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文法まで変わる!? 英語の方言による文法の違い

文法まで変わる!? 英語の方言による文法の違い

同じ英語でも地域によって、さまざまな違いがあることはご存じでしょう。

例えば、アメリカ英語とイギリス英語がいろいろな面で違っていることはよく知られていますが、なかには語彙だけでなく文法さえ大きく異なる英語も存在します。

今回はアメリカ英語とイギリス英語の主な違いに加え、「文法的な違い」にフォーカスしながら英語の方言についてもご紹介していきます!

アメリカ英語、イギリス英語【語彙とスペルの違い】

アメリカ英語とイギリス英語を耳で聞いたとき、すぐにわかる違いは発音の違いです。しばらく聞いていくと、今度は語彙の違いにも気付くでしょう。例えば身近な例だと…

アメリカ英語イギリス英語
手荷物hand baggagehand luggage
サッカーsoccerfootball
ピリオドperiodfull stop
フライドポテトFrench frieschips
ポテトチップchipscrisps
祝日public holidaybank holiday

文章を見るとスペルに違いがあることにも気付くはずです。

アメリカ英語イギリス英語
カタログcatalogcatalogue
プログラムprogramprogramme
センターcentercentre
労働laborlabour
travel の ing 形travelingtravelling
learn(習う)の過去形learnedlearnt

アメリカ英語、イギリス英語【文法上の違い】

アメリカ英語とイギリス英語では、文法にも相違点があります。

集合名詞を単数とするか複数とするか

場合によって変わることはあるものの、アメリカ英語では collective noun(集合名詞)は基本的に単数扱い、イギリス英語では複数扱いになることが多いです。

アメリカ英語【単数扱い】

The band is playing old songs.
「そのバンドは古い曲を演奏している」
The committee has decided to change the rule.
「委員会はルールの変更を決定した」
His team celebrates the victory.
「彼のチームは勝利を祝った」

イギリス英語【複数扱い】

The band are playing old songs.
「そのバンドは古い曲を演奏している」
The committee have decided to change the rule.
「委員会はルールの変更を決定した」
His team celebrate the victory.
「彼のチームは勝利を祝った」

使われる前置詞の違い

使われる preposition(前置詞)が異なるケースもあります。

アメリカ英語

On weekends, I play tennis.
「週末はテニスをする」 
Please fill out the form. 
「書類に記入してください」
Yours is different than mine.
「あなたものは私のものとは違う」

イギリス英語

At weekends, I play tennis.
「週末はテニスをする」
Please fill in the form.
「書類に記入してください」
Yours is different from mine. 
「あなたものは私のものとは違う」

句読点の違い

Punctuation(句読点)の使い方にも違いがあります。

日本の学校では Mr / Mrs / Ms あるいは Dr などの後ろにはピリオドを付けると習いました。しかし、イギリス英語では不要です。

  • アメリカ英語: Mr. / Mrs. / Ms.
  • イギリス英語: Mr / Mrs / Ms

英語の「引用符」とは、日本語の文章使うカギ括弧「」にあたる記号のことです。アメリカ英語ではコンマ二つずつの記号 “” を使いますが、一つずつのタイプ ‘’ が使われるのがイギリス式です。

  • アメリカ英語: "I'm hungry," said Alexa.
  • イギリス英語: ‘I'm hungry,’ said Alexa.

なお、「引用符」はアメリカ英語では quotation marks、イギリス英語では inverted commas と呼ばれます。

非標準英語にみられる文法の違い

文法的に正しいとされる「標準英語」のほかに、地域性が反映された「非標準英語」というのがあります。

独特の発音や言葉遣いを伴っていることが多く、旅行番組や映画などで耳にできたりします。代表的な特徴を挙げてみましょう。

否定表現の作り方の違い

外国語のなかには否定を表す言葉を二つ組み合わせてはじめて否定表現になる言語もあります。しかし、英語では一つの文章に否定を表す言葉を二つ使うことはしません。そういった文章は二重否定と呼ばれ、英文法では「正しくない」とされます。

しかしながら、方言のなかには二重否定表現がみられることがあります。

非標準英語

I don’t want to talk to nobody.
「誰とも話したくない」
I don’t want nothing at all.
「何も欲しくない」

標準英語

I don’t want to talk to anybody.
「誰とも話したくない」
I don’t want anything at all. 
「何も欲しくない」

3人称の扱いがない

do が does になるなどの3人称単数のルールが適用されない。

非標準英語

Watch what he do. 
「彼のやり方を見てごらん」
She don’t have no friends.
「彼女には友達がいない」

標準英語

Watch what he does.
「彼のやり方を見てごらん」
She doesn’t have any friends.
「彼女には友達がいない」

その他、省略や時制などの違い

be動詞の省略

He my brother.(=He is my brother/彼は私の兄弟だ)

be動詞の変化が違う

We was at home. (=We were at home/私たちは家にいた)

have / has の省略

She been working.(=She has been working/彼女はずっと働いている)

have / has not が ain’t で表される

Ain't got nothing.(=Haven’t got nothing=Haven’t got anything/何も持っていない)

独特の時制表現

She done left me.(=She has left me/彼女は私のもとから去っていった)

関連記事:ネイティブがよく使う「ain't」の正体|意味と使い方

文法の違いも意識してみよう

アメリカ英語とイギリス英語の相違点はじめ、英語方言にみられる文法の違いをまとめました。

日本の学校で習う英語はアメリカ英語ということもあり、私たちが圧倒的に馴染みがあるのはアメリカ英語です。スペルやスタイルの違いを「間違っている!」と認識しないためにも、まずはアメリカ英語とイギリス英語の主な違いは知っておくとよいでしょう。

記事ではそれら以外にも、独特のスタイルを持つ英語についてもご紹介しました。意識していると、映画のセリフや各地のレポート番組、あるいは音楽の歌詞などでサンプルが見つかります!