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くしゃみに対して「God bless you」って言うのはなぜ? 英語圏ならではの慣用句10選

くしゃみに対して「God bless you」って言うのはなぜ? 英語圏ならではの慣用句10選

英語圏でくしゃみをすると“God bless you”と声を掛け合う習慣があるのをご存知の方は多いはず。でも、その理由をご存知ですか?

直訳は「神のご加護がありますように」というキリスト教に由来するお祈りの言葉ですが、くしゃみのときにこれが使われる背景には英語圏における迷信が関係しています。というのも、くしゃみをするとその人の肉体から魂が抜けだして病気になるという迷信があるんだとか。そうならないために“God bless you”と声を掛け合う習慣が生まれました。

その人の身体を気づかっての“God bless you”ですので、この言葉を掛けられたときにはぜひ“Thank you”と返しましょう。

さて、このように日常会話では英語圏ならではのさまざまな慣用句が使われます。そこで今回は、使ってみたい慣用句10選をご紹介します。
 

使ってみたい英語圏ならではの慣用句10選

1. as cool as a cucumber:冷静だ

cucumber

cucumberとはキュウリのこと。キュウリは冷たいということから、「冷静だ」「落ち着き払って」という意味の慣用句として使われています。

どうしてわざわざキュウリなの? と思われるかもしれません。これには諸説ありますが、“cool”も“cucumber”も最初の発音が[k]で始まっていて、頭韻を踏むという意味で語呂がよいからだという説が有力です。まあ、たしかにキュウリって冷たいイメージが強いですよね。

He was chosen a member of the Olympic team, but He is as cool as a cucumber.
「オリンピック選手に選ばれたっていうのに、彼は落ち着いているんだ」

My big brother is as cool as a cucumber.
「私の兄は冷静沈着な人です」

2. mind your own business:よけいなお世話だ

直訳すると「自分の仕事を忘れないで」となりますが、これが転じて「自分のことをやっておいて=ほうっておいて」という意味合いとして使われています。日本語のニュアンスとしては、「よけいなお世話」というのがちょうど良さそう。

I'll thank you to mind your own business.
「よけいなお世話はしないでくれるとありがたいんだけど」

Mind your own business, will you?
「私のことはほうっておいてください。いいですね?」

3. sell like hot cakes:どんどん売れる

英語圏では「ホットケーキのように売れる」と書いて、「どんどん売れる」「飛ぶように売れる」といった慣用句として使われます。ホットケーキという言葉が生まれたイギリスでは古くからお祭りのたびにホットケーキが販売され、多くの人に愛され食べ続けられてきたことから、このような表現が使われているようです。また、“like”の代わりに“go”が使われることもあります。

Despite its price, the fridges are selling like hot cakes.
「値段が高いにも関わらず、この冷蔵庫はどんどん売れていきます」

Our new product is going like hot cakes so far.
「我々の新商品は、今のところ飛ぶように売れています」

4. once in a blue moon:極めてまれに

bluemoon

ブルームーンというなんともロマンチックな言い回しで、「極めてまれに」「めったに〜ない」という表現をすることがあります。

この語源には2つの説があります。1つ目はごくまれに空中のちりによって月が青く見えることがある、という説。もう一つは、2.5年に1回という頻度で1ヶ月の間に2回の満月を見ることができるのですが、この2回目の月を“blue moon”と呼ぶことから、という説です。どちらにせよ、 “blue moon”を見られるのはとても貴重だということからこの慣用句が生まれたということですね。

I see my grandparents once in a blue moon now.
「今では祖父母に会いに行くのはごくまれです」

Health nuts go to a fast-food restaurant once in a blue moon.
「健康マニアはめったにファストフードに行きません」

5. It’s not cricket:フェアでない

“cricket(クリケット)”とは野球の原型と言われるイギリス生まれのスポーツ。イギリスを始め、オーストラリアやインドなどかつてイギリス植民地だった国や地域で大人気です。クリケットは紳士のスポーツと呼ばたり、スポーツマンシップの精神を作り上げたスポーツと称されることから、“not cricket”は「フェアでない」「公明正大さを欠く」といった意味で使われるようになりました。

It’s not cricket to take advantage of her weakness.
「彼女の弱みにつけ込むなんてフェアじゃない」

It was not cricket reducing sentence without a valid reason.
「正当な理由もなく減刑したのは公明正大さを欠くことでした」

6. paint the town red:どんちゃん騒ぎする

直訳すると「街を赤く塗る」ですが、「街に繰りだして大いに楽しむ」といったニュアンスの慣用句として使われています。どうして赤色なのかという理由に関しては、古代ローマ時代に制服したローマ兵士が街を赤く染めたからだ、というものもあれば、酔っ払うと街が赤く見えるから、などさまざまな説がありますが、はっきりとはわかりません。赤という単語を入れずに単に“paint the town”と言ってもよいんだそうです。

Let’s paint the town red tonight, because yesterday was payday!
「今夜は派手に飲みに行こう!だって昨日は給料日だったんだから」

So many people all over the world paint the town red on New Year's Eve.
「大晦日には世界中で多くの人々が町中でどんちゃん騒ぎをします」

7. under the weather:具合が悪い/二日酔いで

theweather

“weather”といえば、「天候」を指す言葉ですが、“the weather”になると「悪天候」の意味を表すことがあります。つまり“under the weather”は直訳で「悪天の下にいる」ということになりますが、これが転じて「具合が悪い」という口語表現になりました。さらに転じて「酔っ払って」「二日酔いで」という意味で使われることもあります。

You look under the weather. Are you all right?
「具合が悪そうですが、大丈夫ですか?」

I’ve been under the weather for a few days.
「ここ数日、体調が優れません」

8. It’s a picnic:朝飯前だ

「朝飯前」の表現としてよく知られているのは“piece of cake”かもしれませんが、“picnic(ピクニック)”という単語も使われることがあります。子供でもできるようなこと、という意味合いからきているようです。逆に“no picnic”と表現すると「楽ではない」「簡単ではない」といった表現になります。

It’s a picnic to win the motorcycle race.
「オートバイのレースで勝つなんて朝飯前です」

It’s no picnic getting on a train during the morning rush hour.
「朝の通勤ラッシュ時に電車に乗り込むのは簡単なことではありません」

9. have other fish to fry:他にやるべきことがある

fishfri

もともとはフランスで生まれた慣用句で、それが英語に変換された後に浸透したそうです。欧米でフィッシュアンドチップスがよく食べられることを考えれば、「他にやるべきことがある」という言い回しに“other fish to fry”(他に揚げるべき魚)が使われるのも理解できます。また、“have bigger fish to fry”と言われることもあります。

I can’t help you now, because I have other fish to fry.
「他にやるべきことがあるので、今は手伝うことができません」

The reason I could not attend the meeting was that I had bigger fish to fry.
「ミーティングに参加できなかったのは、他にやらなきゃいけない仕事があったからです」

10. be in the pink of health:元気いっぱい

直訳してしまうと「健康のピンクで」になってしまいますが、英語の“pink”には健康さや活発さといったイメージがあり、「元気いっぱいの」「健康そのものだ」といった慣用句として使われています。赤ちゃんのピンク色の頬や、スポーツマンが活発に運動したときに赤く染まった頬などから連想したイメージなんだとか。

日本では性的なイメージもあるピンクですが、国が違えばその感覚もまったく異なるんですね。ちなみに、“be pinky”は活発な人に対して使われます。

My grandfather is in the pink of health considering his age.
「私の祖父は年齢のわりに健康そのものです」

Few weeks after I’ve got sick in bed, I was back in the pink of health.
「病気になってから数週間後、私はすっかり元気いっぱいになりました」

おわりに

使ってみたい慣用句はありましたか? 日本語でも連想しやすいフレーズもあれば、予想もつかない表現までさまざまですが、どれも国や地域の文化が表れていておもしろいですね。

もちろん、やりとりのほとんどは直接的な表現でなされるものですが、その中でちょっとしたアクセントとして慣用句を用いることができたら英語のレベルがぐんっと上がります。ぜひまずは一度使ってみて、しっくりくるものがあれば積極的に活用してください。