西東 たまき
(更新)
本に囲まれるとワクワクするような本好きは、外国に行ったときも書店に立ち寄ると楽しいですね。
しかし、目に入る文字が軒並みアルファベットになるだけで異世界のように感じられ、どこから見ればよいか戸惑うかもしれません。
そんなときでも、本のジャンルが判別できさえすれば俄然親しみが湧いてくるはず。
当記事では、本のジャンルに関する英語表現をまとめています。まずはジャンルを理解して、お気に入りのコーナーへ向かってみましょう。オンラインで本を買う時もお目当てを探しやすくなります!
それでは早速、様々な本のジャンルを表す英語表現を見ていきましょう!
「文芸」は英語で "literature" と言います。
その中でも、「小説」は “novel” です。日本語でも「ノベル」とカタカナで使われていますね。
日本語 | 英語 |
フィクション | fiction |
ノンフィクション | non-fiction |
ミステリー | mystery |
スリラー | thriller |
ホラー | horror |
ファンタジー | fantasy |
ロマンス・恋愛もの | romance |
SF(エスエフ) | science fiction/sci-fi |
冒険小説 | adventure |
犯罪小説 | crime |
歴史もの | history |
古典 | classic |
児童書/児童文学 | children’s book/ children’s literature |
絵本 | picture book |
おとぎ話 | fairy tale |
民話 | folk tale |
怪談 | ghost story |
伝説 | legend |
神話 | myth |
写真集 | photo book |
エッセイ/小論文 | essay |
詩/詩集 | poetry |
伝記 | biography |
実は、“fiction(フィクション)”、 “non-fiction(ノンフィクション)” をはじめ、多くのジャンルの英語表現がすでにカタカナでお馴染みです。
例えば "mystery(推理小説/ミステリー)"。中でも「探偵小説/刑事もの」なら “detective(探偵、刑事)” になります。
日本語で “SF(エスエフ)” と呼ばれているのは “science fiction” の頭文字です。英語で話すときは “SF” ではなく “science fiction"、または省略して “sci-fi” と言いましょう。発音は「サイファイ」です。
"adventure(冒険小説)"、 "crime(犯罪小説)"、 "history(歴史もの)"、 "classic(古典)"、 "children’s book/children’s literature(児童書/児童文学)" も、直訳なのですぐ分かりますね。
「神話」は英語で "myth" と言います。「ギリシャ神話」、「日本神話」ならそれぞれ “Greek myth”、“Japanese myth”、「古代神話」なら “ancient myth” となります。
なお、「全集」は “complete works” と呼びます。
“essay” は文学のジャンルであると同時に、試験で課せられる「小論文」のことでもあります。
ほかに「詩/詩集」は "poetry"、「伝記」は "biography" と呼ばれます。「自伝」なら “autobiography” になります。“auto-” には「自己の」という意味があるのです。
「マンガ本」は “comic book” ですが、中でも「日本のマンガ」は英語でもそのまま “manga” で知られていますよ。
「実用書」は文字通り “practical guide” となります。
実用書の中でも、“beginner’s guide” や “for beginners” と書かれていれば「初心者向け」になります。
日本語 | 英語 |
旅行ガイド | travel guide |
料理本/レシピ本 | cookbook/recipe book |
レストランガイド | restaurant guide |
キャリアガイド | career guide |
ビジネス本 | business book |
ハウトゥー本 | how-to book |
完全ガイド | complete guide (to〜) |
自己啓発本 | self-help book/ personal development book |
教科書 | textbook/coursebook |
辞典/辞書 | dictionary |
図鑑 | reference book |
百科事典 | encyclopedia |
数えきれないほどの種類がありますから、シンプルに “yoga book(ヨガの本)” や “baseball book(野球の本)”、“business book(ビジネス本)” などと言うだけでもOKです。
けれど、“coloring book” とあっても「色に関する本」という意味ではありませんよ。これは「ぬり絵」のことです。
もう少し具体的に伝えたいなら、“book for/about~(~に関する本)” と言えばよいでしょう。
「ハウトゥー本」は、そのまま “how-to book” です。何についてのハウトゥー本なのかを表現するには “on” を使います。
「~のための完全ガイド」というタイトルもよく聞きますね。英語でもまさに “complete guide to~” といいます。
「自己啓発本」は “self-help book” や "personal development book” と呼ばれます。
最近のベストセラーに『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365』という本がありますが、原書のタイトルは “The Intellectual Devotional(知的な祈祷)” と、とってもシンプルです。
このように、自己啓発本は内容が分かりやすいよう、具体的な日本語タイトルが付けられていることが多くあります。オリジナルタイトルとの違いを比べてみるのも面白いですよ。
「教科書」はご存知 “textbook” ですが、イギリス英語では “coursebook” とも言いますよ。「上級者向け」なら “advanced” を付けましょう。
「辞典/辞書」は “dictionary” ですね。
「図鑑」は “reference book” です。
「百科事典」は “encyclopedia”。
調べ物に大活躍のオンライン百科事典 “Wikipedia(ウィキペディア)” は、“encyclopedia” をもじった名前だと分かりますね。“wiki” は、「速い(quick)」という意味を持つハワイの言葉です。
ちなみに、大型で写真などをふんだんに使った豪華で高価な本は “coffee-table book” と呼びます。
その美しいビジュアルから、リビングのテーブル(coffee table)にインテリアの一環として置かれるものです。
本、映画、音楽などの種別を表す「ジャンル」は、英語では “genre” と書きます。フランス語から来ている言葉なので、スペルに少し違和感を覚えるかもしれませんね。
“genre” の代わりに、 “kind(種類)”、 “type(タイプ)”、 “category(カテゴリー)” などといった言葉で言い換えてもOKです。
本選びに迷ったときは、"bestseller(ベストセラー)" などをチェックしてみるのも手です。
書店では “paperback” に分類される本が目立ちます。“paperback” とは、厚紙製の表紙が付いた本のことです。
"hardcover(ハードカバー)" の本に比べて軽いので持ち運びやすく、値段も手ごろになっています。
日本の本でいうと、前者は「文庫本」、後者は「単行本」のようなものです。
紙の出版物の売り上げがマイナス成長を続ける中、右肩上がりで増加している「電子書籍」は “e-book” と呼ばれます。 “e-mail” や “e-ticket” などと同様、頭の “e” は “electronic(電気の)” を意味していますよ。
以上、様々な本のジャンルを表す英語表現をご紹介してきました。ジャンルの区別が付くようになれば海外の書店巡りが楽しくなりますね!
ところで、洋書を手にして何か気付いたことはありませんでしたか?
まず、ページの向きが日本の本とは異なりますね。洋書は左からページをめくっていくのに対し、日本の(縦書きの)本は右側にページをめくっていきます。
また、本の表紙や背表紙を見たとき、日本語の本はタイトルが最も目立つように書かれているのが「常識」ですが、英語の本ではタイトルより著者の名前が断然目立つデザインの本が多くありますよ!
きっと新たな発見が見つかる英語の本を、時には手にとってみてはいかが?