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英会話に自信がない人への処方箋|今日からできる4つのこと

英会話に自信がない人への処方箋|今日からできる4つのこと

突然ですが、みなさんは、英語を使ってコミュニケーションをとることに自信を持てていますか?

「怖くて話せない」
「緊張してしまって言葉が出てこなくなる…」
「TOEICの勉強をしているけれど、会話は全然…」

という方は少なくないのでは?

実際に日本には、中学高校で学んだ基本的な英単語や文法を知っているにも関わらず、英語を使う(話す)ことに自信がない、という方が多くいます。

「英語が全くわからないわけではないのに、英会話に自信がない」のは一体なぜなのでしょうか?

本記事では、なぜ英会話に自信が持てないのか、なぜ難しく感じてしまうのかについて、エビデンスを含めた原因追求と、その解決策をご紹介します。
 

日本人が英語に自信を持てないのはなぜ?

多くの日本人が英語に自信を持てない理由を、大きく3つの観点からご紹介します。
 

外国人に対しての恐怖心

外国人に対しての恐怖心

単一民族社会であること

日本だけではなく多くのアジア圏の人々は、同じ民族以外の人と接する際に、緊張したり恐怖心を抱く傾向にあります。

これは、アジア圏では単一民族社会 “homogeneous societies” であることが多く、外国人への「外国人意識」が、移民文化を持つ諸国と比べてより強いためです。

見慣れないものに対して、人は警戒したり恐怖心を抱きやすいもの。見た目が異なる「外国人」に対して、「自分たちとは違う」という意識を持ちやすい状況にあるため、自然と距離を感じてしまうということです。

海外経験や交流の欠如

単一民族国家であっても、個人ベースで海外経験が豊かであったり、外国人と関わりや交流を持っている場合は、外国人と接するときの緊張は和らいだものになります。

国際経験比較


出典:The Inclusiveness of Nationalities - Ipsos Global Advisor

こちらの27か国を対象とした調査によると、日本人には外国人の友達や親戚、同僚などを持つ人が少なく、したがって、国際交流や海外経験も諸外国と比べてかなり少ないことがわかります。

ちなみに、日本人は191ヵ国をビザなしで渡航できる*、世界で1番強力なパスポートを保有できるにも関わらず、パスポート保有率は全国民の約1/4。これは先進国の中で最低水準です。

単一民族社会であることに加えて、外国人との交流や海外経験が少ないことが、外国人と接するときの緊張や不安へと繋がっていると考えられます。

*2020年12月時点
 

教育システムと検定試験

教育システムと検定試験

日本の多くの教育機関では、テスト重視の成績評価をしています。そのため、日本人は小学校に入学してから大学を卒業するまで、数え切れないほどのテストを受けます。

また、学校を卒業後も、仕事を得るためやキャリアアップのための手段として、資格試験を受けることが少なくないでしょう。

試験重視の教育システム

学校の勉強を「良い成績をとるための学習」と考えることで、間違えたら点数が引かれる=「間違えてはいけない」という感覚を持ってしまいがちです。

日本人が間違いを恐れたり、失敗することへの恐怖心を抱きやすいのはそのためです。

これは英語においても同じで、学校教育の中の一科目として学んできた結果、「間違った英語を使ってはいけない」という思考に陥ってしまいやすいのです。

検定試験のバランスの悪さ

英語運用能力を測る民間試験にも原因があると考えられます。

日本では、文法・語彙・英文理解を中心に出題し、本来言語において大切な「流暢さ」や「コミュニケーション力」があまり重要視されていません

例えば、日本で人気の「英語検定」は、4技能の配点が均一で、スピーキング力も他技能と同様に測る試験です。しかし、スピーキングテストは二次試験なこともあり、受験者はスピーキング対策を後回しにする傾向にあります。

また、二次試験の合格率は8割以上(一級をのぞく)と非常に高いこともあり、他のリーディングやリスニングに比べて、受験者は対策に手を抜きがちなことは否めません。英検対策でスピーキング力が上がるということは稀で、英検を持っていても満足に話せない、という人が多いのはこのためです。

くわえて、同じく知名度の高い「TOEIC」試験においても、「TOEIC Speaking & Writing Tests」という話す・書く能力を評価する試験があるものの、依然として「TOEIC Listening & Reading Test」の方が人気で受験者数も多く、広く英語能力の証明として受け入れられています。

TOEIC受験者数
TOEIC受験者数
出典:「IIBC 一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会」HP

検定試験対策では生きた英語が身につかない

英語検定もTOEIC(TOEIC Speaking & Writing Tests)も、評価項目にスピーキングがありますが、受験者は“面接試験のための”スピーキング練習をしているのが実情です。

良いスコアを取るためだけに練習していると、実践的なコミュニケーション力は伸びません。したがって、たとえ一般的に優れたスコアや資格を持っていたとしても、実践的な会話の経験が乏しく、英語でタクシーを呼ぶことさえ難しいような人がいたりします。

このような日本の試験文化やアンバランスな検定試験の存在も、日本人の英語苦手意識に起因していると考えられます。
 

ディスカッション経験の欠如

自分の意見を表現することが苦手

言語を習得するときには、自分の考えや意見を言葉で表現する経験が必要不可欠

しかしながら、日本人は「和を重んずる文化」から、また、暗記重視の詰め込み式の学校教育により、自己主張が苦手な人が多いです。

例えば日本史の授業では、年号や登場人物、何が起こったかを暗記するだけで、背景にどういうことがあり、自分はその出来事についてどう思うかを話し合うことはあまりありません。

さらに、日本の学校では一般的に「静かに先生の言っていることを聞く=いい生徒」と見なされがちですが、ディスカッションを重視する外国の学校では、「意見を述べることができる=いい生徒」という真逆の考え方を持っています。

英語で聞かれた質問に対して Yes/No としか答えられなかったり、Why do you think so?「どうしてそう思うんですか?」と聞かれても、意見や考えが思い浮かばなかった経験はありませんか?

それは、英語力うんぬんの問題ではなく、そもそも伝えたいことが自分の中にない、という状態。

ディスカッションを通じて自分の意見を言うことに慣れていないのに、英語でそれをしようとすると、より難しく感じてしまうのは当然のことです。
 

英会話に自信がない人への処方箋|今日からできる4つのこと

それでは、英語への恐怖心をなくして、自信を持って英語コミュニケーションを取れるようになるには、どうすればいいのでしょうか?
 

処方箋①:日常的に外国文化や英語に触れる→外国人や英語に対する恐怖心を克服

常的に外国文化や英語に触れる

「とにかく外国人と会ってたくさん喋って慣れる!」と言われてもあまり現実的ではないので、ここでは、自分の日常生活の中で積極的に外国文化や英語に触れることを提案します。

それにより、外国や英語を身近に感じられるようになり、英語への接触を非日常体験から日常体験へと少しずつシフトさせていくことができます。

例えば、日常的に英語に触れる手段として、スマホを英語モードにしてみたり、外国人のSNSアカウントをフォローしてみたり、洋楽を聞いてみたりすることは誰でも簡単にできることです。

特に、洋画や海外ドラマを見れば、英語を聞くことに慣れるだけではなく、外国人の持っている考え方や海外文化を楽しみながら学ぶことができます。

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1月 13, 2021

また、アウトプットの手段としてオンラインレッスンも非常に有効です。

実際に外国人と英語で話すことで、外国人に感じていた“壁”を取り払うことができ、「英語を話せた! 通じた!」という小さな成功体験を積んでいくことができます。
 

処方箋②:間違いを気にしないメンタリティーを持つ→試験重視の教育体験を克服

子どもの頃から無意識下に根付いてしまっている、「間違えてはいけない」というマインドを取り除くために、とにかくたくさん間違えて、間違えることに慣れることが必要です。

日本人をはじめとしたノンネイティブの中で英語を一切間違えず、完璧に使いこなす人はほとんどいないでしょう。加えて、ネイティブスピーカーでさえ、英語を間違えてしまうことは少なくありません。

英語はコミュニケーションツールなので、「正しい・間違っている」よりも、「伝わる」かどうかが大事

英語を話すときには、「間違えても恥ずかしくない」「間違いは学習のヒントになる大切なもの」と考えるようにしましょう。
 

処方箋③:スピーキング重視で試験対策をする→生きた英語力を身に付ける

生きた英語力を身に付ける

検定試験を受ける場合には、スピーキングも含めた能力が測れるものを選び、インプットとアウトプットをバランスよく行いましょう

前述のように、日本で最も一般的な英語検定とTOEIC(TOEIC Listening & Reading Test)ではコミュニケーションを重視した試験対策ができません。

そこで、一般的に海外留学で必要とされるような国際的に認知度の高い検定試験がオススメです。

「TOEFL」と「IELTS」では、海外留学に必要とされる「アカデミックに話す能力」が評価されますので、受験者はスピーキングの練習に真剣に取り組む必要があります。また、論理的思考力も求められるので、自分の意見を表現する良い練習となるでしょう。

しかしこの2つは、英検等と比べて受験料が高額で、また試験レベルも高いです。自分の目的や状況を考慮して必要ないと感じた方には、TOEIC Speaking & Writingをオススメします。

ここで忘れてはいけないのが、試験ばかりに注力すると、試験のための英語力しかつきません。一般的な英語コミュニケーションの練習ができるオンラインレッスンなどと合わせて学習を進めましょう。

また、たとえ英検やTOEIC(TOEIC Listening & Reading Test)に向けて学習するにしても、英語を読むだけ聞くだけ、をするのではなく、“話す”を通じた学習も行うようにしてください。
 

処方箋④:積極的に自分の意見を表現する練習を重ねる→意見を述べることに抵抗がなくなる

家族や友達、同僚と、身近に起こっていることについてディスカッションすることはありますか?

ディスカッションと聞くと少したいそうに思えますが、周りの人と意見交換することは、自分の意見を表現するとても良い練習になります。時事的なことや社会問題など、一歩踏み込んだトピックについて、まずは関係の近い人と話してみましょう。

また、インターネットで誰でも自分の意見を世界中に発信できる時代なので、SNSなどで意見発信をするのもオススメです。

人に伝えるのは恥ずかしいし、周りに話せる人がいないという人は、SNSの非公開アカウントで投稿したり、誰にも見られない日記に自分の思いを綴ったり、独り言で意見をいうのも一つの手です。

英語を「コミュニケーションツール」として捉えよう

以上、多くの日本人にとって英会話が難しいことの理由と、その処方箋(解決策)をご紹介しました。

外国人や英語に触れる機会が少なかった、英語を話す機会がなかった、学校で英語を間違えたら成績が下がった。

その結果として、外国人や英語に恐怖心を抱いてしまう、これは仕方ないことです。

でも発想を変えると、そういった機会を意識的に増やすことで、少しずつ不安が和らぎ、自信がつき、英語を話せるようになっていく、ということでもあります。

英語はコミュニケーションツールです。

完璧じゃなくていいんです。

「相手のことを知りたい」「自分の意見や考えを伝えたい」、その想いを大切にしながら、少しの勇気を積み重ね、楽しく学習を続けていきましょう!