西東 たまき
(更新)
何かの拍子で過去の「思い出」に触れたときに感じる「懐かしい」という感覚。
子供の頃の思い出や昔の流行り物など、懐かしい話で人と盛り上がることもあるでしょう。
生活や文化が異なる海外の人と「懐かしさ」を分かち合うのは難しいと思うかもしれませんが、世界中の情報が手に入りやすくなった今、海外の人たちとも過去の流行やその懐かしさを共有できる可能性は高くなってきています。
英語でも、「懐かしい」といった気持ちや「思い出」に関する表現を知っておけば、「あ、懐かしい」と思ったときにすぐに口にして共有することができますね。
そこで今回は、思い出や懐かしさを語る英語表現についてご案内していきます!
まずは、「思い出」を意味する英語表現を確認しましょう。
「思い出」といえば、カタカナ書きでもよく使われている memory を思い浮かべた人も多いかもしれません。
パソコンなどでデータを記憶する装置「メモリ/メモリー」のことでもあります。「思い出、記憶(力)」といった意味です。
ある1つの思い出であれば単数形、数々の思い出があるとき複数形 memories で使います。
「誰にも言ったことがない暗い思い出があるんだ」
「私たちの新しい思い出を作りましょう」
また、「記憶力」の意味で使うときは単数形になります。
「あなたは名前を覚える記憶力が抜群ですね」
remember「思い出す、覚えている」の名詞形です。
memory と同じように「思い出、記憶(力)」の意味で使えますが、文学的なニュアンスがあり、日常会話で使うには硬い表現です。
「私の父の記憶はかなりあいまいだ」
また、in remembrance of ~ で「〜を偲んで」という英語の定型表現になります。
「災害被害者を偲んで」
memory や remembrance と同じ意味ですが、reminiscence には文学的な響きがあり、「追憶、回想」といったニュアンスです。
「その映画は、彼の少年時代の回想から始まる」
自然に思い出されたというよりは、「記憶を手繰って思い出した事柄」というニュアンスがあります。
「私の記憶だと、あなたにお金を貸したのは私です」
「どんな思い出なのか」を英語で表現するには形容詞を使います。「思い出」という言葉と相性の良い形容詞の例を見てみましょう。
best は「もっとも良い」という意味なので、best memory/memories で「最高の思い出」となります。
「それは私の子供の頃の最高の思い出の1つです」
unforgettable は「忘れられない」という意味の形容詞です。
「(これらの忘れられない思い出は、生涯、私の宝であり続けるだろう」
英語の sweet の意味は「甘い」だけではありません。good/happy/pleasant と同じような「良い、素敵な、心地良い」といった意味も持っています。
「ここで過ごした日々の素敵な思い出を大切にします」
「大切な思い出」って言いますよね。この場合、英語では important「大切な、重要な」よりも precious「貴重な」を使う方がしっくりきます。
「このアルバムには、私の貴重な思い出が詰まっています」
ときには「悲しい」思い出もあるでしょう。文字通り sad を使います。
「悲しい思い出を消し去る方法を教えて欲しいよ」
辛い思い出は painful「痛い、辛い、苦しい」で伝えることができます。
「その言葉を聞くたびに、辛い思い出がよみがえる」
次は、「懐かしい」「昔よく〜したものだ」など、思い出について語るときの英語表現を見てみましょう。
「もはや過去になってしまったことを懐かしむ」ときに、よく使う動詞です。去って行く人を惜しんで I miss you「寂しくなります」と言ったりします。
「昔の仲間たちが懐かしいなあ」
「~」の部分をきっかけに「何か思い出すことがある」ときに使う英語表現です。
「この曲は古き良き時代を思い出させる=この曲を聴くと古き良き時代を思い出す」
remember は forget「忘れる」の反対語で「思い出す、覚えている」という意味です。
「彼女の誕生日を覚えてる?」
受け身の形にした次のような表現は、英語ならではの決まり文句です。
「あなたはいつも思い出されるでしょう」
=「あなたのことは忘れません」
re-「再び」と call「呼ぶ」で文字通り「再び呼び起こす」という意味になっています。
自然に思い出されるというよりは、意識して思い出そうとするようなときに使います。
「あの夜はどうやって帰宅したのか思い出せない」
used to ~ で「前はよく~したものだ」という意味の英語フレーズになります。
「10代の頃は、よくこういった音楽を聴いたものだよ」
be used to ~ となると「~に慣れている」というまったく別の意味になってしまうので注意しましょう。
「彼女のフランス語訛りにも段々慣れてきました」
「ノスタルジア」や「ノスタルジック」といった言葉も聞いたことがあるでしょう。「懐かしさ、郷愁」を表す言葉です。
nostalgia「ノスタルジア」は名詞、nostalgic「ノスタルジック」は形容詞です。
「何となく懐かしい感じがする」
どこかの歌で聞いたことがありそうな言葉「メモリーレーン」。
take a walk/trip down memory lane は「昔懐かしい思い出の数々に思いを馳せる」といった意味の英語の定型表現です。
「古いビデオを見ながら、懐かしい思い出の数々に思いを馳せていた」
今回は、「思い出」「懐かしい」などにまつわる英語表現を集めてみました。
人と思い出を共有したり、懐かしい気持ちを伝えたりするときに使ってみてください。
「思い出」や「懐かしいという感情」について人と話すことは、お互いを知る貴重なトピックになります。
英語でも懐かしい思い出の話をして、より深いコミュニケーション作りに活かしてみてはいかがでしょうか。