Mizuho
(更新)
CNN GLENTSというものを、ご存知ですか?
CNN GLENTSは世界的な英語ニュース媒体CNNで使われたニュースをもとに、英語力を測る試験です。2021年7月に第1回のテストが行われました。
TOEICや英検など、よく耳にする英語試験に比べると、まだ新しいので、実際にどんなテストをするのかわからないという人もいるはずです。
そこで今回は、実際にCNN GLENTSを受験した筆者が、その試験の概要と対策方法をご紹介します!
そもそも、CNN GLENTSとはどのような試験なのでしょうか?
CNN GLENTSは、CNNで実際に扱われたニュースが問題として使われている英語力の判断試験です。
試験自体は、インターネットを使って行われます。移動することなく、自宅などで受験が可能なオンライン完結型の試験なのです。
CNN(Cable News Network)といえば、アメリカに本社を置き、世界中で展開しているニュースチャンネル。24時間365日休まずにありとあらゆるニュースを放送しています。
日本では、スカパー!やHuluなどから視聴することが可能です。
英語学習者はもちろん、そうでない人も、1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
CNNでは、時事的なものから文化的なもの、自然科学まで、幅広いトピックを取り扱っています。そのため、試験で出題されるトピックも、同様に広範囲にわたるのです。
筆者は2022年3月11日に受験しましたが、新型コロナウィルスに関するニュースも出題され、受験しながらも「最近の時事問題も含まれているのだ」と感じました。
CNN GLENTSは、大きくリスニング・リーディング・国際教養の3つのセクションに分けられています。
筆者の実体験をもとに、一つずつ説明していきたいと思います。
リスニングセクションは5つのパートに分けられています。
1分前後の「ショートニュース」や、2〜3分ほど続く「ロングニュース」、インタビューを題材にしたものや実際に放送されたニュース動画を視聴するものなど、さまざまな形で出題されます。
CNNで実際に放送された音源が使われる「CNN音声版」と、試験用に同じ内容をナレーターが録音しなおした「ナレーター音声版」があるので、好きな方を選ぶことが可能です。
このなかでも特に動画視聴については、なかなかこれまでの英語系の試験では目にすることがないうえ、耳と目を一緒に使う必要があったため、新鮮さを覚えました。
ここで注目すべきは、「アメリカ英語」だけでなく、「イギリス英語」や「オーストラリア英語」など、1つのアクセントに特化しないで出題されていることです。
CNNでは世界各地からリポーターがニュースを伝えるので、幅広いバックグラウンドを持った人の英語を聞くことがよくあります。
英語をツールとすれば世界中の人々と交流できるようになるので、さまざまな英語をベースに出題されていることは、実社会でも活きるスキルを測れてオススメです。
CNN GLENTSのリーディングセクションは、3パートに分けられています。
どれも実際にCNNで使われたニュースの文章で、最初のパートは語彙問題です。
一部の問題は句動詞の知識を問うものだったので、英単語の意味を知るだけでなく、その活用法も知っている必要があるでしょう。
次に、2つ目のパートは200〜250ワード程度の「ショートニュース」をもとに、そして3つ目のパートでは500ワード程度の「ロングニュース」をもとに出題されます。
どちらも必ず答えは本文のなかにあるので、落ち着いて内容を解釈することがカギです。日頃から英文ニュースを読む習慣をつけていれば、それだけで十分な練習になるはずですよ。
筆者が最も手こずってしまったのが、このセクション。ニュースで扱われた内容を題材に、4択で正誤問題が出題されます。
DMM英会話のオリジナル教材「デイリーニュース」の内容を例えに使えば、以下のような内容になるのです。
※”US Senate Votes to Make Daylight Saving Time Permanent”をもとに、ここでは2択で例題を出します。
例:Which of the following statements is NOT true about a new bill in the US?
ここではすでに記事のタイトルがわかっているので、1番が正解ということは誰でもわかるはずです。ただ、試験では元となる記事などなにもなしに、純粋にこの出来事について知っているかどうかが問われます。
ニュースを読むことが習慣化されていないと、なかなか難しく感じるセクションです。
CNN GLENTSでは、リスニングセクションが60点満点、リーディングセクションが40点満点で、合計100点満点で英語力のスキルが表示されます。
また、ここに20点満点の国際教養のセクションが加わりますが、「英語力」の面ではこのセクションの点数は加算されません。
取得したスコアは、CEFR(Common European Framework of Reference for Languages:ヨーロッパ言語共通参照枠)やTOEIC(L&R: リスニング&リーディング)のスコアと相当するレベルを明確に表記されるので、自分の英語レベルが総合的にどれくらいあるのかを確認することが可能です。
※CEFRとは:ヨーロッパにおいて外国語を学習するときのレベルを横断的に示す指標。レベルA1-2は初心者、B1-2は中級者、そしてC1-2は上級者とレベル分けされます。
CNN GLENTSの試験対策には、言わずもがな、英語のニュースに慣れることが必須です。
では、英文ニュースに特化して、どのように試験対策をしていけばいいのでしょうか? ここではCNN GLENTSの出題傾向に合わせて、対策方法をご紹介します。
英文ニュースを活用したリスニング学習方法に関する記事でもご紹介していますが、英語でのニュースに慣れるには、大きく2つのステップがあります。
1つ目のステップでは、まずニュースの文章を読みましょう。次は、音声を聞きながら文章を読みます。そして最後には、文章を見ないで音声を聞いてみるのです。
最初に文章を読むことで、一回内容が頭に入るので、リスニングをするときに心の準備をすることができます。
このような練習には、アプリや英文ニュースサイトの活用がオススメです。
そのなかでも特にニュースのリスニングの練習にピッタリなのが、NPR(National Public Radio)というラジオ放送局のWebサイトとアプリ(iOS / Android)。
NPRは1971年から放送を開始したアメリカの非営利ラジオ放送局で、ワシントンDCを本部に、世界各国に置かれた放送局から集まったニュースを放送しています。
最新のニュースはもちろん、文化や音楽など幅広いトピックを扱っており、Webサイトとアプリから視聴することが可能です。
何より嬉しいのが、いくつかのニュース音源に「書き起こし(transcript)」がついていること。特に「Morning Edition」という番組の音源には、ほぼすべてに書き起こしがついています。
音源がついているものには「再生ボタン」、そして書き起こしがついているものには罫線を模した「書き起こしボタン」があるので、それらがついている記事のタイトルをクリックしましょう。
先ほどご紹介したリスニング練習に、大いに活用できるはずですよ。
英文ニュースのリーディングの練習には、「読む」習慣をつけることが何よりもの近道です。
ただ、だからといって闇雲にニュースを読み続けるのでは、ステップアップにつながらないうえ、モチベーション維持も難しくなってしまいます。
それではどんなことを念頭にリーディングの練習をすればいいのでしょうか?
別記事:【挫折しない】編集長が薦める英字新聞の活用法では、「The Japan Times Alpha」で英文ニュースを学習に活用する方法をご紹介しています。
ここで紹介されている重要ポイントは、どの媒体を使っても通じるもの。そのポイントは3つです。
見出しを見ただけで「読みたい」と思ったものは読みやすいため
知らない単語の意味を文脈から推測する力をつけることができる
辞書を引きながら、しっかりと解釈して読む力をつける
これら3つをおさえれば、限られた時間のなかで文脈を理解するのに必要な「速読」の力も、時事英語で新しく登場する語彙の確認や、内容をしっかりと解釈する力もつけることができます。
少し慣れてきたら、英文ニュースの「要約」もオススメです。
日本語でも、学生のころに現代文などの要約をして、内容の理解度を測ったことがある人は多いのでは?
要約はその文章のポイントに絞って考える必要があるため、高い理解力が求められます。また、要約を書き出すことで「アウトプット」の練習にもなるので、リーディングスキルをつけるのにはピッタリですよ。
このとき、ニュース媒体はCNNはもちろん、NHKが配信している「NHK WORLD-JAPAN」のニュースページを選ぶといいでしょう。
NHKの場合、日本国内のニュースも英語で配信されているので、知らない単語が多かったとしても文脈の意味を捉えやすいはずです。
そして、忘れてはいけないのがDMM英会話のオリジナル教材「デイリーニュース」。最新の時事ネタはもちろん、他の媒体では目にしないような面白いネタまで、レベル分けされて毎日配信されています。
重要単語がまとまっているうえ、ニュースの内容解釈を確認できる問題も設けられているので、リーディングの練習に最適です!
オンラインレッスンでこちらの教材を使えば、講師がディスカッションをしながら理解を促してくれるので、さらに幅広く学習に役立たせることができますよ。
国際教養をつけるときには、英文ニュースはもちろんのこと、日本語でも日々ニュースを追うことが知識の蓄積に役立ちます。
一度日本語で目にしたニュースなら、英語でも似ている内容が書かれたり、話されたりされているので、知らない単語があったとしても推測しやすくなるのです。
新しい単語があれば、iKnow!のような英単語学習アプリに登録したり、自作の単語帳を作ったり、スマホのメモに残して見返すようにしましょう。
英文ニュースを読む習慣がつけば、すべての練習が国際教養の知識につながるはずですよ。
筆者はイギリスで10年強過ごし、いまでも世界各国の友人たちと交流がありますが、海外の人は自国のニュースだけでなく世界各国の時事問題にも精通していることが多いと感じます。
なんでもない会話から、急に時事的な話題に移ることもあり、ドギマギした覚えは多数!
英語をコミュニケーションツールとして使うなら、海外の情勢や時事問題なども知識とつけておかなければいけないのだと身に染みて思ったものです。
そんなとき、CNN GLENTSは英語力を試せるだけでなく、国際教養の知識についても確認することができるので、オススメの英語の試験といえるでしょう。
みなさんも、ぜひ挑戦してみてくださいね!