SHIORI
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言語は、それぞれ違う言語を元にして作られます。日本語に中国語由来の単語がたくさんあるように、英語にもさまざまな言語を由来とした単語が存在します。
アメリカで英語に次いで2番目に多く話されているのがスペイン語だというのをご存知でしたか? 英語にはスペイン語を由来とする単語や、スペイン語のままの単語がいくつもあります。
なぜそこまでたくさんのスペイン語が英語として使われるようになったのか、気になるところですよね。そこで今回は、スペイン語と英語の歴史に触れつつ、スペイン語由来の英単語をいくつかご紹介していきます。
スペイン語は現在、世界で2番目に多く話されている言語となっています。
その語源はラテン語、今日で言う「Vulgar Latin」で、文学に使われているいわゆる「古典ラテン語」になります。
そんなスペイン語がアメリカで使われるようになったのは、1492年に始まったスペインによるアメリカ大陸の植民地化が大きな理由です。
スペイン、フランス、そしてポルトガルによるラテンアメリカの植民地化が進み、のちにアメリカにもスペイン語が渡っていきました。
アメリカで初めてヨーロッパによる入植が行われたのが現在のフロリダです。あのコロンブス(イタリア人)がスペインのために足を踏み入れた地がフロリダに当たります。
コロンブスといえば、「アメリカを発見した人」という印象が強いと思いますが、実際そうではないようです。正しく言うと、「アメリカという存在を西欧の国々に広めた人」なのだそうです。
「そよ風」を表す breeze という単語は、スペイン語の brisa から来ており、1560年代の古いスペイン語、briza が語源とされています。
「ゴキブリ」を意味するこの単語は、スペイン語の cucaracha に由来しており、17世紀の前半ごろから英語で cockroach として使われるようになったそうです。
森のバターとも言われるフルーツ、「アボカド」は健康に良く、たくさんの人が食しています。実はこのアボカドもスペイン語由来の単語なんです。
スペイン語でアボカドは aguacate と言い、1690年から1700年にかけて avocado に変化したと言われています。
「会議」などを表す meeting は、スペイン語の mitin が由来です。
スペイン語の mitin は、ビジネスなどの会議というよりも、公開会合や政党会議などを表すみたいです。
ranch は「牧場・牧野」という意味の英単語で、スペイン語の rancho から来ています。
もともとは、何人かで食事をしているグループのことを表していました。そのため、大勢で食事をする部屋(会食部屋)のことをスペイン語では rancho と言うそうです。
「バニラ」の味や香りはバニラのさやから取れるエキスから作られていて、食べ物や香水、キャンドル、ソープなどさまざまなものに加えられています。
甘くてとてもいい香りですよね。このバニラという言葉の元になっているのも実はスペイン語で、「小さなさや(種子の容器)」を表す vainilla という単語から来ています。
最近では日本語でも耳にすることが増えてきた plaza という言葉ですが、実はこれもスペイン語が元になっています。
英語では「ショッピングセンター」などを表しますが、スペイン語の plaza には「公共の広場」という意味があり、発音は「プラサ」に近いです。
語源はラテン語の platea「大通り」で、英語の place「場所」と同じような意味があります。
patio はもともとスペイン語で、「中庭・空きスペース」などを表します。
「ゲリラ」もスペイン語から来ている単語で、「不正規兵・小部隊・ゲリラ兵・遊撃隊」という意味です。
19世紀前半に、もともと使われていたスペイン語の guerra war から guerrilla と言われるようになったそうです。
日本語でも筋肉モリモリの人のことを「マッチョ」と言いますが、実は日本語でも英語でもありません。
もともとの語源はスペイン語で「男の人」を表す単語でした。macho には「力強くて男らしい」というような意味があります。
「カフェテリア」は、スペイン語がそのまま英語として使われている単語です。
英語では、「学校・職場の食堂エリア」などを指しますが、スペイン語の cafetería は、「コーヒーを飲む場所・コーヒーのお店」などを表します。
tornado は「竜巻」という意味の英単語ですが、1550年から1560年まで使われていたスペイン語の tornada が語源です。
tornada には thunderstorm「雷雨」という意味があります。
いかがでしたか?
今回はスペイン語が語源の英単語をいくつか紹介しましたが、これら以外にもスペイン語由来の英単語はたくさんあります。
世界で2番目に多く話されている言語だけあって、ほかの言語への影響力も大きいようです。
スペイン語のほかに、実はフランス語由来の英語表現も多いんですよ。気になる方はこちらの記事もぜひチェックしてみてくださいね。
単語の語源を知るのはとても面白いと思いませんか? 皆さんも気になったら調べてみてはいかがでしょうか?