英語には、単語を見ただけでは理解できない表現がたくさんあります。
そのなかには、似たような響きを持つ単語が奇妙なパターンで並んでいたり、韻を踏んでいたりするものもあります。
たとえば、nitty-gritty や dilly-dally という表現を聞いたことはありますか?
少し変に聞こえるかもしれませんが、これらの表現は日常的なコミュニケーションや、ときにはフォーマルな場面でもよく使われます。そのため、学習者にとって知っておくべき重要な表現なのです!
では早速、少し変に聞こえる単語ペアを見ていきましょう!
変な英単語ペア表現8選
Wishy-washy
Wash と聞くと水を思い浮かべるかもしれませんね。大量の水は強く重いものですが、少量の水は薄くかなり弱いです。この弱々しい感じが、「wishy-washy」という表現のニュアンスです。
「Wishy-washy」は、「優柔不断な」「はっきりしない」「曖昧な」という意味を表します。意見や態度が定まらず、決断力に欠ける人や行動を指す表現です。また、物事がしっかりしていない、頼りないというニュアンスも含まれます。
Kate can never seem to make a decision about her career. If she wants to be successful, she needs to stop being so wishy-washy.「ケイトは自分のキャリアについて決断することができないようだ。もし彼女が成功したいのなら、そのはっきりしない行動はやめるべきだ」
I've been wishy-washy with my language study until now, but this year I've decided to take it more seriously.「私のこれまでの語学勉強は中途半端でしたが、今年はもっと真剣に取り組むことにしました」
Nitty-gritty
この表現は、文脈によって名詞にも形容詞にもなります。どちらの場合でも、状況の最も基本的で重要な側面を指します。
Grit は砂や石のような小さな破片のことで、重いものを動かしたときに残ることが多いです。この意味から、nitty-gritty で何かの基礎や基本を指すことがあるのでしょう。
名詞としては、「get down to(〜の核心に近づく)」 と一緒に使われることが多くあります。
We don’t have time to waste, so let’s get down to the nitty-gritty of the problem.「無駄にしている時間はない。だから、問題の本質に迫ろう」
We hired a consultant to help us deal with the nitty-gritty of starting a business.「私たちはビジネスを始めるにあたって、細かいことに対処するためにコンサルタントを雇いました」
Dilly-dally
この表現は動詞で、どうでもいいことをして時間を浪費することを意味します。動詞の dally(ぐずぐずする、いちゃいちゃする)から来ていて、ゆっくり行動する、ゆっくり動くという意味です。日本語だと、ダラダラする、というのがしっくりくる表現ではないでしょうか。
We can't afford to dilly-dally with the deadline so close.「締め切りが近いのに、ダラダラしている余裕はない」
He's so lazy; all he does is dilly-dally and watch YouTube all day.「彼はとても怠け者で、一日中ダラダラしてユーチューブばかり見ている」
Willy-nilly
この韻を踏んだ表現は副詞です。否定的なニュアンスがあり、何かを自分の意志に関係なく行う、または無計画に、いい加減に行うという意味があります。
Instead of reaching potential customers willy-nilly, we need to develop a clear marketing strategy.「やみくもに潜在顧客にアプローチするのではなく、明確なマーケティング戦略を立てる必要がある」
I don't like to share personal information online willy-nilly.「個人情報をやみくもにオンラインで共有するのは好きではない」
Willy-nilly には、選択の余地がないから何かをするという意味もあります。
They were forced willy-nilly to accept the terms of the agreement.「彼らは合意の条件を受け入れるよう選択の余地なく強制された」
Flip-flop
英語でビーチサンダルを flip-flop と呼ぶのは既にご存知かも知れませんね。しかし、ここで取り上げる意味はそれとは大きく異なります。
実は、これは wishy-washy と同じ考えを表す動詞なのです。Wishy-washy は形容詞でしたが、こちらは動詞。
Flip-flopping とは、意見や立場を頻繁に変えることを指す英語のスラングです。
Stop flip-flopping and make a decision; are you coming to the event or not?「気変わりするのは、もうやめろ。イベントに来るのか来ないのか?」
The politician was accused of flip-flopping on major policy decisions.「その政治家は、主要な政策決定において選択肢を覆したと非難された」
Shilly-shally
これは flip-flop と同じ意味で、基本的な使い方も同じです。これは 「shill I, shall I」という古い表現から来ています。「will I or won't I? 」の別の言い方です。
We wasted so much time shilly-shallying that the tickets were sold out by the time we decided to go.「ためらっているうちに時間を無駄にしてしまい、決心したときにはチケットは売り切れていました」
The woman ordering her meal shilly-shallied without noticing the line of annoyed customers behind her.「食事を注文した女性は、彼女の後ろにいる迷惑そうな客の列に気づかず、気変わりを繰り返していた」
Teeter-totter
これは、シーソーの別名です。比喩的に使われる場合は、時間とともに変化する感情や要素を指すこともあります。
Many of the celebrity’s fans teeter-tottered on whether or not to support her through the scandal.「有名人のファンの多くは、スキャンダルを通して彼女を応援するかどうかで揺れ動いていた」
Investors were stressed by the stock prices that teeter-tottered all week.「投資家たちは、一週間中揺れ動いていた株価にストレスを感じていた」
Hem and haw
この表現は、dilly-dally と同じように使われ、重要な行動や決定を遅らせることを指します。
Lots of other people are interested in the house, so we don’t have time to hem and haw if we want to buy it ourselves.「多くの人がこの家に興味を持っているので、自分たちで買いたいのなら、のんびりしている暇はない」
Noah is not the kind of person who hems and haws; he can make bold decisions very quickly.「ノアは逡巡するような人ではなく、大胆な決断を素早く下すことができる」
Shilly-shallyせずにトライ!
今回紹介した用語は、教科書に載っていたり、学校の英語の授業で習ったりすることはまずないでしょう。
しかし、だからこそ、これらを上手に使うことで、あなたの英語はより自然に、ネイティブスピーカーのように聞こえるようになるのです。
だから、shilly-shally せずに(しり込みせずに)、必ず全部覚えて、次に機会があったら使ってみてくださいね!