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英語は筋力と同じ!? 筋トレに例えて考える英語習得のコツ

英語は筋力と同じ!? 筋トレに例えて考える英語習得のコツ

巷には実にさまざまな英語の学習方法が溢れていますが、最も効率のよい方法とはどのようなものなのでしょうか?

筆者は、医薬翻訳者として活動しながら、アメリカのジムでパーソナルトレーナーとして運動の指導を行っているのですが、正しく筋力をつける方法は、英語力をつける方法にも応用できるのではないかと常々考えています。

筋力と英語力の間には一見何の関連もなさそうですが、実はこの2つの間には多数の共通点が存在するからです。

そこで今回は、英語を習得するためのコツを、筋トレに例えて考えてみました。効率的に英語を習得したいとお考えの方は、ぜひご一読ください。
 

1. 明確な目標設定

筋トレの目標にはどのようなものがあるでしょうか?

体脂肪を落とすこと、筋力の強化、体力の維持・向上、姿勢の改善、ストレス解消、自分に自信を持ちたい、体を大きくしたい、など、さまざまな理由が考えられるでしょう。

これらの目標に近づくためには、一口で筋トレといっても異なるトレーニングが必要です。例えば、姿勢の改善を目標としている人が、ふくらはぎのトレーニングだけをしてもあまり意味がないことは簡単にお分かりいただけるでしょう。

では、英語学習の目標にはどのようなものがあるでしょうか?

海外旅行で困らないだけの会話ができるようになること、英語で商談ができるようになること、仕事で必要なTOEICの点数を取得すること、海外の大学に留学すること、外国人を口説きたい(笑)など、こちらも人によってさまざまでしょう。

筋トレの例と同じように、目標が異なればやるべきことは異なります。

英語で商談をする必要がある方にとって、単語帳にある単語を片っ端から覚えることは、姿勢改善のためにふくらはぎだけをトレーニングしているようなものです。会話の中で臨機応変に対応できるように、聞き取りの練習や想定される質問を英語で考えておくなどといったより適切なアプローチが必要でしょう。

先に明確な目標を設定しておくことは、やるべきことをあぶり出す上で非常に重要です。

目標の設定には、以下の ”SMART” の法則が役立ちます。

目標を立てたら、それが具体的か、計測できるか、現実的に達成できるか、実現する必要性があるか、明確な期限があるかどうか検討してみましょう。

「腕立て伏せができるようになりたい」よりも「1ヶ月後に10回腕立て伏せができるようになりたい」のほうがより具体的で明確な目標です。

「英語がペラペラになりたい」といったあいまいな目標は、「3週間以内に自宅から駅までの道案内を英語でできるようになる」「2か月後のTOEICで〇点を取る」といった数字を含む、より具体的な目標に置き換えましょう。

また、初めから大きな目標を掲げることは素晴らしいことですが、その大きな目標に到達するためには今日、今週、今月といった短いスパンで何をすべきなのかを噛み砕いて考えてみるとよいでしょう。

より短期間で、少ない努力で達成できる目標を掲げ直すことで、その目標を達成しやすくなりますし、目標を達成できれば自信につながります。自分はできると思えたら、苦しさよりも楽しさが勝るようになり、目標までの過程を楽しめるようになるかもしれません。
 

2. 現状の把握

目標を設定したら、現状を知ることが不可欠です。

自分の筋力がどれくらいあるかを把握していない状態で突然重たい物を持ち上げたら怪我をしてしまいます。100kgのバーベルを持ち上げることが目標であるとして、現在持ち上げられるのが50kgであれば、いきなり100kgに挑戦するのではなく、50kgから徐々に重さを上げていく必要があります。

怪我こそしませんが、これは英語でも同じことが言えるでしょう。

筋トレと同じように、英語でも現在のレベルを把握して、そこから少しずつ上達するという以外に上達の方法はありません。わかることとわからないこと、できることとできないことを明確にすることで、目標までの距離を把握しましょう。
 

3. 方法の選択

筋トレにおいても英語の習得においても、方法の選択は非常に重要です。

間違ったフォームで行う筋トレは、効果をもたらさないだけでなく怪我につながります。また、効果が出なければモチベーションも低下してしまうでしょう。

インターネットなどに情報が溢れていますので、独学で筋トレを行うことはもちろん可能です。しかし、行っている本人は、誰かに指摘されたり怪我をしたりといったきっかけがない限り、それが間違った方法であるということに気付かないことも多いものです。

英語学習でも同様に、適切でない方法では上達が見込めず、結果としてモチベーションが下がってしまうということが起こり得ます。もちろん独学で学ぶこともできますが、個人には得手不得手があり、ある人にとって効率的な方法が自分にとっても効率的であるとは限らないかもしれません。

ジムなどで受けられるパーソナルトレーニングで得られるものには、次の ”MASK” があると言われています。

これはつまり、知識(”Knowledge”)に基づいて、目標に向けた適切なプログラムを作成し(”Structure”)、やる気を高め(”Motivation”)、結果について説明すること(”Accountability”)が、パーソナルトレーナーの役割だということです。

これは英語の指導者についても、同じことが言えるのではないでしょうか。

自分の目標とするレベルの英語を習得し、なおかつそれを教える方法を学んでいる指導者から学ぶことで、目標に向けた適切なプログラムに沿って学習することができ、独学では気付かない点を指摘してもらえることもあるでしょう。

楽しいレッスンを行う指導者から学べば、モチベーションが上がります。また、ピンポイントで強化したい箇所がある場合は、その箇所を重点的に指導してもらうこともできます。

たくさんある方法の中から適切なものを選ぶ際には、 ”MASK” について検討してみるとよいでしょう。努力をしても効果が出ない場合やモチベーションが保てない場合は、選んでいる学習方法が正しくない可能性を疑ってみることも大切です。
 

4. 継続

目標に向けて計画を立てたら、継続的に実行し習慣にする必要があります。継続は目標の達成に最も大切な要素であると言えるでしょう。

継続的に筋トレをしている人にとって、歯を磨く、お風呂に入るといった行為同様、筋トレをすることは生活の一部です。たとえ短時間でも取り組み続けることで効果が現れるのは、語学の勉強にも言えることです。

また、筋トレをやめると筋肉が衰えるように、英語もどんなレベルであっても使うことをやめてしまえば衰えます。日本語を完全に理解することが困難であるように、英語学習にも終わりはありません。

筋トレと同様に、最初に設定した目標達成後も新たに目標を設けてコツコツと継続することで、より上達します。コツコツと継続というとつまらないことのように聞こえるかもしれませんが、達成可能な目標を設定していれば楽しく継続できるものです。
 

まとめ

この記事では、英語習得のコツを筋トレに例えて考察してみました。

明確な目標を設定し、現状を把握し、自分に合った方法を選び、それを習慣として継続するといった、正しく筋力をつける一連の流れは、英語学習にもそのまま応用できるのではないでしょうか。

英語学習で壁にぶつかったら、これが筋トレだったらどうするか?と発想を変えてみると答えが出てくるかもしれません。

効率的な英語習得の参考にしていただければ幸いです。