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有名な格言やことわざには誤解が多い?驚きの起源や用法を英語でチェック

有名な格言やことわざには誤解が多い?驚きの起源や用法を英語でチェック

日本語でも古くから伝わることわざや、偉人、有名人の格言があるように、もちろん海外にも多くのことわざや格言が存在します。

でも実は、多くの人に誤解されたまま使われているフレーズもあるのです!

今回は意味を誤解されていることわざや、意外な起源をもつ格言について紹介します。

なかにはみなさんが知っているものもあるかもしれません!

ことわざや格言を通して歴史を学ぶことで、英語学習を深めていきましょう。

誤用されている世界で有名な格言

世界で有名な格言であっても、なかには全く違う誤った意味で使われてしまっているものも多く存在します。

よく知られている有名な格言の誤用を日本語訳付きで紹介します。

1. The ends justify the means.
「目的が手段を正当化する」

誤った理解:どんな手段でも目的を達成することが正当化される。

正しい意味:実際の意味は、目的が高義であるからといって、どんな卑劣な手段でも許されるわけではないということです。全く違いますね。このフレーズは、マキャヴェッリのような思想家によって広められましたが、一般的には倫理的な議論や行動において警戒すべきだということを指摘しています。

2.  Blood is thicker than water.
「血は水よりも濃い」

誤った理解:家族の絆が非常に強い。

正しい意味:実際の意味は逆で、"The blood of the covenant is thicker than the water of the womb."「契約の血は子宮の水よりも濃い」という言葉が元になっています。この言葉は、友情や約束の絆が家族の血縁よりも重要であることを意味しています。これも世界に広まっている意味とは真逆の意味を指しているんですね。

3. Curiosity killed the cat.
「好奇心が猫をころす」

誤った理解:好奇心は危険である。

正しい意味:実際の意味は、好奇心が危険であるということではなく、無用な好奇心が問題を引き起こす可能性があるという警告です。真逆ではありませんが、直訳で広まってしまっている意味とは本来は違う意味だったのですね。

4. Money is the root of all evil.
「金はすべての悪の根源である」

誤った理解:金自体がすべての悪の原因である。

正しい意味:実は知られている表現自体が間違いで、正確な表現は "For the love of money is the root of all evil."「お金を愛することがすべての悪の原因である」です。つまり、お金自体が悪なのではなく、お金を追い求める執着が悪の原因になることを示しています。

5. The customer is always right.
「お客様はいつも正しい」

誤った理解:顧客の意見や要望はいつも正しい。

正しい意味:実際の意味は、顧客の要求や意見に敏感に対応することが重要であるということです。必ずしも全ての場面で顧客が正しいという意味で使うわけではありません。

このような名言は、実際の意味とは違う意味で誤解されたまま使用されることで、本来の意味とは異なるメッセージが伝わってしまうことがあります。正しい意味を理解して適切な文脈で使うことが重要なのですね。

有名な格言の驚くべき起源!嘘・ホント?

次に、偉人の有名な格言について紹介します。

よく知られている格言には実は驚きの起源があるものもあります。

いくつかみてみましょう。

1. Let them eat cake.
「ケーキが食べたいなら食べればいいじゃない」

この言葉は、テレビや本などで触れたことがある人もいるかもしれません。フランス革命時代にマリー・アントワネットが言ったとされている言葉です。「パンが足りないのなら、ケーキを食べればいい」といったような文脈で発言したとされている有名な言葉です。

しかし、実際には彼女の発言という証拠はほとんどありません。

多くの人々がこのフレーズを彼女の代名詞的な発言と信じていますが、歴史的な証拠は乏しいというのが実情です。実際には彼女がそのような発言をしたという証拠はほとんどなく、この発言の真実性は疑わしいものです。

このフレーズがマリー・アントワネットのものだとされる最も早い文献記録は、フランスの哲学者ジャン=ジャック・ルソーの自伝的な著作『告白』(Confessions)です。ただし、この自伝が執筆されたのはマリー・アントワネットが亡くなった後なので、近年の研究では信頼性には疑念が持たれています。

このため、歴史的に正確な証拠が不足しており、マリー・アントワネットが本当にこの発言をしたかどうかは明確にはわかっていません。ただし、このフレーズは彼女の代名詞的なセリフとして貴族のイメージと結びつけられ、一般的にはそのように広く認識されています。

これほどまでに有名な格言の起源があいまいだなんて、驚きですよね。

2. The only thing we have to fear is fear itself.
「我々が恐れるべき唯一のことは、恐れ自体だ」

この言葉は、アメリカのフランクリン・D・ルーズベルト大統領の1933年の就任演説で発言されました。大恐慌時代の不安を表現し、国民に対して勇気を持つよう呼びかけるメッセージとして用いたフレーズです。彼は、絶えず広がる恐れそのものが、人々に最大の脅威となる可能性があることを強調しました。この発言は、国民に団結し、困難を克服するための勇気を持つことの重要性を訴えるものでした。

しかし、一部の人々がこのフレーズをウィリアム・シェイクスピアのものだと誤認識して広めてしまいました。これは完全な誤りです。

このフレーズがシェイクスピアの発言だと誤解された原因は、その言い回しが文学的かつ力強い表現であったためでしょう。シェイクスピアの作品には多くの名言が含まれており、それらは文学的な響きや普遍的なテーマを含んでいます。

同様に、ルーズベルト大統領の演説も歴史的な重要性があり、そのなかでのフレーズが印象的であったため、一部の人々がこれをシェイクスピアの言葉と間違えた可能性があります。

有名な名言や表現が一般的な知識として広まる際に、その出典や正確な背景が混同されることが度々起こります。そのため、このような誤解が生じたと考えられています。

ちなみに、シェイクスピアの作品についてはDMM英会話のブログでも以前紹介されています!

3. Be the change that you wish to see in the world.
「世界で見たい変化を自分自身が実現する存在になろう」

この名言は、インドの政治家であり、非暴力運動の指導者であるマハトマ・ガンディーの言葉とされています。ガンディーはインドの独立運動の指導者として知られ、非暴力の哲学を提唱しました。

ガンディーは、このフレーズを通じて、個人の行動が大きな影響を与え、世界を変える力を持っていることを強調しました。自分が求める良い変化を実現するためには、自分から始めることが肝心であり、他人に対して善意と変革の模範を示すことが重要だと説いたのです。この言葉は、社会的な責任と自己啓発の大切さを訴えるガンディーの思想を象徴しています。

しかし、こちらの格言も起源があいまいです。マハトマ・ガンディーが直接的にこのフレーズを発言したという証拠は確認されていません。このフレーズがガンディーの発言だとして世界中に広まっていますが、実際には正確な発言の文脈や証拠は確認されていません。

このように、世界で知られている有名な偉人の発言でさえ、起源があいまいだったり誤っていたりするものがあるのです。

名言や格言を会話のなかで引用するときには、起源や歴史背景を理解して使う方が誤解を与えないかもしれませんね。

起源の知られていない格言

起源があいまいな格言やことわざは他にも多くあります。

有名で広く知られ、使われているにも関わらず、起源がはっきりとわからない格言をいくつか紹介します。

1. The journey of a thousand miles begins with a single step.
「千里の道も一歩から始まる」

目標を達成するためには最初の一歩を踏み出すことが重要であるという表現です。このフレーズは、中国の哲学者である老子(Laozi)に帰されることが多いですが、具体的な出典や文献は不明です。

2. To be yourself in a world that is constantly trying to make you something else is the greatest accomplishment.
「自分らしくあり続けること、世の中が常にあなたを別の何かにしようとしている中で、それが最も大きな達成だ」

個々のアイデンティティを守ることが重要であるというメッセージを伝えています。このフレーズは、ラルフ・ワルド・エマーソンやフリーダ・カーロなど複数の人物に帰されることがありますが、具体的な出典や文献は不明です。

3. Not all who wander are lost.
「迷っているわけではない者もいる」

この言葉は、J.R.R.トールキンの『ホビットの冒険』や『指輪物語』に登場しますが、トールキン自身が創作したものとされています。ただし、他の古い文化や文献にも似たようなアイデアが存在するため、具体的な起源ははっきりしていません。

これらの名言は、広く知られているにも関わらず、具体的な起源が明確でない例です。

起源は明確でなくても、人生の本質を表しているような表現は世界で広く使われます。言葉の意味は、その起源よりも重要な場合もあるとわかりますね。

日本でも使われている海外のことわざ

世界で広く使われていることわざで、日本でも言い換えて使われているものがあります。

みなさんも日常会話で使っているものがあるかもしれません。

1.  When in Rome, do as the Romans do.
 「ローマにいるなら、ローマ人のように振る舞え」

日本語の言い換え:「郷に入っては郷に従え」

 新しい環境に適応する際には、その文化や習慣に従うべきだという意味です。

2. Don't cry over spilled milk.
「こぼれた牛乳を泣いても取り戻せない」

日本語の言い換え:「覆水盆に返らず」

一度起きたことは元に戻らないので、過去のことをくよくよしないようにすべきだという意味です。

3. Birds of a feather flock together.
「同じ羽毛の鳥は一緒に飛ぶ。」

日本語の言い換え:「類は友を呼ぶ」

趣味や性格が似た者同士が集まることを指す言葉です。

4. The early bird catches the worm.
「早起きをする鳥は虫を捕まえる」

日本語の言い換え:「早起きは三文の徳」

早く行動することで成功するチャンスを得ることができるという意味です。日本語の言い換えの方では、早起きすることは得るものがあるという意味で使われます。

5. Two heads are better than one.
「2つの頭は1つよりも優れている」

日本語の言い換え:「三人寄れば文殊の知恵」

複数の人が協力することで、より良いアイデアや解決策が生まれるという意味です。

英語での表現と日本語での表現に、国民性が感じられるので面白いですね。

日本の名言を英語にするとどうなる?

最後に、日本語でよく使われる格言やことわざと、その英語訳を紹介します。

1. 日本語:「七転び八起き」
   英語:Fall seven times, stand up eight.

困難や失敗があっても、何度でも立ち上がる精神を表します。

2. 日本語:「花より団子」
   英語:Prefer substance over style.

外見よりも中身や実質を重視するべきだという考え方を表す表現です。

3. 日本語:「石の上にも三年」
   英語:Patience is a virtue.

努力や忍耐はいつか報われることを表します。

4. 日本語:「虎穴に入らずんば虎子を得ず」
   英語:Nothing ventured, nothing gained.

冒険しなければ利益を得ることはできないという意味のことわざ。

5. 日本語:「風林火山」
   英語:Swift as the wind, quiet as the forest, fierce as fire, and immovable as the mountain.

風のように素早く、森のように静かに、火のように激しく、山のように不動の様子を表しています。

このような表現は日本語独特の表現ですが、似たような表現で海外でも使われることがあります。各国でのことわざの言い回しの違いも興味深いですよね。

英語で名言を学んでみよう!

いかがでしたか? 聞いたことのない名言もあったのではないでしょうか。

もしかしたら、意味を勘違いしたまま使っていたものもあったかもしれませんね。

海外の名言には興味深いものも多く、意味と表現を学ぶことで英語学習の助けにもなります。

ぜひみなさんも気になる名言について起源や誤用を調べてみて、さらに英語学習を深めていきましょう!