西東 たまき
(更新)
会話に交えると知的な印象を残せることわざ、英語でも覚えてみませんか?
日本語と発想や表現が同じことわざがたくさんあるというのは面白い発見になりますし、逆に、英語ならではの「なるほどな表現」もたくさんあります。
日本語でも英語でも、ことわざというものはテンポの良い表現が特徴なので、覚えるのも難しくありません。
本記事では、馴染みのあることわざ44個を挙げています。どんなものがあるのか、早速見てみましょう!
「ことわざ」は英語で “proverb” “adage” “saying” などと言います。 “aphorism(格言)” という言い方もあります。
まずは、言語・文化の壁を越えて「正に日本語と同じ表現!」ということわざからご紹介していきましょう。
「笑いは百薬の長」
「鉄は熱いうちに打て」
「隣の芝は青い」
「便りのないのは良い便り」
「ペンは剣より強し」
「沈黙は金」
「時は金なり」
「壁に耳あり」
「言うは易く行うは難し」
「必要は発明の母」
「果報は寝て待て」
「終わりよければすべて良し」
「木を見て森を見ず」
「二兎を追う者は一兎をも得ず」
「ウサギ」といえば “rabbit” が思い付くところですが、 “hare” もまたウサギ(野ウサギ)のことです。
「備えあれば憂いなし」
「後で悔やむことになるより、安全策を取っておく方が良い」です。
「火のないところに煙は立たぬ」
英語では「煙があるところには、火があるものだ」という肯定表現になっています。
「ローマは一日にして成らず」
この有名なことわざは “A journey of a thousand miles begins with a single step(千里の道も一歩から)” で言い換えることもできます。こちらは古代中国の思想家「老子(Lao Tzu)」の言葉です。
ここからは、日本語の表現に通じるところがあるため理解しやすいことわざを挙げます。
「郷に入っては郷に従え」
英語だと「ローマに入りてはローマ人のように振る舞え」と表現します。
「取らぬ狸の皮算用」
「タヌキの皮」は、英語版では「ヒヨコ」で言い換えられています。「ヒナが孵(かえ)るまで、数を当てにしないように」です。
「習うより慣れろ」
「練習(practice)こそが“perfect”を可能にします。」
「我が家が一番」
「自宅に勝る場所はない」…誰にとっても、最もくつろげる場所は自宅なのです。
「三人寄れば文殊の知恵」
日本語では「3」、英語では「2」になっています。3人でないとしても、1人よりは2人の知恵を合わせた方が良いですよね。
「人は見た目に寄らず」
英語では本のカバーに例えた表現になっています。表紙だけで本の中身まで評価することはできません。
「百聞は一見にしかず」
千の言葉を尽くして説明するより、一枚の絵を見てもらった方が話が早いですよね。
「早起きは三文の徳」
英語バージョンでは「三文」が「ムシ」に取って代わられています!早起きすれば、他の鳥に取られてしまう前にエサを見つけられますね!
「覆水盆に返らず」
こぼしてしまったミルクを嘆いても仕方ありません。 “It’s no use ~ing(~しても仕方が無い)” のフレーズは、覚えておくと便利です。
「明日は明日の風が吹く」
「明日はまた新たな一日」…仕方のないことで落ち込んでいる友人を励ますのに使えそうです。
「さわらぬ神にたたりなし」
せっかく寝ている犬は、そのまま寝かせておきましょう。
「去るものは日々に疎し」
目にする機会がなければ、心に思い浮かぶ機会もなくなります。
「類は友を呼ぶ」
“birds of a feather” は「同類の人たち」を意味します。 “flock” は群れをなすことです。
「蓼食う虫も好きずき」
“accounting” には「説明」という意味もあります。好きなものに理由なんてありません。
「知らぬが仏」
無知(ignorance)でいられるのは幸い(bliss)です。知ってしまったら苦悩するようなことが世の中にはたくさんあります。
「憎まれっ子世にはばかる」
大事な植物は手塩にかけても枯れてしまうことがあるのに、要らぬ雑草は放っておいてもどんどん繁殖しますね。 “apace” は、硬い表現で “quickly” と同じ意味です。
「捨てる神あれば拾う神あり」
ある人にとってはゴミ(trash)でも、他の人にとっては価値ある宝(treasure)だったりしますよね。
「虎穴に入らずんば虎児を得ず」
欲しいものを手に入れる(gain)には、リスクを取る(venture)必要があるのです。
「苦は楽の種」
「痛みなくして得られるものなし」と訳せます。
こちらは、日本語とは全く違う発想の表現が用いられたことわざです。どれも「言い得て妙」な面白さがあります。
「背に腹は変えられない」
物乞い(beggar)は、選り好みできる立場(chooser)にはありませんね。
「船頭多くして船山に登る」
“broth” は「だし汁」のことです。料理人の数が多いと現場は混乱し、せっかくの味も台無しになってしまいます。
「カエルの子はカエル」
英語では、「リンゴの実は樹から遠くへは落ちない」という表現になっています。
「思い立ったが吉日」
上でご紹介した “There’s no place like home” と同じ作りになっていますね。「今が絶好のとき」ということです。
「長いものには巻かれろ」
「勝てそうもない相手なら、いっそのこと仲間になってしまった方が得策」です。
「三つ子の魂百まで」
英語バージョンでは、生まれついたまま生涯変わらないヒョウ(leopard)の体の斑点(spot)に例えています。
「楽あれば苦あり」
トゲ(=thorn)のないバラ(=幸福の象徴)はありません。
「悪銭身につかず」
簡単に手に入るものは、簡単に手から離れて行くものです。
以上、英語にもある日本のことわざを44個ご紹介しました。
ことわざ・格言というのは時代を超えて言い伝えられているだけに、言語・表現が違っていても腑に落ちるものばかりではありませんでしたか?
“Easy come, easy go” や “No pain, no gain”など、シンプルでリズムの良いものは、言葉を入れ替えて遊んでみるのも面白いですよ。“There’s no~ like・・・” や “Better~ than・・・” などのパターンも覚えておくと、応用できて便利です!
有名なことわざを引用して自分の表現に使うことができると、一目置かれるかもしれません?!