西東 たまき
(更新)
言語を習得するには、「リスニング(聞く)」「リーディング(読む)」「スピーキング(話す)」「ライティング(書く)」という4つのスキルが必要です。
英語に関して皆さんが得意なのは、このうちのどれですか?
一般的に、「話す・書く」といったアウトプットよりも、「聞く・読む」といったインプットの方を得意だと感じる人が多いようです。しかし当然ながら、インプットだけではコミュニケーションが成り立たちません。
そこで力を入れたいのが「スピーキング」です。
自分の感情・意志・意見をすぐに英語にして話せるようにするには、どのような取り組みをすれば良いのか。今回は、英語のスピーキング力を鍛えるためのコツについてご案内していきます!
英語のスピーキングをしようにも、発すべき言葉を知らなければ始まりません。スピーキング上達のための1つ目のコツは、「言葉を増やすこと」です。
手あたり次第に挑んでも埒(らち)が明かないので、効率性については考えたいですよね。具体的な方法は下記の通りです。
例えば、挨拶のフレーズやそれに続くちょっとした会話例などは、英語学習者なら当然のものとして覚えましょう。英語を学ぶとき最初に出てきたのも挨拶表現でしたよね。これらは、人に会ったときに必ず言えなければならないものです。
使用頻度の高いフレーズは、必要な場面に遭遇したら、頭で考えるまでもなく口から飛び出してくるくらいに慣れておくようにします。さらにさまざまな具体的シチュエーションを想定して、必要になりそうなフレーズを徐々に増やして行きましょう。
このようなフレーズは、割り切って丸暗記するのがスピーキング上達への近道。「言いたい」と思ったとき、瞬時に表現が頭に浮かぶようになるまで覚えるのがポイントです。
会話にはタイミングがありますから「瞬発力」は大事なのです。
相づちはスムーズなコミュニケーションに欠かせない重要な要素でありながら、シンプルで短いものばかり。
スピーキングが苦手でも、覚えれば覚えるほど豊かな会話を引き出せるようになるという楽しみもあります。スピーキング練習のモチベーションアップにもつながりますね。
最初のうちは、どうしても聞き役に回ることが多いので、会話を維持するためにも豊かな相づち表現を身につけるというのは合理的です。
「相手にたくさん話してもらうこと=生きた表現を学ぶチャンスがたくさんある」ということ。実体験で学んだ英語表現は、記憶への定着力が違います。
下記記事では英語の相づち表現について詳しく解説しています。
言いたいことを文章にできないとしても、単語を並べるだけで伝えることは可能です。ですから、語彙は多いに越したことはありません。できる限りたくさんの言葉を身につけましょう。
例えば、paper「紙」より document「書類」という言葉を知っている方が通じやすいですし、 application form「申請書」と言えれば即座に正確に伝わります。使う可能性のある場面や分野の語彙から手を付けて行けば、努力の効果を感じやすくなります。
言葉の数は無限でキリがないですが、覚えれば覚えるほど表現の幅が広がるのは確かです。
「とてもお腹が空いた」と言いたいとき very hungry という初歩的な表現を知っていれば済みますが、ravenous「飢えている」や starving「飢え死にしそう」といった単語も使えれば、空腹の度合いと人柄までも伝わるような言い方をすることができるわけです。
余裕があるならさまざまな語彙に触れてください。言葉が豊かになれば「話をしていて楽しい人」になれます。
たくさん覚えた方が良いと言っても、具体的にどれくらい覚えるといいのかの目安については下記記事もぜひ参考にしてください。
さて、残念ですが、頭で知っていることと、実際の会話中に即座に使えることは違います。スピーキング上達のための2つ目のコツは、「知っている言葉を必要なときに口から出せるようにすること」です。
英語を覚えるときは頭だけで済ませてしまいがちですが、スピーキング力アップにつなげたければ、それらを口にすることにも慣れておかなければなりません。
言葉を覚えるときは声に出して発音もしてみましょう。会話表現も会話を疑似体験する気持ちで音読します。
日本語と英語では発音もリズムも全然違うということはすでに分かっていても、実際に自分の口で試して実感として理解することが大事です。
頭に浮かんだ言葉をすぐに口で音声化できるとは限りません。「頭では分かっていたのに…」と、悔しい思いをしないためのウォームアップになります。
会話は流れていくものです。いくら良い言葉が浮かんだとしても、タイミングを逃したら無用なものでしかありませんよね。
言いたいことを言いたいときに、伝えたい通りの感情で口から出せるようにするためには、「シャドーイング」というトレーニングも取り入れてみましょう。英語の音声の後を追いかけるようにして、自分でも発声してみる練習法です。
テレビや映画など動画を観ながら、話している人のセリフを感情も含めてコピーします。英語の発音だけでなく、特有のリズムやイントネーション、タイミングや声の調子なども意識するのがポイントです。
できれば画像イメージも一緒に頭に取り込んでしまうのがコツです。必要な状況になったとき、驚くほど自然にセリフがよみがえって再現できるようになりますよ!
「シャドーイング」の効果と正しいやり方については下記記事をぜひご覧になってください。
スピーキングというアウトプット作業は敷居が高いと感じるかもしれませんが、自己表現につながるので達成時の満足感は高くなります。何より、本格的に英語と関わろうとするならスピーキングは避けて通れません!
英語のスピーキングの機会が限られる環境では遠い道のりに思えるかもしれませんが、上記のようなステップを追っていけば着実にレベルアップできるスキルでもあります。
努力の効果がすぐに感じられるのもまたスピーキング練習の面白さではないでしょうか。