西東 たまき
(更新)
今回の記事は、英語の前置詞 since と for の違いについての解説です。どちらも時間(とき)・期間について表現する言葉ですが、使い方にはそれぞれ明らかな違いがあります。
また、この2つには「~なので」と理由を説明する接続詞としての働きもあります。
英語で理由を述べるときは because を使うのが典型的ですが、since や for ならではのニュアンスの違いも存在するので、それもご紹介します。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
since や for といった前置詞は、期間を伝えるときに使う単語です。
since については、老舗(しにせ)ブランドの表示などで「Since + 創業年」のように書かれているのを見かけますよね。
これは「~以来、~以降」という意味になるのです。
ご覧のように、since は「過去の特定の時点」と組み合わせて「~以来」という表現を作ります。
一方、for は時間の長さと組み合わせて使い、「~の間」という意味を作ります。
since と for は、どちらも期間を表す単語であるものの、例文を見ると、使い方の違いが一目瞭然かと思います。
これら2つの違いを理解するには、上記のような答えを引き出すための疑問文を考えるとわかりやすいです。
例えば for の例文のような答えを引き出す質問は「(For) How long ~?」(どのくらいの間)ですし、since を使うような返答は、「Since when ~?」(いつ以来?)という質問に対するものですよね。
「彼を知ってどのくらいになるの?」
「6ヶ月です」
「いつから彼のことを知っているの?」
「去年の夏からです」
「~以来」という意味を持つことから、since は必然的に完了形の文章で使うことが多いです。
「私は昨日からずっと、空港にいます」
for は過去・現在・未来など、どの時間枠でも使うことができます。
「私は空港に3時間いました」
「私は空港に3時間います」
「私は空港にもう2時間いる予定です」
英語で「なぜなら~」と理由や原因を述べるときに、代表的に使う単語は because(なぜならば) です。Because は文頭でも文中でも使えます。
しかし、ときには同じような意味合いで for や since が使われているのを目にすることもあるはずです。
ここでは、理由や原因の意味で使う because, for や since の使い方をご紹介します。
「料理をするのが億劫なので、外で食べる方が好きです」
文頭で使う場合は because を含む理由の部分と結果の部分をコンマ(,)で区切ります。
「料理をするのが億劫なので、外で食べる方が好きです」
次は since を使った説明方法を見てみましょう。
since もまた理由を説明するときに使うものの、こちらは「~という訳なので…である」のように、結果の方に重きが置かれるニュアンスになります。
理由を説明したうえでの結果ですから、多くの場合 since は文頭に使われます。この場合も、文節の間はコンマで区切るので注意しましょう。
「時間がなかったので、ハンバーガーだけ食べた」
「とてもおいしかったので、テイクアウトを頼んだ」
最後に for を使った説明文についてご紹介します。
For は because と同じように使うことができ、「〜であるため」と、少しかしこまった、硬めの印象を与える表現になります。
「料理をするのが億劫なため、外で食べる方が好きです」
「出掛けるには遅いため、家で食べました」
そして、現在ではあまり使われない表現であり、年代物の小説などでよく目にします。使う機会がそんなにないかもしれませんが、知識として知っておくと便利ですよ!
「彼は良い人なので、多くの良い友人に恵まれています」
「それしか方法がなかったから、私たちは関係を終わらせることにしました」
今回フォーカスした for と since は、どちらも英語を使ううえで欠かせない単語であり、使われる場面もよく似ているので混乱しがちです。
しかし、注意して見ると、使い方やニュアンスの違いが明らかに存在するということが伝わったでしょうか。
説明を読んでニュアンスの違いを頭で理解したとしても、しっかりと用法を守るためには、実際にたくさん使う必要があります。ちょっと英文に触れれば使用例が簡単に見つかるので、文脈を含めた中で実例に触れてみましょう。
for と since は使えるシーンも多いので、ニュアンスの違いを身に染み込ませてるといいですよ!