Hiroe H
(更新)
「May I〜 と Can I〜 の違いって何?」と聞かれたら、皆さんは何と答えますか?
「May I〜 が丁寧な言い方で、Can I〜 がカジュアルな言い方でしょ」と答える方が多いのでは。
確かにこの2つには丁寧さの違いはありますが、丁寧さ以外にも違いがあるんです!
今日は、May I〜と Can I〜 の意味の違いや、May I〜/Can I〜 への自然な英語の返答の仕方などを紹介します。
2つの違いをしっかり学べば、ネイティブのように自然に使い分けることができるでしょう。
まずは May I〜 と Can I〜 をどのように使い、日本語だとどのような意味になるかを見ていきたいと思います。
そして May I〜 と Can I〜 の丁寧さの違いとシーン別の使い方、さらには May と Can の根本的な意味自体の違いやニュアンスの違いも見ていきましょう。
May I〜 と Can I〜 には「〜しても良いですか?」というように、「許可を求める」意味があります。
実際に例文で見てみましょう。
「ペンをお借りしても良いですか?」
「ペン貸してくれる?」
この2つの例文はどちらもペンを借りるために許可を求めています。
「(部屋に)入ってもよろしいですか?」
「(部屋に)入ってもいい?」
この2つの例文も部屋に入るための許可を求めていますね。
「〜しても良いですか?」と「許可を求める」ときに使えるのが、May I〜 と Can I〜 と覚えると良いでしょう。
それでは次に May I〜 と Can I〜 の違いを詳しく見ていきましょう。
上述の例文の日本語訳を見てもうお分かりかと思いますが、May I〜 と Can I〜 には丁寧さの違いがあります。
May I〜 は Can I〜 より形式ばった言い方で、Can I〜 ほど使われる頻度も高くありません。
言い換えると、May I〜 がフォーマルで Can I〜 がカジュアルな言い方です。
ビジネスシーンや、目上の人に対して使うなら May I〜 を、友人や家族に使うなら Can I〜 を使う、と覚えておくと良いですね。
続いて、May I〜 が使われる場面の例文を見てみましょう。
「席を立っても良いですか?」
こちらは授業中、生徒が先生に「トイレに行っても良いですか?」と聞くときなど、目上の人に対して使う英語表現です。
しつけのしっかりした家庭で耳にすることもあります。例えば、夕食の席で子供が先に食べ終わり、別の部屋に行ったりテレビを見たりしたいので、子供は「席を立っても良いですか?」と親に聞きます。
しつけの厳しい家なら、家族とはいえ親は敬わなければいけないので、May I〜 を使うというわけです。
また、フォーマルさに関係なく、あえて May I〜 を使う場合もあります。例えば、相手に求める許可の内容が「ちょっと無理かな?」「断られるかな?」と思うようなときに使います。
「30分早く会議を抜けてもよろしいですか?」
「ゴールデンウィーク最後になんとかもう1日余分に休日を取ってもよろしいですか?」
よっぽどの事情がない限り、大事な会議を早く抜けたり、追加で休みを取ったりするのは難しいですよね。こういう場合に、あえて May I〜 を使ったりもします。
次に、Can I〜 が使われる場面の例文を見てみましょう。
「電話使ってもいい?」
こちらは Can を使っていることから、友人など気の知れた人に言っているんだろうな、と推測できますね。
前述のように、May I〜 と Can I〜 はどちらも「〜しても良いですか?」と訳せますが、実は may と can は根本的に意味が違います。
may が「〜してもよろしい」「〜しても差し支えない」という「容認」の意味があるのに対し、can は「〜できる」「〜することが可能」という「能力」を表します。
根本的な意味の違いを例文で確認してみましょう。
「部屋を退室してよろしい」
この例文は、「部屋を退室して良い・退室しても差し支えない」という「容認」を表しています。
「彼は速く走ることができる」
一方、この例文は、「速く走ることができる」という「能力」を表しています。
昔はこの may/can を厳密に使い分けるべきだという意見が強かったのですが、現在ではどちらも「許可」の意味として広く使われるようになり、この2つの区別は徐々になくなりつつあるようです。
次の例文を見てみましょう。
「試験が終わったら、退出しても良い」
先生は生徒が教室を出ることを差し支えないと容認、または退出して良いと許可しています。
「私はまだ準備できてないけど、急いでいるなら先に出ていいわよ」
自分より先に出ることが可能、または出ても良い(許可)と相手に言っています。
このように、may/can の区別はなくなってきていますので、自分が使用する際は、そこまで強く意識をする必要はありません。
では May I〜/Can I〜 と英語で質問されたら何と答えたら良いのでしょうか?
ここでは自然な返答の仕方と、注意点を見ていきましょう。
May I〜 と丁寧に聞かれた場合、同じく丁寧に答えるのが自然です。
この場合は、Certainly(もちろんです・いいですよ)や Of course(もちろんいいですよ)などと返すのが良いでしょう。
Can I〜 で聞かれた場合は、May I〜 ほど丁寧に返事する必要はないので、Sure(いいとも・もちろん)や Go ahead(どうぞ)などがよく使われます。
もちろん、May I〜 の質問に対して Sure や Go ahead で返答しても間違いではありませんが、Certainly や Of course の方がよりフォーマルであることは覚えておいてください。
「お手洗いをお借りしてもよろしいですか?」
「もちろんですよ」
「水を一杯もらってもいい?」
「どうぞ」
May I〜 と聞かれたら Yes, you may. または No, you may not. と答えれば良いんじゃないの?、と思われた方もいるかと思います。
確かに文法的には正しいのですが、これは上から目線の言い方になってしまいますので、注意が必要です。
「入ってもよろしいですか?」
「よろしい」
これだと、どこかの社長さんが話しているように聞こえてしまいます。
May I〜 の質問には先述の通り、Certainly/Of course、または Sure/Go ahead と答えるのが自然かつ望ましいです。
「許可」を求める May I〜 と Can I 〜 の違い、いかがでしたか?
丁寧さの違いだけでなく、根本的な意味の違いや、あえて May I〜 を使う場面、自然な返事の仕方などを紹介しました。
May I〜 の答え方では、ネイティブに「うわ、この人上から目線だな」と思われないよう、注意してみてください。
実際の会話では Can I〜 を使うことの方が多いですし、Can I〜 に please を付けることで丁寧な言い方にもなりますから、May I〜 の使用頻度は意外と低いです。
ですが、細かな違いまで覚えることで、英語力の上達につながりますので、意味の違いや使い分けを意識してみてくださいね。