじゃない。おまけに高いし」
ここでは副詞 besides が I don’t really like caviar と it’s expensive の2つの文をつなぐ役割をしています。キャビアが好きでないということに「追加」して高価であると言っていますね。
では次に except を見ていきましょう。
前置詞の except は「〜を除いては・〜以外に」という意味があり、「除外」を表す単語です。
前項の besides は「追加」を表していましたが、except は「除外」というまったく反対の意味を表しているのに気がつかれたかと思います。
日本語では besides も except も「以外」という意味で習いましたが、この2つの単語のコアの意味はまったく異なるので、しっかり違いを覚え、使い分けられるようにしましょう!
前置詞の except は「〜を除いては・〜以外に」、そして except for にはは「〜を除いては・〜以外は」という意味があります。
「除外」を表す except の前には all, every, no, each などがつく名詞がくることが多く、except がこれらの名詞にかかります。
Except for は前の文全体にかかる傾向がありますので、2つの違いをここでしっかり覚えておきましょう。
「母は月曜日以外毎日働く」
except Monday が every のつく名詞「day」にかかっています。
「ポール以外みんな若かった」
except Paul が all のつく名詞「men」にかかっています。
「数学を除いて、弟はすべての教科で落第点を取った」
except for math は前の文「my brother failed every subject」にかかっています。
「オンボロ車以外、彼はすべてのものを売り払った」
「except for his old beat-up car」は前の文「he sold everything he owned」にかかっています。
文法的に言うと、except と except for は名詞にかかるか、または前の文全体にかかるかの違いがありますが、ネイティブスピーカーはどちらも同じように使っていることが多いです。
試験などでない限り、そこまで神経質にならなくても良いかもしれません。
Except には接続詞の用法もあります。
「〜であること以外に」という意味で、通常 except that の形で使われます。この場合は that が省略されることがあっても、 except for に置き換えて使うことはできないので注意しましょう。
「あの2つのトラックは1つがChevyでもう1つがGMCという以外にほぼ同じだ」
ここでは except that となっているので接続詞の except だとわかりますね。この that は省略されることもありますが、except for となることはありません。
本記事では besides と except の違いを紹介しましたが、いかがでしたか?
どちらも「以外」という意味だけで覚えられがちな単語ですが、besides は「追加」の意味、そして except は「除外」の意味があるということがわかりました。
この2つの単語を使うときに、「追加」の意味があるのか「除外」の意味があるのかを考えることによって、簡単に使い分けられると思います。
Besides は前置詞と副詞があるので、どちらの品詞を使っているのかも文の構造から見極められるようにしましょう。
Except に関しては、接続詞の用法も合わせて覚えておくと良いでしょう。
例文や練習問題などを使って besides と except の違いを完璧にマスターしてくださいね!