Yui
(更新)
"hold" という単語を見ると、みなさんはどのような意味・イメージを思い浮かべますか?
もっとも訳されやすい意味は「〜を持つ」かもしれません。でも、ひとつの訳を覚えたらそれでいいわけじゃないのが英語の難しいところです!
前置詞と一緒に使ったり、慣用的な使い方をマスターすることで、さらに表現の幅が広がります。
この記事では、"hold" のいろんな使い方をご紹介します。
まずは、”hold +目的語”の意外な使い方です。"hold" は「~を控える・入れない」という意味もあります。
なので例えばファーストフード店でハンバーガーを買うときなど、「〜を抜く」の意味で使えます。
「玉ねぎが苦手!」というときは店員さんにこのように言うことができます。
「玉ねぎは抜いてください。おならが出ちゃうから!」
"hold" は一緒に使われる前置詞によっても意味が様々に変わります。
”Hold on!” は海外ドラマなどでも聞くことの多いフレーズではないでしょうか?
「待つ」という意味ですが、言い方によっては少し強い印象になり、「待ってよ」とイライラしいる印象をネイティブスピーカーは持ってしまうようです。
例えば、電話中のお母さんに子どもが構ってほしくてこう言っているとき。
「ママ!ママ!ねーってば!こっち来てボクの描いた絵を見てよ!」
「(電話の相手に)ちょっと待って。グラント、落ち着いて!ママは電話で話しているでしょう?あとですぐ見るからね、いい?」
こちらは、「〜を延期させる」という意味。
"put off" と同じ意味で使われ、TOEICにも頻出です。
「うーん、思ったよりずっと天気悪いね」
「じゃあ洗車は明日に延期しよっか」
一つの意味は「〜を脅して強盗する」です。
海外ドラマや映画で、銃を持った人が ”Hold up!” と言っているのを聞いたことがありませんか?この表現を聞くと事件の臭いがします!
スラング的な使い方ですが、銃や暴力で脅し相手からなにかを奪おうとすることで、「動くな!」という意味になります。
受け身の形で使われることもよくあります。
「昨日銀行の事件について聞いた?」
「聞いてないよ。なにがあったの?」
「銀行員が銃を向けられて脅されたんだって。でも彼女は非常ベルを押したから、警察がなんとか助けに間に合ったらしいよ」
「わぁ、やばいね」
また、"hold someone up" と目的語に人が入ると、「(誰かを)待たせる」ことを意味します。
「ハニー、どこにいたの?心配したよ!」
「ごめんね遅れちゃった。スーパーのレジが長引いちゃった。クーポンを全然受け取ってくれなかったのよ!」
「遠慮する」という意味の表現。
また、"hold someone back" とすると、「思いとどまらせる」という意味になります。
夢など抽象的なものの話をしているとき、その実現から遠ざけてしまうことを意味します。
「止めないで!私は私の夢を追いかけるのよ」
「そう?まあ頑張ってね!」
さて、"hold" には慣用句的に使われるフレーズもたくさんあります。
慣用句とは、直訳ではなく、その塊で意味をなすようなフレーズのことです。直訳していたら、本来の意味は伝わらない場合も多いでしょう。
ではどのような慣用句があるのか、見てみましょう!
「約束を守らせる」という意味になります。
"it"(約束)にくくりつけて、ちゃんと守るようにさせるようなイメージです。
「ママ、子犬がほしいよ!毎日私が散歩させるって約束するから!お願ーい!!」
「いいわよ、でも絶対約束を守ってもらうからね。よく面倒を見るのよ!」
「舌を押さえる」という直訳から想像できるかもしれませんが、「言いたいことがあるけど言わない」、という意味になります。
「昨日のステイシーの服装見た?」
「見た見た!超ださかったね!」
「ね!彼女に言ってしまいたかったわ。我慢するのが大変だった!」
電話を持っていて、と訳してしまいがちですが、実際には「えっ本当に?」という驚きを表すフレーズです。
昔、新聞記者同士が電話で話していたときに、びっくりするようなニュースを聞いたときに「落ち着け、電話を落とすな」と言ったのが起源だそうです。
「聞いて!私、妊娠したのよ」
「えっ待って、待ってよ!あなた彼氏もいなかったじゃない。どうやって妊娠したの?!」
「足を火にあぶる」なんて怖い表現ですね。
そのイメージのまま、誰かの足を火に近づけて脅しながら、「無理やり何かをやらせること」を意味します。
「ビル!ヘレンのことを僕の妻には話すなってあれほど頼んだのに」
「僕も言いたくなかったよ。でもしょうがなかったんだ!君の奥さん、無理やり僕に口を割らせたんだよ…」
直訳すると「息を止める」「固唾を飲む」です。
真剣なとき・集中しているにも思わず息を止めてしまいますよね。そんなイメージから、「期待を持ってなにかを待ち望む」という意味のイディオムとして使われます。
この否定形で、 "Don’t hold your breath!" (そんなこと叶いっこないよ!=期待するなよ!)と言う意味で使われることが多いです。
「アメリカの大統領になりたいんだ!」
「君が?ははは。そんなことは起こりっこないよ」
「でもトランプが大統領になったんだよ?彼ができるなら、僕だってできるさ」
「ま、まあね…」
ひとつの意味に訳せないのが英語の難しいところです。
"hold" = 「持つ」だけでない、いろんな表現方法を知り、自分の場合だったらどのように使えるかを考えてみましょう!
会話ごと記憶することで、頭に残りやすいので、今回の記事のダイアローグ例が役に立てば幸いです。