"the" の有無で英文の意味が変わる!? the の正しい使い方を例文から探ろう!

theの使い方

英語学習者にとって最も理解しづらいテーマの1つが冠詞 "the" の有無

そもそも日本語には冠詞の概念がなく、また学校の試験でもそこまで重要視されないため、苦手意識を抱えたままの英語学習者が非常に多いようです。

その複雑さから、文法書の解説を読んでみても本質的な意味を理解する前に投げ出してしまう人も。

そこで今回は方向性を変え、theの有無で意味が大きく変わってしまう英語表現を通して、theの正体を迫ってみましょう。

theにはどんな意味がある?

まず、"the" の基本的な原則がこちら。

「聞き手や読み手が対象の名詞を特定できるものには "the" がつき、特定できないものにはつかない」

と言われても、これだけではよくわかりませんよね。さまざまな例をみながら、この原則の意味を考えてみましょう。

timeにtheをつけると?

  • Do you have the time?
    「今何時でしょうか?」
  • Do you have time?
    「時間ありますか?」

この場合、 "the time" は「今の時間」つまり「現在時刻という特定の時間」を聞いています。つまり、the time(現在時刻)をhave(持っている)か、「今何時ですか?」という意味になるわけです。

逆にtheがつかないと、漠然と時間があるかを尋ねており、お誘いやナンパの文句になるわけですね。

numberにtheをつけると?

「数」という意味で知られる “number” 。これに“the”がつくと回数や個数といった特定の数を表します。逆に “a” がつくと不特定の数になり、「いくつかの~」という意味になります。

  • The number of accidents is decreasing.
    「事故の回数が減少している」
  • There were a number of accidents.
    「いくつかの事故があった」

ちなみに、「the number of~」は単数扱い、「a number of~」は複数扱いなので、これも両者を見分けるヒントになります。

officeにtheをつけると?

会社で電話を取り次いで、同僚がすでに帰宅したことを伝えたいとき、theをつけないと大変なことに!

  • She left the office for lunch.
    「彼女は昼食のため会社を出た」
  • She left office one month ago.
    「彼女は一か月前に退職した」

“the office” は「建物自体」を指しますが、theがつかない “office” は「組織としての会社」を指します。したがって同じleaveでも「建物を出る(帰宅、外出)」と「会社を去る(退職)」という違いが出ます。

“go to (the)〇〇” でtheをつけないと?

officeでの例のように、theを伴う名詞はその建物や場所自体に焦点が置かれるのに対し、theを伴わない名詞はそこでおこなわれる「できごと」を意識した意味になることが多いです。

例えば “hospital” という名詞も、前にtheをつけるかどうかで意味が変わります。病院(という建物)に行く目的がお見舞いや仕事なら、

  • I went to the hospital to see a friend of mine.
    「友達に会いに病院に行った」

となりますが、病院で医療行為を受けることが目的であれば、

  • I went to hospital because of illness(sickness).
    「私は病気のため通院した」

となります。ちなみに医療目的で病院に行くと言いたい場合、 “see a doctor” のほうがより一般的です。

続いて "go to (the) sea" ではtheの有無でどう変わるでしょう?

  • go to the sea
    「(遊びやレジャーなどで)海に行く」
  • go to sea
    「航海に出る、船乗りになる」

どこか特定の海に行くだけなのか、漠然と広い航海に乗り出すか。全然違う意味になりますね。こういった理由から、以下のような漠然としたニュアンスを表したいときにはtheはつきません。

  • go to class:「授業に出る」
  • go to college:「大学に通う、大学生である」
  • go to bed:「就寝する」
  • go to prison:「服役する」
  • go to church:「礼拝する」

theの有無で全部か一部かが変わる

「これは私が昨日買った本です」という英文も、theの有無によって次のようなニュアンスの違いが出てきます。

  • This is the book I bought yesterday.
    「これは私が昨日買った本です」(この本しか買っていない)
  • This is a book I bought yesterday.
    「これは私が昨日買った本です」(他の本も買っている)

theがつくと「昨日買った本」そのものを特定することになり、その一冊しか買っていないことを示します。逆に、 “a” がつくことで「昨日買った本」のうちの1つであることを示しています。

  • They are the members of the team.
    「彼らは委員会のメンバー(の全員)です」
  • They are members of the team.
    「彼らはチームのメンバー(の一部)です」

こちらの例も同様に、 “the members” がteamを構成するものの全てであることを意味します。このように、theがあるかないかで、その構成要素の全てであるか一部であるかが変わってくるんです。

固有名詞にtheをつけると意味が変わる

アメリカ大統領が執務する建物といえば「ホワイトハウス」。英語表記では “the White House” とtheをつけます。

しかし、文法書をみると「原則として、地名、人名などの固有名詞には a, the など冠詞は付かない」とあります。「ホワイトハウス」は固有名詞として扱われているのに、なぜ “the” がつくのでしょうか?

この原則には例外があり、何らかの形で普通名詞が主要語になっている固有名詞には “the” がつきます。この場合、 “white house” はそもそも普通名詞であり、ただの「白い家」となるところに、theをつけることで固有名詞として扱っているのです。

  • the United States of America(アメリカ合衆国)
  • the Atlantic Ocean(大西洋)
  • the British Museum(大英博物館)
  • the Times(雑誌の「タイム」)

太字の部分は普通名詞、これにtheをつけることで固有名詞化しているのです。

おわりに

「聞き手や読み手が、対象の名詞を特定できるものにはtheがつき、特定できないものにはtheはつかない」という原則の意味をご理解いただけたでしょうか?

これまであまりtheを気にしてこなかった方も、この記事を参考にtheの意味や必要性について考えることで、英語学習を上達するきっかけになれば幸いです!
【まちがいやすい英語の文法を理解しよう!】