DMM英会話ブログ編集部
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「両方とも」「どちらか」と言いたいときに “both” と “either” のどちらを使えばいいか迷ったことはありませんか?
さらには「どちらも~ない」というときは neither を使うなど、日本語と照らし合わせた時、どれを使ったらいいかわかりにくい部分がありますよね。
今回は、これらのややこしい用法を解説します。解説の後にはクイズも付いているので、しっかり身につけてくださいね!
both は、形容詞(両方の)、名詞(両方)、副詞(両方とも)、とさまざまな品詞として使われます。
「私はどちらの写真も好きです」
ここでは、both が (the) pictures を修飾する形容詞のはたらきをします。この場合の “the” は省略されることが多いです。
“I like both the red and the green pictures” のように、“both the ◯◯ and the △△” の場合は “the” を使いますが、I like both pictures の場合は “the” をいれないほうが自然です。
「私はどちらの写真も好きです」
ここでは、both が (the) pictures の「両方」と名詞のはたらきをします。
「写真はどちらも印象的だ」
ここでは、both が形容詞の impressive を修飾する副詞のはたらきをします。
まず、“both” を使うことで写真が2枚あることが示唆されます。そのため、 “pictures” と複数形になります。また、形容詞と名詞の場合の例文はどちらもほぼ同じ意味ですが、使い分けとしては “both of ◯◯” が書き言葉的であり、会話的には形容詞の例文のように “both ◯◯” が使われる傾向があります。
“both A and B”として「AもBも両方とも」とすることもできますよ。
「私はジョンの写真もケンの写真も両方とも好きだ」
この用法では、副詞または接続詞と解釈されます。「両方ともを好きだ」と動詞 like を修飾する副詞として解釈される一方、「ジョンの写真もケンの写真も両方」と語と語とを接続する接続詞としても解釈されます。
either はイメージとしては「どちらか」「一方の」と2つのうちの1つを指定する語句です。ただし、文脈によっては後述のように「どちらでも」「両方の」という意味も含みます。
“either” も形容詞、名詞、副詞として用いられます。
「どちらの本を買ってもいいです」
ここでは、either が名詞 book を修飾する形容詞のはたらきをします。
「選手のどちらかが決勝に進出する」
ここでは、(the)player の「どちらか」と名詞のはたらきをします。
「トムかメアリーのどちらかがその仕事をしなければならない」
ここでは、「トムかメアリー」と語と語とを接続する接続詞のはたらきをします。
“both” と違い “either” を受ける単語は単数形にならなければなりません。また、「どちらでも」という場合は一方を指定しているのではなく、両方を指定している場合があります。
「どちら側に座ってもいいです」
通例では、“either side” は一方の側ではなく両方の側を意味します。そのためこの文章を「片方の側(だけ)に座ってもよい」とするのは間違いです。
“both” と “either” の基本を説明しましたが、これらは否定文になるとよりややこしくなります。
ポイントとして、否定文の “both” は「どちらも~というわけではない」という部分否定になることと、否定文の “either” は「どちらも~ない」という全体否定になることをまず頭に入れておいてください。それを踏まえてみてみると…
「私はどちらの人も好きというわけではない」
「私はどちらの人も好きではない」
肯定文を加えてまとめると以下のようになります。
そしてこの “not~either” を “neither” に言い換えることができます。次の章で解説しましょう。
「私はどちらの人も好きではない」
このような “not〜either” は “neither” で置き換えることが可能です。
「私はどちらの人も好きではない」
“neither” には ”not” の意味が含まれているので文中に “not” は不要です。
「AもBもどちらも~ない」という文章で “neither” を使用する場合は “neither A nor B” と “or” ではなく “nor” が使用されます。
「彼女はITについての知識も経験もない」
「野球観戦が好きです」
「私もです」
このように「私も〇〇です」と相手の意見に同意するときには “too” を用いますよね。しかし、相手の否定文に同意する場合には “too” は使えず、neither(=not~either)を使います。 「どちらも〜ではない」から派生して「(あなたも私も)〜ではない」と考えるとわかりやすいですね。
「野球観戦が好きではありません」
「私もです(私も野球観戦が好きではありません)」
この “Me, neither.” は “I don’t like either.” または “I don’t either” と言い換えることもできます。
ちなみに、アメリカ英語では、くだけてこれを “Me, either.” と言うことがありますが、文法的には正しくなく、標準的ではありませんのでご注意を。
“too” だけではなく、 “also”、“as well” などの付加を表す「〜もまた」の表現も肯定文では使われますね。これを否定文の後に続けて「~も…ない」と言いたい場合には “either” を使います。neitherを使うこともできますが、その場合は以下のように注意が必要です。
【肯定文】
「彼女が行くのであれば私も行く」
「彼女が行かないのであれば私も行かない」
「彼女が行かないのであれば私も行かない」
(この用法では neither は常に文の先頭に置かれ,そのあとは「助動詞+主語」+「動詞」の語順となります)
この2つ、なんと発音していいのか一瞬考えてしまいますよね。
“either” は「アイザー/イーザー」、“neither” は「ナイザー/ニーザー」と発音する場合があります。基本的にこれらはイギリス英語とアメリカ英語の違いです。
ただし、これらは同じ国でも地域差があったり、同じ人でも強調したいときに「アイザー/ナイザー」、それ以外は「イーザー/ニーザー」など使い分けたりすることもあるようです。英語ネイティブとの会話でそのあたりを聞いてみるのも楽しいかもしれませんね。
カッコ内に入る単語は3つのうちどれか当ててみましょう。
これらの用語を理解する上では肯定文と否定文とに分けて考えると考えやすくなります。
このようなややこしい表現は、たくさんの英文に触れることで自然と正しいか間違っているかがわかってくるようになります。
基本的な理屈を学んだあとは、習うより慣れろの精神で英語学習に取り組んでみてくださいね!