上田 哲也
(更新)
この記事は、3本立てでお送りしている「話すための、英単語の覚え方」の3つめの記事です。
前回までは、覚えた英単語が「英語を話す力」に繋がるまでに、3つのハードルがあるというお話をしてきました。
① 単語が思い出せない
② 使い方がわからない
③ 発音がわからない
そして今回は、この中の3つ目のハードル、「英単語の発音がわからない」をどう克服していくか、というところからご説明していきます。
もしこれまでの記事を読んでいない方がいらっしゃいましたら、こちらからチェックしてください。
単語が思い出せて、単語の使い方もわかる。でも、発音がわからなければ、実際の会話では使えません。
ここからは、3つ目の超えるべきハードル、発音についてお話していきたいと思います。
英単語の正しい発音を身につけるにはどうしたらいいのか?
その答えは「音を大切に」単語と向き合うことだけ。びっくりするくらいシンプルです。
ネイティブはどうやって発音してるんだろうって耳を傾け、それを自分の口でとことんマネしてみる。
この繰り返しでしか、きれいな発音は身につけられません。
皆さんは、単語の勉強しながら、お手本の音声を聞かずに「まあこんな発音だろう」って流し読みしたり、発音なんてお構いなしに「Favorite, favorite…? ふぁぼりて」みたいにムリヤリ頭に詰め込んだりしてきたことはありませんか?
通勤電車やカフェで単語帳を眺めながら、声を出さずに単語の勉強をしたことはありませんか?
もしそんな勉強の仕方に少しでも思い当たるところがあるなら、改善の余地ありです。もっともっと音を大切に、単語と向き合うことができるはずです。
繰り返すように、発音を良くするためには、①正しい音を知り、②あとはそれを自分で再現するしか方法はありません。
ここでは、その2つのステップについて、もう少しだけ掘り下げてみます。
きれいな発音を身につけるには、まずはきれいな発音を知ることから。
だから、音声を聞きながら勉強するのが大原則です。
自分で勝手に発音を想像するのではなく、実際にネイティブはどんな風に発音しているのかを聞いてみてください。そしてできれば、「自分は発音を知ってる」という思い込みを捨てて、その音に素直な気持ちで耳を傾けてみてください。
きっと、自分が知ってると思っていた音と、実際に聞いた音に、微妙な違いがあるはずです。
実際「知っていると思っていた発音が実は違った」なんて発見が、僕にも毎日のようにあります。
単語の発音がわかったら、あとは自分の口で確かめるように、何度も何度も口にしてみてください。
最初はどんなにマネしても、すっきりしない違和感があるかもしれません。でも、最初はみんなそこからのスタートです。
僕なんかも、未だに苦手な発音の単語はいくらでもあります。だからたくさん練習してます。
何回も繰り返し練習していれば、必ず成長はします。
「意識してもできない」が「意識すればできる」になり、そして最後には「意識しなくてもできる」へと変わっていきます。
どうしても苦手な発音もあるかもしれません。でも、それは成長のスピードが少しゆっくりなだけ。諦めない限り、得意な音も苦手な音も、それぞれのペースでしっかりと上達していくはずです。
ここまで、「話すための英単語の覚え方」について、3つのハードルの越え方についてお話ししてきました。
① 単語が思い出せない
② 使い方がわからない
③ 発音がわからない
この3つをしっかりクリアすることができれば、あとは実践あるのみです。
自分の会話の中に、学んだ英単語を登場させていく、それがさらに英語力の向上に繋がってきます。
なぜなら、人との会話には、映像があって、感情があるからです。そして、もちろん単語の使い方も発音も、会話を通して自分に馴染んできます。
そんな今までご紹介した全部のポイントを一気におさえられるのが、実際の会話で単語を使うということなんです。
覚えた単語は、使っていくごとに、自分の中に深く根を張っていくもの。
だからこそ、どれだけたくさんの英単語を覚えたとしても、最後には人と対面する会話の中で、実際にそれらを使って欲しいんです。
ここまで、「英会話に使える単語の覚え方」について、3記事連続で長々とお話ししてきました。
ただ、結局大切なのは、どれだけ単語にリアリティを持たせるか、そこだけです。
無味感想な英単語の標本でなく、リアルな英単語をイメージできているか、そのリアルさを追求するプロセスこそが、英単語を覚えるということなのです。英単語の暗記は、アルファベットの羅列に、日本語のラベルを貼り付けていくだけの作業じゃありません。モノクロな世界に、色をつけていくような、そんなプロセスです。
英語と日本語を対にして覚えるのもひとつのやり方。でも、それだけじゃリアルな英単語はイメージできないことだって、たくさんあります。だから、英単語にイメージや感情をリンクさせて、英文ごと単語を感じ取って、そして自分の口に馴染むまで何度も丁寧に発音してみてほしいんです。そうやって覚えた英単語は必ず、自分の口から自然に出てくる言葉になっていきます。