SHIORI
(更新)
DMM英会話のオリジナル教材「デイリーニュース」で、以前、「Baker and Smith: Surnames That Come from Jobs(ベーカーにスミス:職業に由来する名字)」という気になるトピックがありました。
英語圏には職業をベースにした苗字がたくさんあるのをご存知ですか?
苗字は昔、複数の同じ名前の人たちとの区別をつけるために、その当時の職業を付け足して呼んでいたことからできたとされています。それが現在にも引き継がれ、使われているのです。
そのため、英語圏の苗字を見ると、その人の祖先がどのような仕事をしていたのかがわかります。それってちょっと面白いですよね?
そこで今回は、デイリーニュースで紹介されていなかった職業ベースの苗字をいくつか紹介していきたいと思います。
「チャップマン」という苗字は、古い英語である céapmann という単語から来ていて、「商人」という職業を表します。
1600年代には、旅行の営業マンに対して使われることが多くなりましたが、お客様に対しても使われていたようです。
「フラー」は、ウールを綺麗にして太くしていく作業をする人(毛織物縮充工、洗い張り屋など)を指します。
当初は手や足で作業していましたが、だんだんと水車を使うようになったりと、手足で作業をする必要がなくなっていきました。
現代では機械が作業をしてくれるため、このような職業はほとんどなくなってしまいましたが、昔はとても需要のある仕事でした。
Tucker や Walker も Fuller と似たような職業柄を表す苗字です。
「マーシャル」は、馬を取り扱う職業を指します。
この Marshall という単語は、ドイツ語起源の単語 mare(horse:馬)と Skalkoz(servant:召し使い)が由来とされています。
「ポーター」という苗字は、古いフランス語の portier から来ており、doorkeeper、gatekeeper、watchman などという意味があります。
どれもドアマンやお城の門番をしていた人たちのことですね。いちばん古い記録としては、1086年にウィンチェスター城で働いていた門番から来ているそうですよ。
現在では、アメリカで Porter の苗字を持つ人は約171,603人もいるそうです。
「リッター」はドイツ語の苗字で、英語でいう Rider/Ryder に当たります。
Rider には、「騎手・乗り手」という意味があり、その名の通り馬に乗る人のことを指します。「騎士」もそれに含まれていたかもしれません。
しかし、1066年のイギリスによるノルマン征服後は Rider は単なるメッセンジャー(使者)を指すようになりました。
一方で、騎士は領地と身分を持った位の高い存在になっていきました。
「フィッシャー」という苗字は、皆さんもなんとなく想像つくと思いますが、今でいう漁師を指します。
古い英単語の Fiscere から来た言葉で、「魚を釣る人」という意味があります。
「ワグナー」はアメリカでよく目にする苗字で、Wagon Maker「荷車を作る人」、または Wagon Driver「荷車を引く人」という意味の古いドイツ語から来ています。
元々は職業からきたこの苗字ですが、ほかの苗字のようにそのまま代々受け継がれてきたわけでは無いようです。
例えば「ワグナー」という苗字の人は、有名な作曲家や音楽家、作家など、創作の才能を持っていることが多かったのです。
現代において「ワグナー」姓を持つ人は、祖先にそういった才能を持っていた人が多いのかもしれません。
「ブラック」という苗字は、布を染める職業の Dyer から来たと言われています。
昔はすべての布が白色だったため、色をつけるのに白からカラフルな色に染める必要がありました。
「染める」は英語で dye と言い、染める作業をしていた人は Dyer と呼ばれていました。
「チャンドラー」という苗字はロウソク製造業者を指します。
獣脂やロウソク、石鹸などを作ったり売ったりしていた人たちのことです。
また、ある特定の小売商人、例えば船具商人などを指すこともあるみたいですよ。
「ミラー」は、穀物を粉状にする作業をする人を指します。
材料を押しつぶして加工する機械のことを mill というため、その機会を使う人のことを miller と呼んでいました。
さまざまなスペルの「ミラー」が存在しますが、どれも同じ意味を持った苗字です。
いかがでしたか?
昔の人は職業で同じ名前の人たちを区別していて、それが次第に苗字として使われるようになりました。
DMM英会話のデイリーニュース記事では、さらに Baker、Butcher、Brewer、Smith、Cooper、Wright、Kellogg などの苗字の由来についても解説していますので、興味がありましたらこちらもぜひ読んでみてください。
職業ベースの苗字はまだまだたくさんあります。いろいろ調べてみるとさらに面白い発見ができるかもしれません!