【洋楽で英語学習】英語の歌詞によく出てくるイディオムを解説
英語の歌詞には、たくさんの特殊なフレーズや表現が使われます。そのなかでも多く使われるのがイディオムです!
曲名がそもそもイディオムであったり、サビの歌詞でイディオムが繰り返されるなど、一曲を聴くだけでたくさんの英語表現に触れているかと思います。
今回は、人気の洋楽に出てくるイディオムを解説していきたいと思います。ぜひ、知っている曲も知らない曲も、英語表現に注目しながら一緒に聴いてみましょう!
英語の歌詞・曲名によく出てくるイディオム5選
Blow (one’s) mind
- Blow Your Mind (Mwah) - Dua Lipa
- Mickey - Toni Basil
刺激を受け驚く。心が揺さぶる。または、圧倒する/されることを英語では to blow (one’s) mind と言います。
たとえば、Dua Lipaのこの曲で繰り返される「Guaranteed, I can blow your mind」というフレーズ。これは、「私は確実にあなたを圧倒(刺激)させることができる」という意味です。ちなみに、曲のタイトルにある mwah という言葉は、キスをするときの音を表していますよ。
また、1981年にリリースされて流行した「Mickey」という曲でもこのイディオムが連呼されます。
Oh Mickey, you’re so fine
You’re so fine you blow my mind
この歌詞では、blow your mind ではなく blow my mind になっていますね。つまり、この曲では「ミッキーという人に(私は)圧倒される/された」ということを示しています。
では、実際の日常会話でどのように使えるのかを見てみましょう。
The last straw
- You’re Not Sorry - Taylor Swift
- Lost Cause - Billie Eilish
これは「最後のストロー」という意味ではありません!
The last straw は「我慢の限界」という意味合いを持ちます。「It's the last straw that breaks the camel's back(ラクダの背骨を折るのは最後の藁だ)」ということわざに由来するイディオムです。
「藁」を意味する straw と、飲み物を飲むときに利用する straw(ストロー)は発音もスペルも同じなので、文脈に気をつけましょう!
So you don't have to call anymore
I won't pick up the phone
This is the last straw
There's nothing left to beg for
もうこれ以上、頼み・望みはない。全部やることを尽くして、もう我慢の限界に達した様子を描いています。
I wonder if you were aware that day
Was the last straw for me and I know
I sent you flowers
Did you even care?
相手に対してもう我慢の限界で、これ以上尽くすことはないという歌詞ですね。ちなみに、この曲のタイトルでもある lost cause という表現は、「必ず失敗する人や物」に対して用いられます。
The last straw を実際に使える例文で見てみましょう。
Go down in flames
- Blank Space - Taylor Swift
- Obvious Blasé (feat. Travis Barker) - The Used
このイディオムの意味は、「見事に失敗したり、突然完全に終了したり、完全に台無しにされたり破壊される」ことです。建物や飛行機が火事や炎上の被害によって破壊されることに由来しています。
Go down in flames の他にも、go up in flames や go up in smoke などと言うことができますよ。すべて意味は同じです。「火」によって燃えて破壊されるというイメージで考えると、想像しやすいかと思います。
では、実際にこのイディオムを使っている曲の歌詞を見てみましょう!
So it’s gonna be forever
Or it’s gonna go down in flames
この歌詞では、「(人と人の関係が)永遠に続くか、突然終わるか」という表現をしていますね。
Playing with matches, we knew this would happen now
Watch it all go up in flames
If there’s a chance let’s bury the hatchet now
Watch it all go up in flames
この曲では、go down ではなく go up in flames を使っています。「マッチで遊んでいたから」こうなるのは予想していた。すべてが壊れていくのはわかっていた。そのような歌詞ですね!
実際に使うときは、go の過去形「went」が使われることも多いですよ。
Out of the blue
- Someone Like You - Adele
- Out of the Blue - Roxy Music
Out of the blue は、out of the clear, blue sky という文章が省略されたもので「突然に、警告なしに」という意味です。これは、歌詞や英語のセリフでもよく使われ、一般的な会話でも使われることが多いので、ぜひ覚えていってください!
I hate to turn up out of the blue, uninvited
But I couldn’t stay away, I couldn’t help it
アデルの歌詞では、「急に(突然)現れてごめんね」という意味合いが込められています。Uninvited は「招待されずに」という意味です。
Then out of the blue, love came rushing in
Out of the sky came the sun
Out of the field came a lucky day
Out of the blue, no more pain
Roxy Music(ロキシーミュージック)は、70年代より活動していたイギリスのロックバンドです。この曲の歌詞では、「突然愛がやってきた」「突然痛み(苦しみ)がなくなった」と言っていますね。
Take it easy
- Take It Easy - Eagles
- Take It Easy - Imagine Dragons
Take it easy というフレーズは聞いたことがあるのではないでしょうか? このイディオムには3つの意味があります!
1つ目は、(もっと)用心深く、落ち着いて、または穏やかになること。 多くの場合、命令として使用されます。怒り狂って暴れている人などに対して「落ち着いて!」と言うのと同じです。
2つ目は、「リラックスする」「のんびりする」のようなニュアンスで使うことができます。
そして3つ目は、「See you soon! Take it easy!」のように、別れの挨拶に使われることが多いです。
では、歌詞のなかではどのように用いられているのか見てみましょう。
Take it easy, take it easy
Don’t let the sound of your own wheels drive you crazy
これは、意味1に近いですね。Your own wheels という表現は、「自分のホイール/タイヤ」という意味ですが、おそらく「自分の考えや思考」を指しているかと思います。自分のネガティブな考えに狂わせられるのではなく、落ち着いて、気持ちを整理しようという意味です。
Take it easy on me
I need some lullabies
They tell me heaven’s just a lie
…
Can we just all hope for the best
Take it easy
Take it easy on me という表現には、「気楽に」や「やさしくして」という意味合いがあります。
イディオムがたくさん登場するおすすめの曲3選
歌詞によく出てくるイディオムを少し見たところで、次はいろんなイディオムが含まれている楽曲をおすすめしたいと思います!
Roar|Katy Perry
ケイティー・ペリーの「Roar」は比喩が多い曲です。曲名からして、roar は「咆哮(ほうこう)」という意味なので、「ライオン」を連想させていますね! では、この曲に出てくるイディオム4つの意味を見てみましょう。
Bite (one’s) tongue
- 意味:発言を控えること
- イメージ:(しゃべれないように)舌を噛む
Rock the boat
- 意味:安定した状況を乱すこと
- イメージ:船を(わざと)揺らす
Eye of the tiger
- 意味:単一の目標を達成することに焦点を当てること
- イメージ:狙った獲物を逃さない「虎の眼」を持つこと
To earn (one’s) stripes
- 意味:特定の仕事・ランクのスキルや能力があることを証明するために何かをすること、業績を上げる
- イメージ:軍服などについている階級を示す記章の「縞(ストライプ)」を獲得する
ぜひ、イディオムの意味にも注目しながら歌詞を聞いてみてくださいね!
Girl On Fire|Alicia Keys
Alicia Keys(アリシア・キーズ)は、歌唱力だけでなく、作詞に関しても才能の塊です。2012年にリリースされた「Girl On Fire」に出てくるイディオムをいくつか見てみましょう!
(To be) on fire
- 意味:何かに対して非常に熱狂的、興奮的、または情熱的であること。何かがうまく行き続けること、調子がいい
- イメージ:燃えている、炎が徐々に広がっておさまる気配がない
Have both feet on the ground
- 意味:安定していて、賢明で、実用的な状態であること
- イメージ:両足が地面についていて安定している
Have (one’s) head in the clouds
- 意味:非現実的、よそよそしい、または空想的であること
- イメージ:頭が雲のなかにある、空想の世界にいる
To be on top of the world
- 意味:とても嬉しく、幸福であること
- イメージ:世界の最頂点にいるような気分
I’m Yours|Jason Mraz
これは2008年にかなり流行った曲ですね。みなさんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか? ウクレレを使ったポップで陽気な曲ですが、どのようなイディオムが使われているのか見てみましょう。
To fall through the cracks
- 意味:気付かれない、または扱われないこと
- イメージ:割れ目、隙間から落ちる
Open (one’s) mind
- 意味:新しいアイデアを検討、または受け入れるようにすること
- イメージ:心を開く
To bend over backwards
- 意味:何かを達成するために、特に公平または役立つようにあらゆる努力をすること
- イメージ:身体を後ろ側に曲げて無理をする
歌詞でイディオムを覚えよう!
みなさんの好きな曲にもイディオムがたくさん潜んでいるかもしれません。
知らないフレーズや言葉の組み合わせが出てきたら、ぜひ意味を調べてみてください! 歌詞を理解することで、その曲をより好きになったり、より心に響いたりすることもあるはずです。
洋楽を通して、楽しく英語学習を続けていきましょう!